雑誌詳細:法律時報  2009年7月号

2009年7月号 通巻 1011号

  • 紙の書籍
毎月27日発売
[特集1]
制度改革訴訟と弁護士の役割
[特集2]
イギリス憲法像の現在――変動の諸相と構造
定価:税込 1,781円(本体価格 1,619円)
在庫なし
発刊年月
2009.06
雑誌コード
08027
判型
B5判
ページ数
184ページ

内容紹介

国籍認知、薬害、じん肺・アスベスト、サラ金、生活保護、街づくり、過労死などの訴訟では、少数の被害者の訴えから始まり、世論を動かし、政治課題となり、立法・制度改革に展開していった。弁護士の役割を考察し、「権利拡大の法理論」を検証する。

【法律時評】

横浜事件再審免訴判決にみる法の論理と常識の相克/田淵浩二



■特集=制度改革訴訟と弁護士の役割



訴訟活動と制度改革をつなぐもの/上柳敏郎

被害者救済から権利拡大へ――弁護士による社会運動としての「制度改革訴訟」/淡路剛久

国籍法違憲判決――JFCに対する法的支援活動の通過点/近藤博徳

薬害肝炎原告団・弁護団の闘い/濱野泰嘉

全国トンネルじん肺訴訟における国の政策を変える闘い/須納瀬学

サラ金被害との闘いと貸金業法改正――2010年見直しに向けて/森 雅子

生活保護への法律家の関与/森川 清

建築紛争・まちづくり訴訟と弁護士の役割/小島延夫

金融サービス分野における弁護士の取組み/三木俊博

過労死被害救済について/玉木一成

制度改革訴訟と弁護士の役割――裁判官の視点から/梶村太市



■小特集=イギリス憲法像の現在――変動の諸相と構造



総論・イギリス憲法実像の現在――二つの世紀末における司法改革の論理と構造(1)/戒能通厚

1998年人権法制定後における新たな権利章典制定化論/倉持孝司

現代イギリス憲法理論の一傾向――憲法史への関心の高まりに注目して/愛敬浩二

現代イギリス地方自治の歴史的脈絡――近代的地方自治制度の「解体」と「再生」/岡田章宏

審判所の誕生と死滅?/榊原秀訓



【論説】

裁判員評議における評議デザイン論の展開(1)

論告分析型評議の提案――裁判員が実質的に関与する評議の実現のために

 /西條美紀・高木光太郎・守屋克彦



民法改正を考える(5)

民法改正フォーラム・学界編――奥田昌道先生を囲んで/中野邦保・伊藤栄寿



公私区分の意味――長谷部教授への反論/毛利 透



第59回“社会を明るくする運動”に寄せて/西村 穣



憲法理論の再創造(12)

北東アジア――「非西洋」のアイデンティティ:韓国を中心に/國分典子



公私協働の最前線(14)

公共調達法制の動向――ドイツにおける変容/荒木 修



多角的法律関係の研究(13)

資産証券化取引と多角的法律関係/青木則幸



新信託法制と流動化・証券化(7)

新信託法下における日本版チャリタブル・トラスト/田中和明



【取引法研究会レポ-ト】

不安の抗弁権の条文化に関する若干の検討――中国契約法における不安の抗弁権規定を参考として/稲田和也



【B&Aレビュー】

水留正流「責任能力における『精神の障害』――診断論と症状論をめぐって(1・2完)」、

箭野章五郎「刑事責任能力における『精神の障害』概念」●刑事法学の動き/浅田和茂



【民事判例研究】

過失相殺において斟酌される『過失』の射程範囲――その減額根拠に関連して/宮本幸裕



【特別刑法判例研究】

飲酒運転への車両等提供罪と同乗罪の罪数関係について併合罪であるとされた事例/萩野貴史



【労働判例研究】

客室乗務員に対する地上職への職種変更をともなう配転命令の効力

 ――ノースウエスト航空(FA配転)事件/大木正俊



【史料の窓】

小川高之助の「村落社会主義」論/林 彰

災害・リスク対策の法的課題

自然的および人為的にもたらされる災害に対して被害を防止しまたは減少させる対策や、災害からの復興に関する法制を、さまざまな分野から総合的に検討し、その到達点と今後の課題を明らかにする。