書籍詳細:現代金融の経済学

現代金融の経済学

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  • 紙の書籍
定価:税込 2,750円(本体価格 2,500円)
在庫なし
発刊年月
2003.10
旧ISBN
4-535-55344-0
ISBN
978-4-535-55344-6
判型
A5判
ページ数
276ページ
Cコード
C3033
ジャンル

内容紹介

10年間の停滞のなかでも金融の分野では法制度も実態面も大きく変わった。その現実の動きを重視しつつ、初学者にも金融理論が理解できるように理論と実態がつながるよう工夫した最新の入門テキスト。

目次

はじめに

第1部 金融機関の変化と将来

第1章 銀行再編の動き/堀江康煕
1 はじめに
2 金融システムと銀行業の再編成
2.1 金融システムの特徴と変化
2.2 金融仲介方法の変化
2.3 必要な「Fair」への配慮
2.4 大手行におけるグループ再編
2.5 必要な大手行の収益力強化
3 地域金融機関の再編成
3.1 地域金融市場の意義
3.2 地元回帰と不良債権問題
3.3 金融機関収益力の決定要因
3.4 規模の経済性と留意点
3.5 合併と効率性の追求
3.6 重要な独自の経営戦略
4 銀行の不良債権問題
4.1 不良債権の規模
4.2 業種別特徴と自己資本の脆弱化
4.3 情報生産機能の強化

第2章 生命保険会社のコーポレート・ガバナンスと展望/茶野 努
1 はじめに
2 内部コントロール
2.1 株式会社と相互会社の違い
2.2 社員自治
2.3 所有者と経営者の利益相反の防止
3 どの外部コントロール・メカニズムが有効か?
3.1 資本市場
3.2 生命保険市場
3.3 大口の一般債権者
4 法規制システムの重要性
4.1 法規制システム
4.2 規制はなぜ必要か――市場の失敗
4.3 「情報」の重要性
4.4 代表仮説
5 法規制システムの再構築――将来展望
5.1 現行システムの機能不全
5.2 法規制システム再構築の視点
5.3 公正価値会計制度の導入

第3章 資産運用業務の展開/山本御稔
1 はじめに
1.1 変化する資産運用サービス
1.2 資産運用への取組み
2 企業年金と資産運用
2.1 企業年金の運用プロセス
2.2 運用プロセスと資産運用に関わるサービス
2.3 受託者責任
3 確定拠出年金制度
3.1 制度の概要
3.2 投資対象の金融商品の選定
3.3 情報提供(投資教育)
3.4 加入者情報の記録・管理
3.5 制度関連サービスに係る試行、問題点、リテールビジネスへの適用可能性
4 資産運用業界の今後

第4章 中小企業向け政策金融の再編成/山田治徳
1 はじめに
1.1 わが国の中小企業向け政策金融の現状
1.2 中小企業向け政策金融の問題点
2 アメリカの政策金融
2.1 政策金融の概要
2.2 中小企業を対象とした政策金融
2.3 中小企業庁によるプログラムの概要
3 イギリスの中小企業を対象とした政策金融
3.1 イギリスの中小企業金融
3.2 中小企業融資保証制度(LGS)
4 フランスの中小企業を対象とした政策金融
4.1 中小企業開発銀行
4.2 相互保証会社
5 まとめ
5.1 組織と所管の一元化
5.2 融資偏重の見直しと融資先企業への支援システムの整備
5.3 民間と競合しない機能の強化

第5章 地方自治体の財務と金融機関/伊東弘文
1 問題の発生
1.1 ペイオフの解禁
1.2 地方自治体とペイオフ
2 自治体の財務と公金
2.1 公金預金の残高
2.2 公金の定義
2.3 公金の保管原則――「確実かつ有利」「確実かつ効率的」
2.4 賠償責任と住民訴訟
2.5 預金制度と金融機関の指定
2.6 その他の関連金融機関
3 ペイオフ凍結解除の衝撃
3.1 ペイオフの対象としての公金
3.2 公金はどのように「保護」されるべきか
3.3 ペイオフ解禁
3.4 指定金融機関と地銀
4 結び――「真夏の夜の夢」か

第2部 取引手法と市場構造の変化

第6章 金融仲介と知的資産/上林敬宗
1 はじめに
1.1 金融仲介方法の多様化
1.2 資産担保金融の進展と裏付資産の多様化
2 知的資産の重要性
2.1 知的資産の定義
2.2 知的資産の特徴
2.3 知的資産戦略の必要性
3 知的資産を介した金融
3.1 金融仲介の種類
3.2 金融仲介に当たっての障壁
4 知的財産の認識
4.1 知的財産の価値評価
4.2 知的資産会計
5 今後の課題と展望
5.1 知的資産を利用した金融推進のための課題
5.2 知的資産担保金融の意義と今後の展望

第7章 時価会計の導入と株式持合い/澤邊紀生
1 はじめに
2 コーポレート・ガバナンスと財務会計
2.1 財務会計と企業統治
2.2 経営者報酬契約と財務会計
2.3 会計情報のヴァリュー・レレヴァランスとコーポレート・ガバナンスにおける役割
2.4 経営者交代と財務会計
3 会計制度変更によるコーポレート・ガバナンス構造の変容
3.1 株式持合いの意義
3.2 株式持合いの現状
3.3 株式所有構造とコーポレート・ガバナンス
3.4 時価評価導入の株式持合いへの影響
3.5 時価評価と株価変動
4 環境決定論と環境形成論

第8章 国際金融危機と株価への影響/大野早苗
1 はじめに
2 株価変動と為替変動の関係
2.1 株価の決定
2.2 為替変動と株価のボラティリティーの関係
2.3 為替変動と株価の相関の関係
3 アジア・中南米市場における為替レートと株価の動向
3.1 アジア・中南米諸国における為替レートと株価の推移
3.2 株価変動と為替変動との関係
4 為替変動が株価のボラティリティーと相関に与える影響
4.1 為替レートの影響に関する分析 ~モデル~
4.2 実証分析
5 株価のボラティリティー波及と為替変動の関係
5.1 株価変動の波及効果
5.2 株価ボラティリティーの係数や相関と為替変動との関係
6 おわりに:円レートが株価に与える影響

第9章 東アジアの国際資本移動/大坂 仁
1 はじめに
2 国際資本の役割
2.1 国際資本フローの意味
2.2 ギャップ理論
3 国際資本移動の推移
3.1 国際資本移動の特徴
3.2 東アジア・太平洋地域の推移
4 東アジアの国際資本移動
4.1 東アジアの特徴
4.2 アジア通貨危機と国際資本フロー
5 東アジアの国際資本移動と展望
5.1 通貨危機後の東アジアの経済成長展望
5.2 通貨危機の再発防止策
5.3 わが国の役割

第10章 グローバル化のなかの円取引/平田 潤
1 はじめに
1.1 世界経済のグローバル化と円
1.2 「円」を取り巻く国際通貨環境の変遷
2 「グローバル化のなかでの円取引」
2.1 4つの切り口による評価
2.2 通貨・為替としての強さ・価値、安定度
2.3 円の貿易・投資・金融取引の使用通貨としての機能
2.4 円を調達/運用する金融市場の比較
2.5 アジアにおける円の役割
3 世紀の円取引
3.1 アジアを軸に展開が期待される円取引のグローバル化
3.2 中国通貨――人民元の台頭
3.3 中国の為替管理制度
3.4 終わりに

参考文献