書籍詳細:エコロジーの経済理論

エコロジーの経済理論 物質循環論の基礎

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  • 鷲田 豊明
  • 紙の書籍
定価:税込 3,850円(本体価格 3,500円)
在庫なし
発刊年月
1994.07
旧ISBN
4-535-55005-0
ISBN
978-4-535-55005-6
判型
A5判
ページ数
336ページ
Cコード
C3033
ジャンル

内容紹介

環境問題を引き起こす社会システムの問題点を、「剰余」をキーワードに分析することによって、人類の持続的生存を可能にする新しい社会システムの見取り図を提示する。

目次

第1章 物理循環と生物システム
1 大気と水の循環
2 物質循環の「場」と「渦」
3 生物システムに拘束された物質循環
4 「場」における秩序の散逸
5 秩序の結晶としての生物システム
6 生物システムにおける自由度と目的
7 マクロ目的とミクロ目的
8 システム進化とマクロ目的
9 目的論の復権
第2章 生態系の構造と自己組織化
1 生態系の概念と範囲
2 物質、エネルギー、用役による相互依存性
3 森林生態系の物質・エネルギー流の計測例
4 エネルギー流と自己組織化
5 最大呼吸仮説
第3章 線形モデルによる生態系分析
1 線形モデルの可能性と必要性
2 生産者-分解者モデル
3 分解者間の競争と共存
4 最大呼吸構成の安定性
5 モデルの一般化と基本定理
第4章 生態系モデルのシミュレーション
1 モデル生態系の構造
2 最大呼吸問題の定式化
3 最大呼吸解としての群集構成
4 双対解と呼吸廃熱価値体系
5 群集構成の最適性と現実性
第5章 生態系の遷移と動学モデル
1 生体遷移の戦略
2 モデルの枠組み
3 生態系データの導入
4 遷移とターンパイク
第6章 生体系の剰余から経済の剰余へ
1 生態系からの自立と剰余の発見
2 農耕の開始と剰余の自己目的化
3 農業社会の剰余と構造
4 農業社会から工業社会へ
5 労働社会という選択肢
6 剰余と環境危機
7 あらゆる形態の剰余を自然に返す
第7章 近世農業社会の剰余と編成原理
1 近世農業社会の基本問題
2 近世農業と物質循環
3 近世経済の二つのモデル
4 近世農業における技術選択の問題
5 米価値体系としての石高制
6 近世農業社会の不安定性と危機
第8章 近代工業社会と欲求
1 欲求の無制限性
2 欲求の多様化と部分化
3 自然の多様性と人工の多様性
4 欲求のダイナミクス
5 欲求の無制限性と自発的制御
第9章 自然社会と環境価値
1 物質循環表
2 環境能力指標と環境価値体系
3 環境価値と市場価格
4 自然私有の限界と共同管理
終 章 物質循環論の人間像
付録 線形計画の双対定理について