書籍詳細:日本のアジア報道とアジア論

日本のアジア報道に潜むバイアスを暴く! 日本のアジア報道とアジア論

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  • 紙の書籍
定価:税込 4,400円(本体価格 4,000円)
在庫なし
発刊年月
2003.02
旧ISBN
4-535-58321-8
ISBN
978-4-535-58321-4
判型
A5判
ページ数
324ページ
Cコード
C3036
ジャンル

内容紹介

報道の誤りや偏向は避けられないとはいえ、日本のアジア報道には特定のバイアスがかかっている。シンガポールの新聞特派員の経験を持つ筆者が日本人には見えにくいこのバイアスを大胆にえぐるユニークなメディア論。

目次

はじめに 日本との出会い
第I部 日本のアジア観と報道
序 章 日本のアジア報道はどこへ向かうか
「マスコミ大国」と「金太郎飴」
日本中心の「期待と不安」論
「政治大国」のねらいと報道姿勢
「国論二分」時代の終焉と「東南アジア不在」論
「福田ドクトリン」の空洞化と「未来志向」論
江沢民早稲田講演の異常報道と香港報道
むすび──問われる「国益論」の本質
第1章 日本のマスコミにおける東南アジア報道
戦前の報道の背景と特色
戦後の報道の背景と特色
第2章 「南方報道」と「東南アジア報道」の連続と不連続
「南方報道」の役割と担い手
「東南アジア報道」の空白と「回帰」
むすび
第3章 戦後日本における華僑および華人論
──マスコミと研究者の論調を中心にみる
日本の「華僑論」はなぜ戦前の枠組みから抜け出せないのか
70年代以降の「華僑論」の特徴と変化
ポスト冷戦期の「中華勢力」論と「華僑・華人論」
第4章 アジアの視点から見た日本の「内なる国際化」
──留学生・就学生に関する記事をめぐって
「留学生十万人計画」
「円高苦」とマスコミ報道
 バングラデシュ青年「餓死事件」の衝撃
「官民一体救済ムード」の醸成
「王小玲事件」および「上海事件」以後の報道の特徴
「かわいそう」論から「出稼ぎ」論への移行
むすび──問われる「内なる国際化」報道の姿勢
第5章 日本における「外国人労働者」論議の諸問題
はじめに──なぜ「国民大論争」なのか
無視された「強制連行」と「海外雄飛」の史実
70年代──「研修生」をめぐるメディアの反応
90年代──「開国・鎖国」論争の実像と虚像
マスコミ報道・論評の問題点
むすび──ふりだしに戻った「研修生」論議の意味
第6章 日中関係と日本のマスメディア
I 江沢民主席の訪日をめぐって
ポスト冷戦期のアジアの枠組みと日本の「中国観」の変化
江沢民主席訪日直前の日中の論争
江沢民主席訪日期間中の日本のメディアの姿勢
中国政府の「歴史へのこだわり」を日本のメディアはどう説明したか
日中関係はどこにいくのか
II 朱鎔基中国首相の訪日と日本の反応
日中関係と「ODAカード」
「感謝外交」論と「微笑外交」論
「歴史問題」と「未来志向」
「増信釈義」の道はまだ遠い
朱首相訪日後の論争
第7章 湾岸危機と日本の「海外派兵論」
論議の三大テーマと三つの段階
「国連平和協力法案」提出の背景
戦後「派兵論」の系譜を分析する
マスメディアの報道偏向と特徴
掃海艇出航とアジアの反応
第II部 日本のアジア報道を読む
第8章 アジア報道を読む
アジア無視の「真珠湾」論議
輸入タイ米の処分と日本の「特殊論」
日本の常任理問題、マスコミは公正に
「安保理入り」と日本の「反省」
誇張される「大中華経済圏」
「新聞の教訓」と従軍記者
インドネシア動乱と日本の視点
第9章 アジア論の落とし穴
サミット報道とアジア代表論
脱亜論と興亜論
東京発「アジア主義」の怖さ
「議長国期待」論の実像と虚像
「4、7、10ゲーム」とアジア盟主論
ASEM会議と日本の「橋渡し役」論
誰のための「歩く学問」なのか──鶴見良行さんとの出会い
第10章 外圧論と国際貢献論
外圧「利用」と「排斥」の構造
エスカレート「自衛隊派遣」
「孤立への道」歩む日本
「変わり身達者」のマスコミ
「顔」の多い日本
ガリ国連総長発言と外圧論
第11章 「過去」の清算と安保論争
 敗戦8・15をアジアに問う
「広島被曝切手」とアジアの視点
何のための「国会決議」なのか
憲法論争と不戦決議
「東南アジア不在」の「不戦」論議
沖縄の6・23の平和発言と教科書検定
「原爆」・国会決議・台湾百年
村山談話の重み
ほころびを見せる「非核三原則」
10本土と沖縄とのコミュニケーション・ギャップ
11拡大する「有事」の範囲
第12章 隣国間とアジア外交
天皇訪中と外交ゲーム
日本のマスメディアと瀋陽日本総領事館事件
小泉訪朝と日本メディアの反応
日本のマスコミと「拉致」事件
あとがき