書籍詳細:だいじょうぶ? 日本の警察

だいじょうぶ? 日本の警察 検証 警察改革

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  • 紙の書籍
定価:税込 3,960円(本体価格 3,600円)
在庫なし
発刊年月
2003.10
旧ISBN
4-535-51371-6
ISBN
978-4-535-51371-6
判型
A5判
ページ数
472ページ
Cコード
C3032
ジャンル

内容紹介

一連の警察不祥事の実態、原因等を紹介・分析し、警察の民主的コントロールはいかにあるべきか、その問題点を指摘。さらに、警察情報公開について、開示状況等を、弁護士会の実態調査に基づき検証し、警察の更なる改革を促す。

目次

はじめに――警察改革の焦点は何か

第1章 警察の不祥事

第1節 相次ぐ警察官の不祥事
 1 はじめに
 2 警察職員に対する懲戒事案数について
 3 警察職員に対する懲戒処分等の内容分析について
 4 マスコミ報道に見られる警察官の不祥事の状況

第2節 主な警察不祥事の内容分析
 1 はじめに
 2 市民が被害にあった事例
 3 警察官と警察関連事業者との癒着による不祥事
 4 組織ぐるみの不祥事
 5 緒方氏宅電話盗聴事件
 6 不正経理問題
〔インタビュー〕桶川ストーカー殺人事件 被害者遺族(猪野憲一さん)

第3節 警察官の不祥事の原因分析と対策
 1 はじめに
 2 不祥事の類型
 3 不祥事の原因分析に基づく対策のありかたについて

第2章 警察の民主的コントロールはいかにあるべきか

第1節 公安委員会の実態と問題点
 1 公安委員会制度の意義
 2 公安委員会の現状
 3 公安委員会は、機能しているか
 4 公安委員会制度の抜本的改革の提言
 5 まとめ

第2節 警察監察制度の実態と問題点
 1 監察と警察関係法規の規定
 2 監察の実態
 3 監察制度についての警察庁の対策
 4 公安委員会の監察権限の強化
 5 市民が参加する外部監察制度の創設

第3節 警察署協議会の実態と問題点
 1 警察署協議会はなぜ生まれたか
 2 都道府県公安委員会・警察本部(警視庁)に対するアンケート回答
 3 弁護士委員に対するアンケート回答集計
 4 警察署協議会の問題点
 5 改革の方向

第4節 苦情申出制度の実態と問題点
 1 苦情申出制度の創設の背景
 2 苦情申出制度の形態
 3 苦情申出と警察安全相談との比較
 4 苦情申出の実態
 5 苦情申出制度の問題点

第5節 警察における内部告発保護制度の導入
 1 内部告発の時代的要請
 2 諸外国における内部告発保護制度
 3 わが国における動き
 4 警察における内部告発(不正行為通報)保護制度

第6節 警察オンブズマン
 1 オンブズマンとは
 2 警察オンブズマンの提唱
 3 まとめ

第7節 警察活動・警察制度の抜本的改革についての提言
 1 これまでの日弁連の提言
 2 日弁連第32回人権大会(1989年松江)の提言(抜粋)
 3 日弁連第37回人権大会(1994年山形)の宣言(抜粋)
 4 日弁連定期総会決議(2000年鹿児島)の提言(抜粋)
 5 まとめ
パネル・ディスカッション1
市民の生活の安全と警察の役割――警察をどのように民主的にコントロールできるか
 渡名喜庸安、黒木昭雄、高井康行、新垣勉、ほか

第3章 警察情報の公開

第1節 警察情報の公開の意義
 1 警察組織の秘密性・閉鎖性
 2 情報公開法の制定と情報公開条例の改正
 3 情報公開が警察に与える影響と意義

第2節 情報公開、条例と警察情報の扱い
 1 情報公開条例からの除外の経過
 2 情報公開法の制定と警察情報の扱い
 3 条例改正による実施機関化
 4 実施機関化する前の警察情報の公開をめぐる攻防――知事部局の経理文書をめぐる論点

第3節 裁判例による警察情報公開の除外事由の判断
 1 改正前の条例の除外事由と警察の主張と特徴
 2 裁判例の動向
 3 審理における主張、立証上の問題点と審理に当たっての不開示情報の裁判所への開示状況

第4節 警察刷新会議における情報公開の位置づけと改革
 1 刷新会議と情報公開の推進
 2 緊急提言と警察改革要綱への反映

第5節 公共の安全等に関する情報についての不開示規定をめぐる問題――行政機関の長の第1次的判断の尊重
 1 情報公開法の場合
 2 情報公開条例の場合

第6節 各地の情報公開条例の警察情報に関する規定の比較など
 1 はじめに
 2 公開対象文書の期間制限
 3 文書保存期間

第7節 各団体の警察情報公開請求の取り組みと成果
 1 全国市民オンブズマン連絡会議の取り組み
 2 日本国民救援会の取り組み

第8節 シンポ実行委員会による公開請求の取り組み
 1 実行委員会によるいっせい公開請求
 2 いっせい請求項目

第9節 実行委員会の情報公開請求による開示・不開示資料の分析
 1 はじめに
 2 会計支出文書
 3 警察職員の不祥事案(懲戒処分、訓戒など)に関する報告文書
 4 公安委員会と警察署協議会の議事録
 5 警察表彰制度開示資料について
 6 警察教養カリキュラム、試験などの開示資料について

第10節 警察情報公開制度の改善の提言
 1 公開対象文書の時期的制限規定の撤廃――施行日前文書
 2 行政機関の長の第1次的判断を尊重する規定の撤廃
 3 文書管理体制の整備と文書保存期間
 4 不開示事由の限定

第11節 積極的公表制度の現状と将来について
 1 「情報化社会」の中で改革を迫られる警察
 2 各都道府県等のホームページなどでの情報公開の現状と問題点
 3 全国の警察、公安委員会のホームページ掲載状況の分析
パネル・ディスカッション2
情報公開と不正経理――始まった警察情報公開
 庫山恒輔、大内顕、大沢理尋、ほか

第4章 市民生活の安全と警察

第1節 市民生活の安全の現在
 1 市民生活の安全と最近の犯罪状況の特徴
 2 刑事警察の機能低下の要因は何か

第2節 警察の権限拡大の現状と市民生活の安全
 1 現在の警察権限の拡大の動向と問題点
 2 行政警察分野の権限拡大と問題点
 3 犯罪被害者対策における権限拡大の動向と問題点
 4 警察介入規制を伴う刑事立法の拡大と問題点
 5 新たな操作手法や市民監視システムとその問題点
 6 公安警察機能重視の現状

第3節 市民社会における警察のあり方
 1 市民社会と「警察」像
 2 「行政警察」機能の縮小・分離
 3 刑事警察機能の回復・強化

第4節 憲法が予定する警察像と警察の役割

「警察改革」年表