書籍詳細:国民史の変貌

人間社会のグローバル化と歴史教育の関係を解く 国民史の変貌 日米歴史教科書とグローバル時代のナショナリズム

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  • 紙の書籍
定価:税込 3,080円(本体価格 2,800円)
在庫なし
発刊年月
2001.12
旧ISBN
4-535-58310-2
ISBN
978-4-535-58310-8
判型
A5判
ページ数
288ページ
Cコード
C3020
ジャンル

内容紹介

人間活動のグローバル化は日米の歴史教育にいかなる変化をもたらしているのか。国民統合の論理に焦点を当て、日米の教科書における歴史意識の変化を検討する。ネイションの現状を把握するための新たな視点を提供。

目次

第1章 教育と国民国家の社会学
 第1節 「歴史記述の意識」について
 第2節 歴史教育=国民教育?
 第3節 ナショナリズム論の今日的論点
 第4節 グローバル化=アメリカ化?
 第5節 1990年代の歴史修正主義
第2章 20世紀後半の日本における国民史教育
 第1節 「変貌」の把握
  第1項 これまでの研究と新たに必要な作業
  第2項 分析データの全体像
 第2節 文部省による教科書検定箇所の分析
  第1項 占領下の教科書政策とそこからの脱却(1956年以前)
  第2項 55年体制下の国家化(1957~1963年)
  第3項 戦後の公定ナショナリズム(1964~1972年)
  第4項 新たなパースペクティブの模索(1973~1982年)
  第5項 「侵略-進出」問題以後(1983~1993年)
  第6項 教科書検定の新展開(1994年以降)
  第7項 教科書に向けられた社会的力
 第3節 山川出版社世界史教科書の本文批評
  第1項 主権の継続性の再構築
  第2項 国民の一体化
  第3項 国境線が区切る「我々」
  第4項 精緻化される朝鮮像
  第5項 揺れる中国戦線
  第6項 南方における主体
  第7項 戦勝国イメージの分裂
 第4節 日本の歴史教育と国民史の変貌
第3章 20世紀後半のアメリカ合衆国における国民史教育
 第1節 「変貌」の把握
  第1項 これまでの研究と新たに必要な作業
  第2項 分析データの全体像
 第2節 1990年代の「アメリカ人」像の分析
  第1項 「アメリカ史」という物語
  第2項 コロンブス到着以前のネイティブアメリカ人
  第3項 アメリカ独立革命時のアフリカ系アメリカ人
  第4項 1965年移民法とその社会的帰結
  第5項 ネイションが再定義されるということ
 第3節 日系アメリカ人の同化とエスニシティ
  第1項 教科書の環境
  第2項 在米日本人および日系アメリカ人の歴史的背景
  第3項 後退する「日本人性」
  第4項 選択的なエスニシティ
  第5項 エスニシティの複合化とナショナリティへの接続
 第4節 20世紀後半の「日系アメリカ人」像の変質
  第1項 日系人史学習の社会的意味
  第2項 白人と日系人の間の分断線(1960年代の記述)
  第3項 国民化される二世(1980年代の記述)
  第4項 普遍概念による統合(1990年代の記述)
  第5項 「国家主義的語り」からの離脱
 第5節 アメリカ合衆国の歴史教育と国民史の変貌
第4章 国民史教育の現在地
 第1節 日米のケースの対照
 第2節 グローバル化と「歴史記述の意識」
 第3節 国民史の変貌と共同体統合の論理