雑誌詳細:こころの科学  2025年11月号

2025年11月号 通巻 244号

  • 紙の書籍
偶数月17日発売
[特別企画]
「自分が嫌い」という沼
平島奈津子/編
定価:税込 1,496円(本体価格 1,360円)
在庫あり
発刊年月
2025.10
ISBN
978-4-535-14144-5
雑誌コード
63958
判型
B5判
ページ数
128ページ
定期購読申込ページへ

内容紹介

「自分が好き」と堂々と言える人はどれくらいいるだろうか。自分を否定したり肯定したりするなかで生まれる悩みについて考える。


●巻頭に 
80年目の癒えない痛みに触れて願うこと……大石 智
_________________________________

■特別企画 「自分が嫌い」という沼 
平島奈津子(オフィス朔・精神科医)=編
_________________________________

●総論
「自分が嫌い」な子どもと大人……青木省三


●「自分が嫌い」の周辺

「親ガチャ」という言葉を生む社会に思うこと……尾久守侑
「女嫌い」な女たち……上野千鶴子

「自分が嫌い」と愛着トラウマ
——回復への鍵は、支援者が信じる力を磨くこと……工藤由佳

“自分”の成り立ち、そして“自分が嫌い”をめぐって
——ロンドンでの精神分析治療経験を通して……阿比野宏


●「自分が嫌い」に出会うとき

学校で出会う「自分が嫌い」な子どもたち……岩宮恵子
「自分が嫌い」な若者たち——大学生の相談から見えること
  ……岡本百合

なぜ「自分嫌い」が、リワークに現れるのか?
——心理的ギャップが生む“自己不一致”のゆくえ
  ……田中理香・多田潤司・一丸千佳子

「こんな自分が嫌っ」——メンタル疾患と「自分」……福田正人
「自分が嫌い」に至るセルフスティグマ……吉井初美
支援者が「自分が嫌い」になるとき……大塚 斉


●空想クリニックへ、ようこそ

治療室A 精神分析的セラピー……関真粧美
治療室B 外来森田療法——自分を好きになれない女性たち……北西憲二
治療室C トラウマ臨床……大江美佐里

_________________________________

■論説
見逃されてきた神経発達症——吃音(小児期発症流暢症)のある人への
最新の理解と支援……菊池良和


■連載
ネット・ゲーム依存を病気にしないために(3)
少年とライオン……佐久間寛之

ケアを支える言葉と対話——こころを診る、そのまえに(12)
病理化にあらがうということ……大石 智

性暴力とわたしたち——未来を生きるレジリエンス(11)
被害者等を支援する法令と制度(2)……新井陽子

混沌の中で、「私」を結ぶ——自閉スペクトラム症と精神病理学(6)
「顔がわかる」という謎……清水光恵


****************************************

■ほんとの対話
塚本千秋『思春期青年期の臨床・学校』……高 宜良
末木 新、高坂康雅 編著『こころを守る仕事をつくる』……川岸晃子
小林 陵『悩める社会人のための精神分析からの処方箋』……日野 映


■こころの現場から
テレパシーは使えなくても(単科精神科病院)……小川 基
「メンタルがやばい」(心理相談室)……金山佐喜子
ささやかなお礼(福祉事務所)……高野正秀


■伝言板



こころの科学245号(2026年1月号)

特集=児童発達支援を耕す——就学前の神経発達症支援

発達支援へのニーズが増大するなか、質の改善や多様化への対応など課題も挙げられている。支援の現状と現場の工夫を紹介する。
吉川 徹/編