『学習六法』〔第7版〕(第1刷〜第5刷)           【法改正に伴う条文変更のお知らせ】 『学習六法』の第7版刊行以後、以下の刑法改正と民法改正が行われましたので、下記の改正条文を参照くださいますようお願いいたします。 「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律」(平成23年6月24日法律第74号) 第五章 公務の執行を妨害する罪(第九五条―第九六条の六) 第一九章の二 不正指令電磁的記録に関する罪(第一六八条の二・第一六八条の三) 第九六条(封印等破棄) 公務員が施した封印若しくは差押えの表示を損壊し、又はその他の方法によりその封印若しくは差押えの表示に係る命令若しくは処分を無効にした者は、三年以下の懲役若しくは二五〇万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。                                     〔新設〕 第九六条の二(強制執行妨害目的財産損壊等) 強制執行を妨害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二五〇万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第三号に規定する譲渡又は権利の設定の相手方となった者も、同様とする。  (一)強制執行を受け、若しくは受けるべき財産を隠匿し、損壊し、若しくはその譲渡を仮装し、又は債務の負担を仮装する行為  (二)強制執行を受け、又は受けるべき財産について、その現状を改変して、価格を減損し、又は強制執行の費用を増大させる行為  (三)金銭執行を受けるべき財産について、無償その他の不利益な条件で、譲渡をし、又は権利の設定をする行為 第九六条の三(強制執行行為妨害等) @偽計又は威力を用いて、立入り、占有者の確認その他の強制執行の行為を妨害した者は、三年以下の懲役若しくは二五〇万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。                   〔新設〕  A強制執行の申立てをさせず又はその申立てを取り下げさせる目的で、申立権者又はその代理人に対して暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。     〔新設〕 第九六条の四(強制執行関係売却妨害) 偽計又は威力を用いて、強制執行において行われ、又は行われるべき売却の公正を害すべき行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二五〇万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。           〔新設〕 第九六条の五(加重封印等破棄等) 報酬を得、又は得させる目的で、人の債務に関して、第九十六条から前条までの罪を犯した者は、五年以下の懲役若しくは五〇〇万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。                  〔新設〕 第九六条の六(公契約関係競売等妨害)@偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした者は、三年以下の懲役若しくは二五〇万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。  A (旧九六条の三Aと変更なし) 第一九章の二 不正指令電磁的記録に関する罪               〔新設〕 第一六八条の二(不正指令電磁的記録作成等)@正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五〇万円以下の罰金に処する。    (一)人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録 (二)前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録  A正当な理由がないのに、前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。  B前項の罪の未遂は、罰する。                    〔新設〕 第一六八条の三(不正指令電磁的記録取得等)正当な理由がないのに、前条第一項の目的で、同項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、二年以下の懲役又は三〇万円以下の罰金に処する。                〔新設〕 第一七五条(わいせつ物頒布等)@わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二五〇万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。  A有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。 第二三四条の二(電子計算機損壊等業務妨害)@  〔変更なし〕  A前項の罪の未遂は、罰する。   「民法等の一部を改正する法律」(平成23年6月3日法律第61号) 第七六六条(離婚後の子の監護に関する事項の定め等) @父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。  A前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。                          〔新設〕                         B家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前二項の規定による定めを変更し、その他子の監護について相当な処分を命ずることができる。  C前三項の規定によっては、監護の範囲外では、父母の権利義務に変更を生じない。   第七九七条(十五歳未満の者を養子とする縁組) @養子となる者が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、縁組の承諾をすることができる。                                     〔変更なし〕  A法定代理人が前項の承諾をするには、養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが他にあるときは、その同意を得なければならない。養子となる者の父母で親権を停止されているものがあるときも、同様とする。 第八二〇条(監護及び教育の権利義務) 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。 第八二二条(懲戒) 親権を行う者は、第八二〇条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。 第八三四条(親権喪失の審判) 父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権喪失の審判をすることができる。ただし、二年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは、この限りでない。 第八三四条の二(親権停止の審判) @父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。  A家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、二年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。            〔新設〕 第八三五条(管理権喪失の審判) 父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、管理権喪失の審判をすることができる。 第八三六条(親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消し) 第八三四条本文、第八三四条の二第一項又は前条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人又はその親族の請求によって、それぞれ親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判を取り消すことができる。 第八四〇条(未成年後見人の選任) @前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。                               〔変更なし〕   A未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。                     〔新設〕  B未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。                 〔新設〕 第八四一条(父母による未成年後見人の選任の請求) 父若しくは母が親権若しくは管理権を辞し、又は父若しくは母について親権喪失、親権停止若しくは管理権喪失の審判があったことによって未成年後見人を選任する必要が生じたときは、その父又は母は、遅滞なく未成年後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。 第八四二条    〔削除〕                                      第八四九条(後見監督人の選任) 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる。 第八四九条の二    〔削る〕 第八五二条(委任及び後見人の規定の準用) 第六四四条、第六五四条、第六五五条、第八四四条、第八四六条、第八四七条、第八六一条第二項及び第八六二条の規定は後見監督人について、第八四〇条第三項及び第八五七条の二の規定は未成年後見監督人について、第八四三条第四項、第八五九条の二及び第八五九条の三の規定は成年後見監督人について準用する。 第八五七条(未成年被後見人の身上の監護に関する権利義務) 未成年後見人は、第八二〇条から第八二三条までに規定する事項について、親権を行う者と同一の権利義務を有する。ただし、親権を行う者が定めた教育の方法及び居所を変更し、営業を許可し、その許可を取り消し、又はこれを制限するには、未成年後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。 第八五七条の二(未成年後見人が数人ある場合の権限の行使等) @未成年後見人が数人あるときは、共同してその権限を行使する。  A未成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、その一部の者について、財産に関する権限のみを行使すべきことを定めることができる。  B未成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、財産に関する権限について、各未成年後見人が単独で又は数人の未成年後見人が事務を分掌して、その権限を行使すべきことを定めることができる。  C家庭裁判所は、職権で、前二項の規定による定めを取り消すことができる。  D未成年後見人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足 りる。                               〔新設〕