書籍詳細:治療の場所と精神医療史

治療の場所と精神医療史

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  • 紙の書籍
定価:税込 5,076円(本体価格 4,700円)
在庫なし
発刊年月
2010.09
ISBN
978-4-535-98335-9
判型
A5判
ページ数
264ページ
Cコード
C3011
ジャンル

内容紹介

従来の精神医療史では充分に検討されてこなかった日本各地の「治療の場所」が、患者や家族、地域社会に果たした役割や意義を解明。

目次

はしがき



第1章

  精神医療における場所の歴史

  「そこにしかない」場所と「どこにでもある」場所
[橋本 明]

  はじめに──精神医療における治療の場所と場所性

  1 ゲールにおける場所性の形成

  2 わが国における治療の場所

  3 西欧近代的な病院への憧憬と挫折

  4 「どこにでもある」場所の普及──近代的な制度としての私宅監置

  おわりに



第2章

  湯治場における精神病治療

  宮城県定義の「山中の癲狂院」
[近藤 等]

  はじめに

  1 定義の地

  2 定義の歴史

  3 精神疾患療養の場としての定義温泉

  4 西欧精神医学との遭遇──短期間の蜜月と長期間の反目

  5 定義如来信仰との関係

  6 定義の住民の受容

  7 時代の変化と定義温泉の終焉



第3章

  滝場の精神病者

  群馬県の室田不動と瀧澤不動
[橋本 明]

  はじめに

  1 戦前における群馬県の精神医療史

  2 文献にみる室田不動

  3 榛名山麓の室田不動を訪れて

  4 文献にみる瀧澤不動

  5 粕川上流の瀧澤での現地調査

  おわりに



第4章

  地域によって異なる「参籠」のかたち

  千葉県の場合
[板原和子]

  はじめに

  1 市川市内の3つの寺院について

    (1) 正中山法華経寺

    (2) 原木山妙行寺

    (3) 宮久保山高圓寺

    (4) 市川の3つの寺院から見えること

  2 長国山鷲山寺(茂原市)

  3 仙瀧山龍福寺(旭市)

  おわりに



第5章

  山里に暮らす精神病者

  静岡県竜爪山穂積神社の場合
[橋本 明]

  はじめに

  1 竜爪山と精神病治療

  2 静岡県の精神医療史

  3 平山での聞き取り

  4 穂積神社のトポグラフィー

  おわりに



第6章

  「水治療」からは見えないこと

  富山県大岩山日石寺の場合
[兵頭晶子]

  はじめに

  1 問い返された瞬間

  2 大岩の歴史

  3 精神病学のまなざし

  4 精神病者の参籠と大岩という地域──「民間治療場」であることの意味

  5 滝に打たれるということ

  6 転機と現在

  おわりに──そして、再びあの問いへ



第7章

  精神病者預かりを可能にしたもの

  京都府岩倉の場合
[中村 治]

  はじめに

  1 岩倉において精神病者の受け入れが始まった時期

  2 付添いなしに受け入れるようになった時期

  3 茶屋・農家における精神病者預かりの生き残りと繁栄

  4 岩倉において精神病者預かりを可能にしたもの

    (1)地理的な理由

    (2)経済的な理由

    (3)人を預かることに対する慣れ

  おわりに



第8章

  霊場生駒山地の一民間療法

  戦前大阪府下の精神病者収容施設「星田妙見道場」
[板原和子]

  はじめに

  1 文献から見える「菖蒲が滝地域」

   (1) 明治以前の「菖蒲が滝地域」

   (2) 昭和初期の栗山一夫の現地調査より

  2 「菖蒲が滝地域」を訪ねる

   (1) 斉藤愛映氏を訪ねる

   (2) 永徳寺を訪ねる

  おわりに



第9章

  民間治療場から精神病院へ

  徳島県阿波井神社の場合
[兵頭晶子]

  はじめに──精神病院へ転化するということ

  1 徳島県阿波井神社の歴史と病者の参籠

  2 阿波井島保養院の設立

  3 阿波井島保養院の実態

  4 兵庫県阿波井神社との対比

  おわりに──場所性の喪失が問いかけていること



  あとがき