雑誌詳細:法律時報  2016年10月号

2016年10月号 通巻 1104号

  • 紙の書籍
毎月27日発売
[特集1]
民法と戸籍制度
定価:税込 2,035円(本体価格 1,850円)
在庫なし
発刊年月
2016.09
雑誌コード
08027
判型
B5判
ページ数
176ページ

内容紹介

実体的な法律関係を反映させるもの以上の性格を有する戸籍制度は、戦後「家」制度が廃止され、新たに築かれた家族法といかに関わるか。深く論じられてこなかった難題を問う。

【法律時評】
イギリスのEU脱退国民投票と法……中村民雄

■特集 民法と戸籍制度
・企画趣旨……窪田充見
・身分法としての民法の変容と戸籍……岩志和一郎 
・〈戸籍〉の成立……小野博司 
・韓国の戸籍制度と住民登録制度……金 敏圭 
・現在の戸籍制度が果たしている役割……増田勝久 
・戸籍の虚偽記載と訂正等をめぐる問題……水野紀子 
・戸籍制度と氏をめぐる問題……常岡史子 
・戸籍法の立法的課題……床谷文雄

■小特集 性犯罪処罰の基本問題
・企画趣旨……樋口亮介
・強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について……佐藤陽子
・性犯罪における「暴行脅迫」について……嶋矢貴之
・児童に対する性犯罪規定を巡る現状と課題……深町晋也
・性犯罪被害者の性的経歴に関する証拠……成瀬 剛
・性犯罪の主要事実確定基準としての刑法解釈……樋口亮介

●連載
・グローバル化と法の変容・10……松尾 弘
 グローバル化と開発法学——マルチラテラルな法形成への法学の対応
・憲法学からみた最高裁判所裁判官・18……齊藤 愛
 初めての女性最高裁判事——高橋久子
・「国家と法」の主要問題 Le Salon de théorie constitutionnelle・16……金井光生
 聖獣物語——中性国家のわいせつ性に関する憲法哲学的断章
・民法理論の対話と創造・4-1……水津太郎
 財貨帰属と代位法理(上)

【B&Aレビュー】
西谷 敏『労働法の基礎構造』……和田 肇
上田正基『その行為、本当に処罰しますか——憲法的刑事立法論序説』●刑事法学の動き……飯島 暢

【民事判例研究】
建物吹付けアスベストによる健康被害を惹起した土地工作物の「瑕疵」の判断時期と判断要素……松本克美
【特別刑法判例研究】
金融商品取引法166条1項1号の「その他の従業者」の意義……木崎峻輔
【労働判例研究】
労使関係アンケート調査によるプライバシー権、団結権、政治活動の自由の侵害——大阪市ほか(労使関係アンケート調査)事件……石田信平
【史料の窓】
開戦通告が消された対米「覚書」……佐藤元英

最高裁新判例紹介/新法令解説/文献月報・判例評釈/メモランダム

2016年11月号(2016年10月27日発売)予価1950円+税

特集=消費者契約法の改正

制定後初めて実体法部分についての大きな改正がなされた消費者契約法。本年改正が成った内容を確認し、改正の背景と意義、今後の課題について理論的に迫る。

・予定目次(広告ご案内用)
1 消費者契約法の改正の趣旨と概要……山本敬三
2 締結過程の規制
 (1)「勧誘」要件のあり方・第三者による不当勧誘……鹿野菜穗子
 (2)不利益事実の不告知と重要事項……山本 豊
 (3)困惑類型の追加・不招請勧誘……後藤巻則
 (4)合理的な判断をすることができない事情を利用した契約の締結……宮下修一
 (5)取消権の行使期間・取消しの効果……松本恒雄
3 不当条項規制
 (1)現行規定(8条・9条)の見直し……原田昌和
 (2)不当条項の類型の追加・10条の見直し……大澤 彩
4 条項使用者不利の原則・その他の論点……河上正二

小特集=内閣法制局と最高裁判所──安全保障関連法下の課題と展望

日本の違憲審査制に重要な役割を演じてきた内閣法制局と最高裁判所。2015年の安全保障関連法の成立過程では、内閣法制局をめぐる議論が見られ、また最高裁判所の判断への期待も語られるに至っているが、両者は現在、どのような変化を遂げつつあるのか。そしてこの二つの組織の関係はどのように変化する可能性があるのか。憲法訴訟・行政訴訟や執政論との関係など、多面的・動態的な考察を加える。