最新号の詳細情報

●2019年12月号(11/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[立法の話題]
◇地域における実践的な自殺対策を支援する指定法人の新設
――自殺対策の総合的かつ効果的な実施に資するための調査研究及びその成果の活用等の推進に関する法律

[ロー・ジャーナル]
◇離婚事件の新しい国際裁判管轄ルール――原告住所地管轄を中心に
……村松麻里(京都大学大学院博士後期課程)

1 はじめに
2 離婚事件に関する2つの先例
3 人訴法3条の2第7号の位置づけ
4 人訴法3条の2第7号の解釈論
 [1] 総 説
 [2] 人訴法3条の2第7号に明記された事情
 [3] 人訴法3条の2第7号の解釈論上導かれる事情
5 人訴法3条の2第7号と3条の5の関係
6 おわりに

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
ケーススタディで考える特殊詐欺

法律時報2019年10月号の小特集「特殊詐欺と刑法理論」とのコラボレーション企画。
振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺の問題を、ケーススタディ形式で考察する。

◇特集の趣旨・概要
……豊田兼彦
1 趣 旨
2 概 要

◇未遂・承継的共同正犯
……佐藤拓磨
1 はじめに
2 詐欺の着手時期・不能犯・承継的共同正犯
 [1] 問題の所在
 [2] 検 討
3 だましを用いた窃盗の着手時期
 [1] 問題の所在
 [2] 検 討
4 既遂後の関与の未遂
 [1] 問題の所在
 [2] 検 討

◇受け子の故意の認定
……半田靖史
1 はじめに
2 現金受取型事案
 [1] 前提事項
 [2] 受け子の故意の認定過程
 [3] 総合評価に組み入れる間接事実等の確定
 [4] 間接事実等の総合評価
 [5] 被告人Xの罪責
3 現金送付型事案
 [1] 違法行為の認識
 [2] 詐欺の認識
 [3] 被告人Yの罪責
4 おわりに

◇共謀の射程、共犯関係の解消
……十河太朗
1 はじめに
2 共同正犯と錯誤
 [1] 振り込め詐欺
 [2] 還付金詐欺
3 共犯関係の解消
 [1] 離脱型
 [2] 排除型(「抜き」の事例)

◇窃盗と詐欺の関係
……品田智史
1 はじめに
2 すり替え事案
 [1] 事例の趣旨
 [2] 詐欺罪における交付行為
 [3] 占有移転と弛緩の区別
 [4] ケース1の解決
 [5] 未遂処罰の問題
3 詐欺と窃盗の食い違い
 [1] 事例の趣旨
 [2] 詐欺か窃盗か
 [3] 共犯関係の処理
4 窃盗と電子計算機使用詐欺の食い違い
 [1] 事例の趣旨
 [2] ATMからの不正な財産の取得
 [3] 共犯関係

◇業務行為と詐欺幇助
……豊田兼彦
1 はじめに
2 幇助限定の必要性と方法
 [1] 問題の所在
 [2] 主観面の限定
 [3] 客観面の限定
3 おわりに

[特別企画1]
法廷内の手錠・腰縄問題

廃止の潮流にある法廷における手錠・腰縄
……山下 潔
1 大阪地裁(令元・5・27)判決
2 大阪地裁判決の検討

憲法訴訟としての法廷内の手錠・腰縄問題
……大久保史郎
1 はじめに
2 法廷における被告人の手錠・腰縄
3 裁判所の応答
4 刑事裁判の公開と被告人の人権
5 おわりに

法廷における手錠・腰縄と国際人権法
……北村泰三
1 はじめに
2 自由権規約とマンデラ・ルール
3 ヨーロッパ人権条約およびEU刑事手続指令
4 アメリカ合衆国の場合
5 おわりに

海外調査報告・アンケート報告
……川﨑真陽=定岡由紀子
1 海外調査報告
2 被告人アンケート
3 おわりに

[特別企画2]
[対談]京都の国際法学(上)

……松井芳郎=浅田正彦
1 はじめに――趣旨
2 京都学派の形成
3 研究会について
 [1] 研究会の発足
 [2] 研究会での活動
 [3] 外部からの出席者
 [4] 研究会の定例コンパ
 [5] 国際問題研究会
 [6] 田岡先生との思い出
 [7] 研究会に付随する仕事

●2019年10月号(9/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇「知ってから3か月」放棄可能
――再転相続、最高裁が「明治以来の通説」見直す初判断

[立法の話題]
◇死因究明・身元確認に関する施策を推進
――死因究明等推進基本法の制定

[ロー・ジャーナル]
◇ドイツ同性婚導入――寄せか、詰みか
……渡邉泰彦(京都産業大学教授)

1 はじめに
2 登録生活パートナーシップ
 [1] 1990年代
 [2] 生活パートナーシップ法
3 同性婚の立法
 [1] 連邦議会
 [2] 同性婚か、パートナーシップの充実か?
4 基本法6条1項「婚姻の保護」
 [1] 異性の夫婦による婚姻
 [2] 同性の婚姻
5 アンケート調査
6 2017年6月30日に向けて
7 同性婚開始
8 おわりに

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
裁判員制度の未来

◇裁判員裁判・この人間的なるもの――10年間の実施状況からあらためて考える
……飯 考行(専修大学教授)
1 はじめに
2 裁判員制度の特徴
3 裁判員裁判の実施状況
4 あらためて裁判員裁判とは何か
 [1] 多方面への影響
 [2] 裁判員裁判の再考
5 課題
 [1] 制度面の課題
 [2] 運用面の課題
6 おわりに

◇裁判員のこころの動きと心理的負担――臨床心理士としての体験を通じて
……山口 威(臨床心理士、公認心理師)
1 はじめに
2 私の裁判員体験
 [1] 名簿記載通知から選任まで
 [2] 冒頭手続き
 [3] 証拠調べ・弁論手続
 [4] 判決宣告
3 裁判を終えて
4 こころの動きを振り返る
 [1] 選任直後の心境
 [2] 審理中の心境
 [3] 裁判後の心境
5 心理的負担への対応
6 おわりに

◇裁判員制度10年の報道を振り返る
……滝口亜希(元産経新聞社会部記者)
1 国民の声が育てた制度
2 もう一つの誕生日
3 報道も変わった
4 判決後会見は貴重な取材機会
5 「初もの」続きの初期
6 包丁持てず
7 報道は量から質へ

◇人が人を裁くということ――飯考行・裁判員ラウンジ編著『あなたも明日は裁判員!?』を読んで
……青木孝之(一橋大学教授)
1 裁判という営み
2 某ゼミ生の相談
3 第1号事件を傍聴して
4 紙上版・裁判員ラウンジ
5 裁判員制度の百貨店

◇[座談会] 裁判員裁判に関わって
……[司会]飯 考行・森岡かおり(弁護士)・A(仮名)・高橋博信・花田弘介・澤田敦子
1 裁判員制度との関わり
2 各自の裁判員裁判体験
3 裁判員裁判の10年を振り返って
4 裁判員裁判の課題と改善案
5 最後に一言

●2019年7月号(6/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇死亡した障害者の就労可能性重視
――東京地裁判決、逸失利益2200万円を認定

[立法の話題]
◇アイヌ支援のための新法を制定
――アイヌを「先住民族」と明記

[ロー・ジャーナル]
◇イスラム法の実践と日本の公序――タラーク離婚無効判決
……尾関博之
1 はじめに
2 事案
3 請求
4 判旨
 [1] 本件タラーク離婚の効力について(請求①)
 [2] 改めての離婚の成否について(請求②)
 [3] 親権者の決定について(請求③)
 [4] 養育費について(請求④)
 [5] 離婚慰謝料について(請求⑤)
5 検討
 [1] 本件における検討課題
 [2] 宗教法と国家制定法との適用上の優先劣後
 [3] 公序則の発動

[ロー・ジャーナル]
◇第6回守屋賞
……編集部

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
法のグローバル化――変容する世界と向き合う

◇グローバル化と法秩序
……山元 一
1 はじめに
2 グローバル化と憲法秩序
3 「信念体系」としての法――国際法学における批判的アプローチ
4 憲法学にとっての「脱学習」の意義
5 本特集の各論文について

◇デモスは国境を越える?――グローバル化の時代における民主主義の一構想
……近藤圭介
1 はじめに
2 民主主義における境界問題
3 グローバル化と民主主義の諸問題
 [1] 「閉じた」民主的社会のモデル
 [2] グローバル化と社会の構造転換
4 グローバル化と全被影響利害原理
 [1] 全被影響利害原理の定式と根拠
 [2] 「全被影響利害」原理の性格と役割
5 全被影響利害原理の様々な解釈
 [1] 「影響」をめぐる様々な解釈
 [2] 「参加」をめぐる様々な解釈
6 全被影響利害原理への諸批判
 [1] 全被影響利害原理と民主主義
 [2] 全被影響利害原理と実現可能性
7 全被影響利害原理に基づく諸構想
8 おわりに

◇グローバル化と民主主義――外国人選挙権をめぐって
……興津征雄
1 はじめに
2 国民と外国人の区別
 [1] 国籍
 [2] 外国人の地位
3 外国人の選挙権
 [1] 最高裁平成7年判決
 [2] 国籍保持者としての国民と主権者としての国民
 [3] 国際社会における国籍
4 おわりに

◇国際法学におけるもうひとつの主体性――国家を構成する個人として学ぶということ
……斎藤民徒
1 はじめに
2 国際法の基礎理論の遠景
3 国際法とわれわれの生活
4 国民と国家
5 何が問題か
6 おわりに

◇ヒト胚の遺伝子改変をめぐる国際的なルールメイキング
……髙山佳奈子
1 はじめに
2 日本の現行法制
3 問題点の分析
 [1] 一般の遺伝子治療
 [2] ゲノム編集技術の特徴
 [3] 後代に影響する介入
4 日本におけるルールメーキング
 [1] 法規制の基礎
 [2] 日本法の特徴
 [3] 満たすべき条件
5 国際的なルールメーキング

◇グローバル化の中での本国法主義の変容と課題――国民国家のメンバーシップの位相
……西谷祐子
1 はじめに
2 国民国家の成立と本国法主義の隆盛
3 属人法の展開
 [1] 欧州の動向
 [2] 日本の動向
4 グローバル化と国民国家のメンバーシップの変容
5 おわりに

◇アラブ国としてのチュニジアにおける人権の普遍化とイスラームとの関係――家族法における展開を中心に
……エルバルティ・ベリーグ
1 はじめに
2 チュニジアの特殊性――いわゆる「チュニジアの例外」
3 チュニジアにおける人権の普遍化
 [1] ジャスミン革命前の状況
 [2] ジャスミン革命後の状況
4 結語

●2019年6月号(5/13発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇ワンセグ携帯もNHKと受信契約「義務」
――最高裁で初めて確定

[立法の話題]
◇興行チケットのネット上での高額転売防止のための法整備
――特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律

[ロー・ジャーナル]
◇国籍剥奪と複数国籍の肯否等――国籍剥奪条項違憲訴訟が問うもの
……仲 晃生
1 提訴――日本国籍剥奪条項への異議
2 国の反論(複数国籍発生防止)とその破綻
3 日本国籍剥奪を規制する憲法原理、憲法条項
4 剥奪条項違憲訴訟を超えて――複数国籍の肯否

[ロー・ジャーナル]
◇トランプ大統領による入国禁止令と司法(5・完)
……福嶋敏明
はじめに
1 連邦最高裁判決までの動向
2 連邦最高裁判決
 [1] ロバーツ法廷意見
 [2] ケネディ同意意見
 [3] トーマス同意意見
 [4] ブライア反対意見
 [5] ソトマヨール反対意見
3 反応とその後の経過
4 最高裁判決に対するコメント
 [1] 審査基準
 [2] 「大統領」対「この大統領」
 [3] コレマツ判決の否定
5 結びにかえて

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
教員の多忙化問題――働き方改革のゆくえ

◇教職員の「多忙化」をめぐる法的問題――給特法の構造、解釈、運用の問題
……髙橋 哲
はじめに
1 労基法上の基本ルール
2 給特法による特殊ルールの構造
3 給特法の解釈上の問題
4 給特法の運用実態からみた問題
 [1] 「特殊業務手当」支給の問題
 [2] 教職調整額「4%」の不支給の問題
おわりに――「学校における働き方改革」のあるべき方向

◇[座談会]
教職員の多忙化問題――法学と教育学から考える

……石井拓児 内田 良 髙橋 哲 堀口悟郎
1 教員の多忙化の現状
 [1] 「教員勤務実態調査」から見えてきた実態
 [2] 給特法に関心をもったきっかけ
 [3] 給特法と超過勤務の問題の中に部活の問題を位置づけて考える
 [4] 教育界を特殊なものにし過ぎてきた反省
 [5] 教員の長時間労働の改善のためには何らかの法的拘束力のある歯止めが必要
 [6] 教員の働き方の変化があってこそ浮かび上がった給特法の問題
 [7] 教員たちが、現場のタブーを乗り越えて、ネット上で声を上げ始めている
 [8] 若手の教員たちを中心に声を上げている背景
 [9] 労働組合はなぜこの問題に消極的なのか
2 給特法とは何か――教員の働き方を基礎づける法の構造と給特法
 [1] 給特法の制定の背景
 [2] 給特法の5つの特徴
 [3] 根拠法規定としての労基法33条3項をめぐる問題――給特法の問題点①
 [4] 教職調整額と「限定4項目外」の業務をめぐる法解釈の問題――給特法の問題点②
 [5] 特殊勤務手当支給の問題――給特法の問題点③
 [6] 教職調整額「4%」不支給の問題――給特法の問題点④
 [7] 給特法のもとで36協定を結ぶ可能性
 [8] 給特法のもとで本当に36協定を結べるのか
 [9] 特殊勤務手当を日常業務に支給するという矛盾
 [10] そもそも給特法でよいのか――教員のあるべき労働条件
3 憲法学からのアプローチ
 [1] 教員の多忙化問題と憲法学
 [2] 教員の多忙化という問題を解決するうえで「教育の論理」に乗ることが妥当かどうか
 [3] 教員多忙化を「労働の論理」から考える
 [4] 本当に自由をもった教師集団なのか
 [5] 子どものために必要な業務であればそれを不能とする条件を変えるべき
 [6] 教育の自由の観点から是正されるべき作為問題/不作為問題があると整理できる
 [7] 部活大好き、長時間労働に誇りをもっている先生たちをどのように評価すべきか
 [8] 教育の論理は子どもの人間発達の論理と必ずしも合致していない
 [9] 労働の論理とも教育の論理とも対峙するような教育の管理の問題がもち込まれている
4 教師の労働条件を規定する21世紀の教育改革・教育政策
 [1] 教職員の「働き方改革」と「教育改革」
 [2] 2000年以降の「教育改革」をどうみるか
 [3] 中教審答申をどう読むか
 [4] 答申の背後に見える管理強化の方向性
 [5] 評価に取り込まれると多忙化が止まらなくなる
 [6] 多忙化改善の責任を教師に負わせている
 [7] 「日本型学校教育」の評価
5 全体討論
 [1] 「36協定」方式が成り立つ大前提
 [2] 給特法廃止論
 [3] 何を原動力にして改善していくのか
 [4] 一般国民の意識を変えることも重要
 [5] 「1年単位変形労働時間制」の是非
 [6] 中教審答申の注目点
 [7] 教育コストをどう考えるか
 [8] 教育学や法学のアプローチをどう考えるか

◇中教審『答申』をどう読むか――「労働」の意義の分析を欠く、“底の抜けた樽”
……萬井隆令
1 中教審『答申』が避けた、給特法の運用実態の分析
2 給特法の運用と裁判
 [1] 拘束労働不在説
 [2] 小括
3 中教審『答申』の問題点
 [1] 「自発的」な業務遂行と「労働」
 [2] 教育労働の特殊性と法定労働時間制
 [3] 給特法の機能不全
 [4] 労基法36条の適用問題の回避
 [5] 1年変形労働時間制の提案
 [6] 中教審の基本姿勢

●2019年5月号(4/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇手術後の女性へのわいせつで医師に無罪
――東京地裁 せん妄の可能性認める

[立法の話題]
◇ふるさと納税制度を見直し
――地方税法の改正

[ロー・ジャーナル]
◇障害者雇用に対する虐待防止と雇用上の配慮――いなげや事件
……高橋賢司
1 はじめに
2 事実の概要
3 障害者雇用における虐待防止と雇用上の配慮
 [1] 合理的配慮義務
 [2] 障害者虐待防止法と信義則上のハラスメント・虐待防止義務
 [3] 障害者の供述の信用力について
4 高裁での和解

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
ようこそ、法律学の世界へ――法学入門2019 Part.2

【憲法学の世界】
[憲法入門]
◇残酷な統治のテーゼ
……岡田順太
1 「ブルガリア人殺し」の皇帝
2 統治者を統制する鎖としての憲法
3 憲法は幸福をもたらさない?
4 資本主義経済と憲法
おわりに――どこから手をつけようか

◇外国人労働者の受け入れ拡大と人権保障
……遠藤美奈
1 在留資格「特定技能」と「技能実習」
2 技能実習制度の「建前」
3 制度の現実と実習生の基本的人権
4 耐える理由・損なう理由
5 人が人であるために

◇フェイクニュースの憲法問題――表現の自由と民主主義を問い直す
……成原 慧
1 はじめに
2 フェイクニュースとは何か、何が問題なのか
3 フェイクニュースへの規制・対策
 [1] 米国
 [2] 欧州
 [3] 日本
 [4] 産業界・市民社会
4 フェイクニュース問題が問い直す憲法のあり方
 [1] 表現の自由の問い直し
 [2] プライバシーの問い直し
 [3] 民主主義の問い直し
5 むすびにかえて

◇旧優生保護法による強制不妊手術「一時金支給等に関する法律案」は真の被害回復につながるのか――裁判と立法の現在
……新里宏二
1 はじめに――訴えの提起と議員立法の動き
 [1] 訴えの提起
 [2] 議員立法の動き
2 優生保護法の成立と母体保護法への改正
 [1] 優生保護法とは
 [2] 優生手術(優性上の理由による不妊手術・人工妊娠中絶)について
 [3] 旧優生保護法の母体保護法への改正
3 訴訟の争点
 [1] 立法不作為の違法
 [2] 厚生大臣が優生手術を実施されたこと自体の違法性
4 「旧優生保護法に基づく優生手術を受けた者に対する一時金の支給に関する法律案(仮称)」が、2019年4月成立予定へ
 [1] 法律の構成
 [2] 前文について
 [3] 法律の趣旨
 [4] 定義(一時金の支給対象者)
 [5] 一時金
 [6] 請求に係る審査会による審査
 [7] 一時金にかかる非課税(第14、15条)
 [8] 審査会の組織(第17条)
 [9] 調査等(第21条)
5 最後に

【民法学の世界】
[財産法入門]
◇日々の生活から考えて学ぶ
……寺川 永
1 「民法」とは
2 家族法と財産法
 [1] 家族法
 [2] 財産法
3 日々の生活と財産法
 [1] 契約を通じて生まれる様々な取引関係
 [2] 契約の成立、債務の発生および債務の履行
 [3] 物権とは
 [4] 債権(債務)とは
 [5] 債務不履行と債権者がとりうる法的手段
4 財産法を学ぶにあたって
 [1] 条文から読み取る「要件」と「効果」
 [2] 「解釈」が果たす役割
 [3] 財産法の面白さ

[家族法入門]
◇自分で考えられる法領域
……平田 厚
1 はじめに
2 家族法の勉強の仕方
3 民法の学び方との関係
4 家族法の具体的な問題
5 家族法の実務的な特徴
6 近年の家族法をめぐる状況
7 家族法の条文の配列
8 さいごに

◇ハーグ条約と子の連れ去り
……梶村太市
1 国内における子の連れ去りの違法性に関する判例の動向
2 国家間における子の国外連れ去り(奪取)の違法性――ハーグ条約
3 米国から子を連れて帰国した日本人妻がハーグ条約違反に問われた事例
4 子の返還の執行手続に関する民事執行法の特則
5 反省期にある共同親権とハーグ条約の関係に関する諸問題

◇成年後見制度の現状と課題
……野口雅人
1 成年後見制度とは
2 成年後見制度の仕組み
 [1] 法定後見制度
 [2] 任意後見制度
3 課題
 [1] 利用者数が少ない
 [2] 利用されている類型の偏り
 [3] 成年後見人などの担い手
 [4] 行政の取り組みの限界と格差
 [5] 医療同意の問題
 [6] 本人からの不満
 [7] 成年後見人による不正事件
4 対策(改革案)
 [1] 課題[1]から[5]について
 [2] 課題[6]の対策
 [3] 課題[7]の対策

【刑法学の世界】
[刑法入門]
◇刑法の世界への誘い
……小名木明宏
1 はじめに
2 刑法の歴史
3 刑法とは何か?
4 刑罰の役割
5 犯罪とは何か?
6 これからの刑法のありかた
7 最初に読む本
8 みなさんへ贈るひとこと

◇あおり運転裁判からみる罪刑法定主義
……松原芳博
1 東名高速事件
2 自動車事故に関する処罰規定
3 横浜地裁平成30年12月14日判決
4 罪刑法定主義
5 因果関係

◇法改正・立法と歴史から考える少年法と憲法、家庭裁判所
……佐々木光明
はじめに
1 「立法」への関心が引き出すもの――「問い」
 [1] 年齢が持っている意味への問い――「子ども期の危機」としての非行
 [2] なぜ変えようとしてるのかへの問い――現代社会へのまなざし
 [3] 非行対応の歴史への問い――少年法と家裁創設の意味
2 少年法「適用年齢引下げ論」の経緯と問題の焦点
 [1] 権理論なき「年齢論」
 [2] 立法事実不明のままの部会審議
3 「改正」論の歴史と文脈――刑事司法機能の強化とその影響
4 「新たな処分」構想に透けるもの――「市民的治安主義」
むすびに

●2019年4月号(3/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇性別変更の手術要件「合憲」
――「現時点では」と条件付きで最高裁が初判断

[立法の話題]
◇洋上風力発電設備の海域利用をルール化
――洋上風力発電の長期的・安定的・効率的な実施に向けて

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
法学部をでたあと、どうする?――法学入門2019 Part.1

◇法学研究者という選択
……荻野奈緒(同志社大学教授)
1 はじめに
2 私が民法研究者になった理由
 [1] 当初の進路:弁護士
 [2] 弁護士から研究者へ
3 大学教員という職業
 [1] 教育と研究
 [2] 法学を研究するということ
 [3] 研究は楽しい?
4 おわりに

◇法律家を目指す人々に基礎法学は「すぐ」役に立つ――法哲学の視点から
……吉良貴之(宇都宮共和大学専任講師)
1 はじめに――基礎法学とは?
2 基礎法学の効用➀――学習のために
 [1] 法律学に「合わない」と感じるのは
 [2] オアシスからの眺め
 [3] 法学知の貯蔵庫としての基礎法学
 [4] 日本法を見つめ直すために
3 基礎法学の効用➁――実践のために
 [1] 「基礎体力」としての基礎法学
 [2] リーガル・カウンセリングの技法
4 司法試験に向けて
 [1] 横断的な法的思考へ
 [2] リーガルオピニオン型
5 おわりに
 [1] むしろなぜ学ばないのか?
 [2] 「役に立つ」を批判するのが基礎法学では?

◇家庭裁判所調査官という仕事――人の力を信じる
……志賀裕子(家庭裁判所調査官)
1 はじめに
2 家庭裁判所調査官とは
3 家庭裁判所調査官という仕事との出会い
4 大学時代にしたこと
5 家庭裁判所調査官補として採用されて
6 家庭裁判所調査官の実際
7 さいごに

◇法学部出身者が教師になることの意義
……神内 聡(高校教師・弁護士)
1 はじめに
2 スクールロイヤーについて
3 教師になるには
4 教師の仕事について
5 法学部出身者が教師になる意義
6 まとめ

◇人と社会に寄り添う新聞記者
……久慈陽太郎(日本農業新聞)
1 新聞とは
2 新聞記者の働き方
3 新聞業界のこれから

◇人生を自らデザインする、「起業」という選択肢
……原 麻由美(FRAME00株式会社代表取締役社長)
1 はじめに
2 学生時代
3 就職~会社員時代
4 起業に至るまで
5 現在

◇人生を自らデザインする、「起業」という選択肢
……澤田真哉(弁護士)
1 はじめに
2 ユーチューバーとは
3 ガイドラインの問題――著作権を例として
4 撮影場所の問題
5 肖像権やプライバシーの問題
6 税金
7 まとめ

◇[座談会]パラリーガルの仕事
……岡田 恵・森田めぐみ・木下 遥(仮名)・長井健治(司法書士)・秋野達彦(弁護士)
1 はじめに
2 パラリーガルになった理由
3 事務所で違う! 仕事の内容
 [1] 人数の多い事務所での仕事
 [2] 個人事務所での仕事
 [3] 任期制の事務所での仕事
 [4] 日々、勉強
 [5] 弁護士の性格も仕事内容に影響
4 パラリーガルからの転職
5 弁護士会の法律事務職員研修
6 パラリーガルのやりがい
7 パラリーガルに向いている人は?
8 弁護士との二人三脚

◇大学生活とキャリア・就職
……佐々木 宏(立教大学キャリアセンター部長・経営学部教授)
1 はじめに
2 大学生活とキャリア
3 働く場としての企業
4 大学時代に最も打ち込むことは何ですか

◇奨学金問題を考える
……大内裕和(中京大学教授)
1 奨学金を借りなければ大学進学ができない――奨学金利用者の急増
2 奨学金制度をどう利用するか
3 奨学金の返済に困った時
4 奨学金制度を改善することの重要性

●2019年3月号(2/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇危険運転罪成立を認める横浜地裁判決
東名あおり運転事故で懲役18年

[立法の話題]
◇4月27日~5月6日は10連休に
――天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律の制定

[ロー・ジャーナル]
◇イラク戦争検証報告書情報公開訴訟の一審判決を受けて――情報公開法に基づく外交情報の公開
……二関辰郎(弁護士)
1 イラク戦争と各国の検証
2 外交情報に関する情報公開法の規定の特色
3 5条3号の解釈
4 判決
5 日韓会談東京高裁判決
6 日韓会談高裁判決が示した判断の採用とさらにその先へ――公益性の考慮
7 判決の各論的判断に即して

[ロー・ジャーナル]
◇人口比例選挙(その1)
……升永英俊(弁護士)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 投票価値の平等の憲法上の根拠
Ⅲ 憲法56条2項、1条、前文第1文前段の人口比例選挙の要求(統治論)

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
最高裁判決2018――弁護士が語る

◇内閣官房報償費(機密費)情報公開請求事件――機密費の闇に光を照らす最高裁判決
最二小判平30・1・19

……谷 真介(弁護士)
1 官房機密費とは
2 情報公開請求と不開示――訴訟提起へ
3 訴訟経過と1次訴訟地裁判決まで
4 2次訴訟、3次訴訟と各地裁判決
5 高裁の審理経過と分かれた高裁判決
6 最高裁の審理と判決
7 ようやく開示された文書と本事件の意義について

◇ハマキョウレックス事件――同一労働同一賃金実現に向けた闘い
最二小判平30・6・1

……中島光孝(弁護士)
1 事件の概要
2 訴訟の経過
3 訴訟の発端
4 判決の意義(同一労働同一賃金の原則との関連)

◇長澤運輸事件――定年後再雇用者への労働契約法20条の適用
最二小判平30・6・1

……花垣存彦(弁護士)
1 提訴へ――正社員同様に働く定年後再雇用者の賃金が低いのはおかしい!
2 訴訟に臨んで
3 一審の全面勝訴
4 控訴審の全面敗訴
5 最高裁で弁論が開かれる
6 最高裁判決とその意義
7 判決のインパクト――定年後再雇用者にも労働契約法20条は適用される

◇東京都立学校「日の君」強制・再雇用拒否事件「第2次」訴訟
最一小判平30・7・19

……柿沼真利(弁護士)
1 本件事案の概要とその背景
2 「日の君」強制訴訟の概要
 [1] 訴訟の類型
 [2] 訴訟における主な争点
 [3] 判決の概要
3 本件における弁護活動――特に先行同種案件訴訟での全面敗訴判決の確定
4 第一審・控訴審での画期的な勝訴
5 最高裁での逆転不当判決

◇郵政非正規65歳定年制事件
最二小判決平30・9・14

……長谷川直彦(弁護士)
1 はじめに
2 事件の概要
3 第一審の経過
4 第一審判決の内容
5 控訴審
6 上告審
7 最高裁の悪辣さ
8 今後に向けて

◇岡口裁判官ツイート分限裁判事件
最大決平30・10・17

……宮崎 真(弁護士)
1 市民が情報発信すること、そして裁判官が情報発信すること
2 本件裁判の多岐にわたる論点と特徴
3 分限裁判・弾劾裁判・厳重注意
4 弁護活動の状況
5 審問期日の様子
6 最高裁決定
7 最高裁決定の余波

●2019年2月号(1/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇横田基地の騒音被害 過去分の賠償だけ命じる
自衛隊機、米軍機の飛行差し止めは認めず

[立法の話題]
◇水道施設の民間事業者による運営をめぐり議論
――水道法の改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
最高裁判例から過失犯論を問い直す

 わたしたちの社会の中で実際に起こる犯罪には、「過失犯」が多いことにお気づきでしょうか?
 多くの「事故」と呼ばれるもの、たとえば飛行機や電車や自動車による事故がそうでしょうし、さまざまな場面で、人の不注意などにより、物が破壊されたり、人が傷つけられたり、人の命が奪われてしまう犯罪類型については、それが法でどのように規律されるかによって社会のあり方が左右される面もあります。
 刑法学の中の過失犯論の重要性は、そのような面から考えても疑いがないだろうと思います。
 本特集で、近時の最高裁判例を素材として従来の論争を再検討し、その意義を明らかにすることを通じて、理論刑法学の奥深さ、おもしろさを、みなさんにも知っていただきたいと思います。
――編集部

◇序論――近時の最高裁判例が過失犯論に投げかけたもの
……山本紘之(大東文化大学教授)
1 はじめに
2 近時の最高裁判例と過失犯論
3 拾遺――福知山線事故と予見可能性論
 [1] 危険の予見可能性?
 [2] 危険の予見可能性論の背景
 [3] 検討
4 おわりに

◇過失不作為犯における作為義務の意義
――明石砂浜陥没事件第2次上告審決定を手がかりとして

……萩野貴史(名城大学准教授)
1 はじめに
2 明石砂浜陥没事件第2次上告審決定
3 注意義務と作為義務
 [1] 過失構造論の立場による違い
 [2] 過失不作為犯と作為義務
 [3] 注意義務と作為義務の峻別
 [4] 実質的に同一の義務であるとの理解
4 作為義務論による処罰範囲の限定
 [1] 過失犯の実行行為の形態
 [2] 正犯性が認められる範囲
5 おわりに

◇渋谷温泉施設ガス爆発事件に現れた予見可能性の問題
――「因果関係の基本的部分」テーゼの克服に向けて

……古川伸彦(名古屋大学教授)
1 序論
 [1] 緒言
 [2] 事件の概要
2 事案の分析
 [1] なぜ予見可能性の問題が争点化したのか?
 [2] 何が予見可能性の問題を難しくしたのか?
 [3] 最高裁はこの問題をどう受け止めたのか?
3 問題点の再定位
 [1] 北大電気メス事件と森永ドライミルク事件
 [2] 生駒トンネル火災事件と明石砂浜陥没事件
 [3] 過失犯論に大切なこと

◇明石歩道橋事件――過失の共同正犯とは何だったのか
……谷井悟司(中央大学助教)
1 はじめに
2 過失共同正犯の必要性
 [1] 同時犯解消説から提起された疑問
 [2] 公訴時効の完成時期が問題となる場面
 [3] 個々の過失行為につき因果関係が認定できない場面
 [4] 個々の過失犯につき正犯性に疑義が生じる場面
3 過失共同正犯の成立要件
 [1] 共同義務の共同違反説
 [2] 共同義務の共同違反=直接過失+監督過失?
 [3] 明石歩道橋事件と共同義務
4 おわりに

◇JR西日本福知山線事故と法人処罰
……仲道祐樹(早稲田大学教授)
1 はじめに
2 両罰規定
 [1] 組織罰を実現する会の立法提案
 [2] 両罰規定の機能と法人処罰の構造
 [3] 同一視理論に基づく両罰規定解釈と福知山線事故の可罰性
3 法人を法人として処罰する可能性
 [1] 自然人を媒介としない法人処罰――組織モデル
 [2] イギリスの立法例
 [3] 組織モデルによる法人処罰立法の可能性
4 おわりに

●2019年1月号(12/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇少年法適用の上限となる年齢を引き下げるための法改正を行うことに反対する刑事法研究者の声明(2018年11月16日)
1 部会では現在まで少年法適応年齢の上限の引下げに関して十分な審議が行われていない
2 少年法適用年齢の上限の引下げには積極的な根拠が必要である
3 部会において構想されている「若年者に対する新たな処分」は、現行制度の代替にはなりえない
4 民法上の「成年」を少年法上の「少年」とすることはできない、とすることの誤り

◇「差別されない権利」の権利性――『全国部落調査』事件をめぐって
……金子匡良
1 『全国部落調査』復刻版出版事件
2 各決定における部落差別に対する認識
3 保護されるべき権利➀――プライバシー権
4 保護されるべき権利➁――名誉権
5 保護されるべき権利➂――差別されない権利
6 「差別されない権利」の権利性

[裁判と争点]
◇不適切ツイート裁判官に戒告処分
分限裁判で最高裁決定

[立法の話題]
◇海洋プラスチック対策等を推進
――海岸漂着物処理推進法の一部改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
放送とは何か

 2017年12月6日にNHKの受信料をめぐる裁判で最高裁判決が下されたとき、多くの識者から「公共放送のありかた自体を問い直すべきだ」という指摘がありました。また、現在、従来からのテレビ番組に加えて、ケーブルテレビや、インターネットを通じた番組配信を視聴する人々が増えています。放送制度の転換期が訪れているとみることができるかもしれません。
 本特集は、放送に関わる諸テーマを法的観点から検討するものですが、従来の制度や法解釈や判例評釈を超えて、広く今後のあるべき放送制度の枠組みを全体的に捉え直すことを目指します。
――編集部

◇放送制度の仕組み
……鈴木秀美(慶應義塾大学教授)
1 はじめに
2 「テレビ放送」とは何か?
 [1] 「放送」の語源
 [2] 「テレビ」のいま
3 放送法における「放送」の定義
 [1] 電波法と放送法
 [2] 「放送」の定義
4 放送制度の概要
 [1] 地上放送の免許制
 [2] 番組の内容規制
 [3] 併存体制
5 放送制度の行方

◇放送と番組配信産業の現在
……岩崎貞明(メディア総合研究所事務局長、『放送レポート』編集長)
1 NHKもネット常時同時配信へ
2 大手企業が手がける動画配信事業の原状
3 動画配信業界が抱える問題

◇ポスト「放送」時代の放送制度
……山田健太(専修大学教授)
1 放送の要件
2 放送の自由と公共性
3 放送に期待される「マス」性
4 公共メディアとしての未来

◇制度的自由としての放送の自由
……西土彰一郎(成城大学教授)
1 唯一の言論規制法?
2 表現の自由の法理
3 制度的自由論
 [1] 国民の知る権利
 [2] 制度的事由
4 国民の知る権利の充足と放送法の体系化
 [1] 放送法制定当初の制度構造
 [2] 社会的コントロールから「規制された自主規律」へ
 [3] 「規制された自主規律」から規制へ
5 「最後通牒」――番組準則遵守を求める具体的請求権

◇放送の公共性とは何か
……武田 徹(ジャーナリスト、専修大学教授)
1 「放送の公共性」の位置づけ
 [1] 「放送の公共性」の規範性
 [2] ネットとの対立の地平において提示された「放送の公共性」
2 マクルーハンが描いたメディア世代交代の絵図
 [1] 道具の歴史上一線を画する存在としての電子メディア
 [2] 文字メディアによる外部化
 [3] 「輿論」「公論」の形成
 [4] マスメディア化と「公共性の構造転換」のプロセス
 [5] 電子メディアによる地球規模のネットワークの実現
3 放送の公共性
 [1] 放送事業と「公共の利益」
 [2] 放送法における公益性の重視
 [3] 電子メディア時代の2つの公共性
 [4] 分断を深めるメディア装置
 [5] ファシスト的公共性に対抗する放送の公共性
4 放送による市民的公共性を実現するために

◇通信・放送技術の進化と放送の変容
……岩城浩幸(TBS『調査情報』編集長)
1 1964年新潟地震
2 常識は変わる
3 多数同時接触

◇公共放送と受信料
……宍戸常寿(東京大学教授)
1 二元体制と公共放送
2 放送法とNHK
 [1] 目的と法人格
 [2] 業務
 [3] ガバナンス
 [4] 財源と受信料
 [5] 番組編集の自律
3 受信料訴訟最高裁判決
 [1] 受信料不払いの増加と訴訟の経緯
 [2] 大法廷判決の概要
 [3] 大法廷判決の評価
4 これからの公共放送
 [1] NHKとインターネット
 [2] 公共放送制度の改革をめぐる議論
5 むすびに代えて

◇民間放送の地域性
……堀木卓也(日本民間放送連盟)
1 常時同時配信構想が投げかけた課題
2 ハイブリッドな編成で地域内外に情報発信
3 地域住民や地域社会の要望を充足する
4 ステークホルダーとの対話を通じて

◇ヨーロッパの公共放送の現況
……田中孝宜(NHK放送文化研究所)
1 はじめに――危機感を募らせるヨーロッパの公共放送
2 公共放送とは何か?
3 サービスの変化――公共放送から公共メディアへ
 [1] ネットサービスに合わせた法整備
4 受信料制度改革
5 メディア大競争時代の公共放送
 [1] 制作費の高騰
 [2] 視聴習慣の変化
 [3] 放送コンテンツの展開
6 岐路に立つヨーロッパの公共放送

◇EUの放送・メディア政策
……市川芳治(慶應義塾大学非常勤講師)
1 はじめに
2 EUの放送・メディア法制の骨格
 [1] 「国境なきテレビ指令」、そして「視聴覚メディアサービス指令」へ
 [2] 判例の展開――環境変化のなかでの苦闘
 [3] 「視聴覚メディアサービス指令」の最新改正
3 その他の視点から
 [1] 産業・経済政策の文脈:「デジタル単一市場」から――プラットフォーム規制、著作権政策、「フェイクニュース」対策――
 [2] 文化振興政策の文脈
4 おわりにかえて

◇周波数有効活用の光と影
……砂川浩慶(立教大学教授)
1 電波利用料とは何か?
2 移動体通信事業者と放送の争い
3 そのうえで電波オークション制を考える
4 「放送制度改革」でもオークション制の影
5 「公共の福祉を増進」を改めて考える時期

◇放送における自由と倫理
……浜田純一(東京大学名誉教授)
1 はじめに
2 なぜ倫理なのか?
3 放送の自由の制度論的特質
4 倫理遵守の仕組み
5 むすび

◇「圧力」の時代――教育と放送の「表現」は
……齊加尚代(MBS毎日放送報道局ディレクター)
1 教科書への介入と圧力
2 教育の政治統制と安倍氏
3 メディアは「忖度」しているか
4 地上波放送に躍り出た「沖縄デマとフェイク」
5 「放送法を守れ!」という圧力
6 教育と放送――共通する「自由」という砦

●2018年12月号(11/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロージャーナル]
◇弁護団活動とクラウドファンディング
……具 良鈺(弁護士)
1 日本の現状、弁護団活動の実際
2 諸外国の例
3 日本における展望

[裁判と争点]
◇旧国民年金法の遺族基礎年金 性差は「合憲」
最高裁、国の裁量権認める

[立法の話題]
◇カジノ施設を含むIR施設の整備のための実施法
――特定複合観光施設区域整備法の制定

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
法による福祉の質の向上
――支える人々を支えるために

福祉労働者は、他者の生存権を守り、人々の暮らしを支えている。
しかし現在、彼らをとりまく労働環境は厳しく、「支える人々」の側も支えが必要な状況に陥っている。
福祉労働者をとりまく環境は「支える人々」の提供する福祉サービスの質にも影響するため、彼らの労働環境の改善は、いつかは「支える人々」を必要とするすべての人々にとって重要なテーマである。
本特集では、特に介護の現場をとりまく状況を中心に、問題を理解し、厳しい環境を招く構造上の問題を検討することで、状況改善のためのヒントを探っていく。
――編集部

◇支える人々の待遇改善に向けた課題
……中野麻美(弁護士)
1 はじめに
2 日本学術会議の提言と厚生労働省の対応
3 介護報酬改定が介護労働に及ぼした影響
4 低賃金と賃金格差
 [1] 一般労働者に比較して定額
 [2] 職種間・雇用形態間格差
 [3] 同一職種の男女間格差
5 労働市場のゆがみ・低賃金・人手不足の連鎖
6 ケアハラスメント=介護労働者の人権課題
 [1] ケアハラスメントの実態
 [2] 介護労働者のストレスとバーンアウト
 [3] 見えてくる介護労働の人権課題
7 社会権としての介護と介護労働者の人権
8 待遇改善のための課題
 [1] 解決すべき基本的な問題
 [2] 介護という仕事の価値評価
 [3] 賃金是正など待遇改善を可能とする介護保険制度の見直し
 [4] 暴力の根絶
 [5] 介護職のマッチング・キャリア開発
9 ILO189号家事労働者条約にふれて

◇[コラム]地域包括支援センター
……畠中稔生(社会医療法人生長会阪南市尾崎・東鳥取地域包括支援センター)

◇感情(管理)労働における労働者の安全と健康確保
……水谷英夫(弁護士)
1 はじめに
2 感情(管理)労働とは何か
3 職場における感情管理
4 感情管理労働の特徴
5 福祉活動(ケア)と感情労働
6 職場環境配慮義務

◇支える人々の多様化――外国人の受入れを巡って
……平井辰也(EPA看護師介護福祉士ネットワーク代表)
1 介護での就労が可能な在留資格について
2 EPAにおける介護福祉士候補者受入れについて
3 介護福祉士資格を取得した留学生の在留資格「介護」について
4 技能実習介護について
5 今後の課題について

◇[コラム]精神保健福祉士の役割
……野崎健太郎(精神保健福祉士)

◇施設経営における介護人材の課題――人材の確保や労働環境を中心に
……田島誠一(日本福祉大学福祉経営学部教授、合同会社TKT福祉経営研究所代表)
1 「人材難」に襲われている福祉施設経営
 [1] 福祉施設経営者の人材不足感
 [2] 介護人材難の実相
 [3] 小括
2 二極化する介護職員の処遇
 [1] 給与
3 介護報酬に翻弄されてきた介護経営
 [1] 給与等人件費
 [2] 労働条件
4 おわりに

◇社会福祉の歴史から見るソーシャルワーカー
……髙橋康史(名古屋市立大学大学院講師)
1 本稿の課題
2 社会福祉の制度と福祉国家
3 社会福祉士の仕事
4 社会福祉士の成立
5 現代における社会福祉士

◇[コラム]社会福祉士と成年後見
……仲谷もも(社会福祉士)

◇介護人材不足と高齢者の介護保障
……原田啓一郎(駒澤大学教授)
1 介護サービスの質と介護従事者の労働条件・環境
2 介護保険制度と介護サービスの提供構造
 [1] 介護保険制度下の介護サービスの提供構造
 [2] 介護事業者の経営環境の変化
3 事業者指定の基準と介護従事者
 [1] 介護事業者の指定の仕組み
 [2] 介護事業者の指定と介護従事者
4 介護報酬と介護従事者
 [1] 介護報酬の仕組み
 [2] 介護報酬による処遇改善の方途
5 介護人材不足と高齢者の介護保障をめぐる課題

●2018年11月号(10/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇「働き方改革」で過労死対策を求める「司法の良心」を示す宣言
――求められる過労事故対策と勤務間インターバルの規制化

……川岸卓哉(弁護士)
1 過労運転を原因とする通勤災害に安全配慮義務を認める
2 「働き方改革」のなかで過労死対策を裁判所が宣言
3 過労死防止のための「切り札」となる勤務間インターバル規制
4 厚生労働省へ過労運転事故対策を求める申し入れ
 [1] 申し入れ事項
 [2] 長時間労働・深夜不規則労働後の過労運転事故は労働科学的見地から必然的に起こる
 [3] 長時間労働後の過労事故は必然的に起こる
5 司法を覚醒させたものはなにか

[裁判と争点]
◇録画で有罪認定の1審「違法」 東京高裁判決
栃木・今市市の女児殺害事件

[立法の話題]
◇参議院の定数6増と比例代表選挙制度の見直し
――公職選挙法の改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
諫早湾干拓紛争の諸問題――法学と政治学からの分析

◇関連資料

◇諫早湾干拓紛争は、なぜ今まで続いているのか
……樫澤秀木(佐賀大学教授)
1 諫早湾干拓紛争の長さ
2 諫早湾干拓紛争の歴史
 [1] 諫早湾の位置
 [2] 長崎大干拓構想
 [3] 長崎南部地域総合開発計画
 [4] 国営諫早湾干拓事業
 [5] 有明海異変
3 裁判以外の動き
 [1] 公調委原因裁定
 [2] 有明海再生事業
4 むすび

◇開門賛成派弁護団インタビュー――馬奈木昭雄、堀良一弁護士に聞く
……樫澤秀木・宮澤俊昭・児玉 弘
1 提訴までの経緯
2 提訴の位置づけ
3 公調委原因裁定
4 「被害」の位置づけと原告の増加
5 自然科学者の動き
6 開門請求の議論
7 「開門」か、「開門調査」か
8 開門確定判決から開門差止仮処分申立てまでの動き
9 開門差し止め訴訟の印象
10 差し止め決定から強制執行申立て以降の動き
11 開門確定判決と開門差し止め決定との「矛盾」について
12 高裁と地裁双方での和解協議の状況
13 開門確定判決に基づく強制執行について
14 法律論と運動論
15 行政に求めるもの
16 裁判所に求めるもの
17 政治・国会に求めるもの
18 請求異議訴訟判決を受けて

◇開門反対派弁護団インタビュー――山下俊夫、西村広平弁護士に聞く
……西川佳代・宮澤俊昭・樫澤秀木・児玉 弘
1 裁判に関わる経緯
2 福岡高裁開門確定判決に対する印象
3 開門判決確定から差止仮処分申立てまでの動き
 [1] 開門確定判決をめぐる問題点
 [2] 誰を当事者とするか
 [3] 訴状における理論構成と因果関係の取扱い
 [4] 提訴の時期と仮処分申立て
 [5] 弁護団の構成と陳述書の作成
4 差止仮処分から強制執行まで
 [1] 仮処分の評価
 [2] 間接強制について
5 今後の展望――裁判・政治・行政に求めるもの
 [1] 何が問題なのか
 [2] 請求異議訴訟判決と今後の活動
 [3] 裁判所に求めるもの
 [4] 政治・行政への期待

◇民事裁判による紛争解決とその限界
……岡庭幹司(横浜国立大学准教授)
1 はじめに
2 諫早湾干拓紛争を巡る裁判の概略
 [1] 開門を命ずる判決およびその強制執行
 [2] 開門の差止めを命ずる裁判およびその強制執行
 [3] 最高裁の判断
 [4] その後の経過
3 民事裁判の諸原則からみた上記各裁判の評価
 [1] 法律上の争訟(裁判所法3条)
 [2] 紛争の相対的解決の原則
 [3] 処分権主義
 [4] 和解の試みについて
4 むすびに代えて

◇諫早湾干拓紛争からみる紛争処理システムとしての司法制度の意義と限界――政治学の立場から
……加藤雅俊(立命館大学准教授)
1 はじめに――本稿の目的と構成
2 紛争とは何か
3 司法制度を通じた紛争処理の特徴
4 諫早湾干拓紛争の固有性と一般性
5 おわりに――新しい時代の紛争処理システムの構築に向けて

◇紛争をめぐる政治部門と裁判所
……御幸聖樹(横浜国立大学准教授)
1 はじめに
2 裁判所による解決
 [1] 現状の問題点
 [2] 憲法学からの検討
3 政治部門による解決
 [1] 政治部門による解決可能性
 [2] 憲法学からの展望
4 おわりに

◇大規模公共事業をめぐる行政過程と行政訴訟・民事訴訟
……児玉 弘(佐賀大学准教授)
1 はじめに――仮説の提示
 [1] 諫早湾干拓紛争の主戦場は主に民事訴訟
 [2] 行政訴訟で争うべきであった/争うべきであると主張するかにみえる考え方
 [3] 仮説の導出
2 仮説の検証
 [1] 諫早湾干拓紛争が取消訴訟で争われていたら
 [2] そもそも諫早湾干拓紛争は行政訴訟(取消訴訟)に適合的なのか――「二重の三面関係」
3 むすびにかえて

◇諫早湾干拓紛争をめぐる裁判における因果関係判断の検討
――民事裁判の当事者としての国の位置付けを視野に入れて

……宮澤俊昭(横浜国立大学教授)
1 本稿の目的
2 各裁判例における因果関係判断の概要と評価
 [1] 平成20年佐賀地判
 [2] 平成22年福岡高判
 [3] 平成27年福岡高判
3 3つの判決の比較検討――民事訴訟における国の証明負担のあり方を視野にいれて
 [1] 3つの判決の相違の原因――因果関係の証明負担の軽減方法の要否
 [2] 主張・証明責任を負わない当事者に課される訴訟法上の義務
 [3] 諫早湾干拓紛争における訴訟法上の主張・立証の義務
4 結びに代えて

◇民事紛争処理手続からみた諫早湾干拓紛争
……西川佳代(横浜国立大学教授)
1 はじめに
2 「現代型訴訟」の議論
3 開門訴訟は「現代型訴訟」か?――第1段階
4 強制執行の場は調整の場たりえたか――第2段階
5 和解における調整可能性――第3段階
6 おわりに

●2018年10月号(9/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇トランプ大統領による入国禁止令と司法(4)
……福嶋敏明(神戸学院大学准教授)
はじめに
1 第3次入国禁止令の概要
 [1] 第3次入国禁止令――入国停止措置
 [2] 難民受入れに関する措置
 [3] 争点
2 連邦地裁
 [1] ハワイ州地区――ハワイ州対トランプ
 [2] メリーランド州地区――IRAP対トランプ
3 連邦控訴裁
 [1] 第9巡回区――ハワイ州対トランプ
 [2] 第4巡回区――IRAP対トランプ
4 小括

◇メキシコ国境沿いのティファナ川国際環境紛争リポート――水法研究の皮切りとして
……吉田邦彦(北海道大学教授)
1 はじめに――全米ロースクール協会(AALS)の年次大会との関わり
2 AALS企画の環境法フィールドワークへの参加(2018年1月4日)
 [1] フィールドワークの概要
 [2] メキシコからの下水・ゴミによる汚染問題
 [3] 本案件の特色――「水法(water law)」との関係で
3 わが国における《水法不在》の例外的状況
4 水利権を巡る隣国問題
5 今後の方向性

[裁判と争点]
◇君が代斉唱、不起立で再雇用拒否 元教職員の敗訴確定
最高裁、都の裁量権認める

[立法の話題]
◇気候変動への適応策を推進
――気候変動適応法の制定

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
国際法の最新論点――国際社会の変化と国際法の展開

◇本特集のねらい
……森 肇志(東京大学教授)・岩月直樹(立教大学教授)

◇領域に関する原始権原――領域権原論は何をどこまで扱うのか
……深町朋子(福岡女子大学准教授)
1 はじめに
2 伝統的な領域権原論と第1の原始権原
3 第2の原始権原の先駆
 [1] マンキエ・エクレオ事件
 [2] カタール=バーレーン事件
 [3] リギタン・シパダン事件
4 第2の原始権原の認定――ペドラ・ブランカ事件
 [1] 事件の概要と当事国の主張
 [2] 裁判所による原始権原の認定
 [3] 評価
5 おわりに

◇公海漁業規制
……西村 弓(東京大学教授)
1 はじめに――漁獲の自由から共有資源の管理へ
2 公海漁業規制の基本枠組み
 [1] 国連海洋法条約の枠組み
 [2] 地域漁業管理機構
3 保存管理措置の履行確保
 [1] 問題の所在――IUU漁業
 [2] RFMOs非加盟船舶に対する規制の拡大
 [3] 非旗国による海上措置
 [4] 寄港国・流通国によるIUU漁獲物の流通阻止措置
4 おわりに

◇国際テロリズムに対する武力行使
……根本和幸(東京国際大学准教授)
1 はじめに
2 国際法上の武力行使をめぐる従来の法的枠組み
 [1] 9.11同時多発テロとその後の「対テロ戦争」
 [2] ニカラグア事件判決における自衛権に関する論理
3 テロリズムに対する武力行使をめぐる議論の現状
 [1] ニカラグア事件判決への批判
 [2] 自衛権行使に依拠する学説
 [3] 非国家主体への自衛権行使に否定的な学説
 [4] 域外法執行活動と認識する学説
4 おわりに

◇国際裁判の機能――国際社会における「客観的」判断の役割
……李 禎之(岡山大学教授)
1 はじめに
2 「国際裁判の機能」をめぐる議論の背景
 [1] 判決執行制度の不備
 [2] 多数国間条約体制の発展
3 「国際裁判の機能」をめぐる議論の現状
 [1] 訴訟要件
 [2] 仮保全措置(暫定措置)
 [3] 救済方法
4 おわりに

◇第三国による対抗措置
……岩月直樹(立教大学教授)
1 はじめに
2 「第三国による対抗措置」をめぐる議論の背景
 [1] 国家実行の展開
 [2] 国際法における対世的義務の承認
3 国際法委員会による「第三国による対抗措置」の法的把握の試み
4 「第三国に対する対抗措置」をめぐる議論の現状
 [1] 法制度としての正当性を積極的に承認すべきとする見解
 [2] 一般的法制度としての正当性を承認することに否定的な見解
5 おわりに

◇国連安保理による制裁と人権保障
……加藤 陽(近畿大学准教授)
1 問題の所在
2 国連制裁と国連憲章第103条の法的効果
3 国際判例における判断内容
 [1] サヤディ事件
 [2] カディ事件
 [3] アル・デュリミ事件
4 諸判例の分析
 [1] 諸判例における議論構成の違い
 [2] 諸判例の実践的影響
5 今後の展望

◇国際法と立憲主義――グローバルな憲法秩序を語ることは可能か
……伊藤一頼(北海道大学准教授)
1 はじめに
2 国際法の公秩序化と立憲主義の理念
 [1] 国際法の性質はどう変わったか
 [2] 国際立憲主義の構成要素
3 国際社会の特質と立憲主義の再構成
 [1] 国際立憲主義への懐疑
 [2] 立憲主義の捉え方の転換
4 おわりに

●2018年9月号(8/10発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇塀のない刑務所の意義
……松原英世(愛媛大学教授)
1 塀のない刑務所はどのようにしてできたのか
2 塀のない刑務所はどのようなものか
3 再犯率と逃走の可能性
4 塀のない刑務所によってもたらされる意図せざる結果

◇塀のない刑務所の意義
……徳田博人(琉球大学教授)
1 はじめに
2 問題の所在
3 予備的考察
 [1] 本件埋立承認と埋立工事の安全確保など
 [2] 行政実務における実施設計審査の意義
4 留意事項第1項の法的性格
 [1] 埋立免許に付される付款の性格と実施設計
 [2] 埋立承認に付される留意事項第1項の合理的解釈
5 留意事項第1項違反と埋立承認の撤回
 [1] 埋立承認の撤回の根拠
 [2] 留意事項第1項違反と撤回の法律構成
6 おわりに――今後の検討課題

[裁判と争点]
◇DNA型鑑定 信用性認めず
「袴田事件」で東京高裁が再審開始認めない逆転決定

[立法の話題]
◇最近の状況を踏まえた消費者利益の擁護のための規律の強化
――消費者契約法の改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
これからのスポーツ法

◇スポーツ法のこれからの役割
――スポーツを通じて人権保障を実現する時代

……山崎卓也(弁護士)
1 スポーツ法とは何か――影響力の大きい「村社会の掟」
 [1] 「村社会の掟」を対象とする学問
 [2] 「村社会の掟」に大きな影響力が生まれる場合
 [3] 「村社会の掟」自体が正義に反する場合
2 スポーツ法の「法」としての面白さ――その「国際性」と「価値実現力」
 [1] 国際性
 [2] 価値実現力
3 スポーツ法の新しい展開――「スポーツ法」を通じて人権保障を実現する時代 

◇わが国のスポーツ仲裁の現状と展望
……早川吉尚(立教大学教授、弁護士)
1 はじめに
2 日本スポーツ仲裁機構(JSAA)
3 日本アンチ・ドーピング規律パネル
4 スポーツ仲裁裁判所(CAS)との関係
5 おわりに

◇オリンピック・パラリンピック時におけるスポーツ仲裁裁判所(CAS)の活動と開催国の法律家によるプロボノサービス
……生田 圭(弁護士、日本スポーツ仲裁機構仲裁調停専門員)
1 はじめに
2 CASとは?
3 オリンピック時におけるCASの活動
 [1] 臨時仲裁部門(Ad Hoc Division)
 [2] アンチ・ドーピング部門(Anti-doping Division)
4 開催国の法律家によるプロボノサービス
 [1] ロンドンオリンピック・パラリンピック
 [2] リオデジャネイロオリンピック
 [3] 東京オリンピック・パラリンピック 

◇アンブッシュマーケティング規制と独占禁止法
……松本泰介(弁護士/早稲田大学スポーツ科学学術院准教授) 
1 はじめに
2 スポーツビジネスにおける独占性の内包
3 近年のアンブッシュマーケティングの特徴
4 アンブッシュマーケティング規制の態様
5 アンブッシュマーケティング規制の法的合理性――独占禁止法の観点から
 [1] Rule 40とは
 [2] 日本におけるRule 40と独占禁止法上の問題
6 さいごに――スポーツコンテンツの独占に限界があるなかで何をすべきか

◇ソーシャル・スポンサーシップの可能性
……鈴木友也(トランスインサイト株式会社代表)
1 はじめに
2 日米でのスポーツ協賛手法の違い
3 イシュー・ドリブンへのシフトとは?
4 イシュー・ドリブンの進化形としてのソーシャルスポンサーシップ
5 数学ゲームで貧困解決を目指すNBA
6 スポーツに芽生えた「社会課題解決者」としての自覚
7 「社会課題解決者」としてのスポーツの変容とそれに伴う法的責務 

◇学校管理下におけるスポーツ事故――エビデンスによる見える化活動
……内田 良(名古屋大学准教授)
1 「学校安全」におけるエビデンスなきスローガン
2 エビデンスにもとづく施策
3 スポーツにケガはつきものか?
4 学校管理下のスポーツ活動における死亡事故
5 柔道事故の見える化

◇スポーツ団体法務と弁護士の役割(仮)
……井口加奈子(弁護士)
1 はじめに
2 スポーツ団体と法務
3 コンプライアンスという新しい視点
4 スポーツ団体の法務とは
5 不祥事と法務
6 弁護士が直面すること
7 まとめ 

◇プロスポーツ選手会と選手会法務
……堀口雅則(弁護士)
1 はじめに
2 日本における選手会
 [1] 日本プロ野球選手会
 [2] 日本プロサッカー選手会
 [3] 日本バスケットボール選手会
 [4] 日本ラグビーフットボール選手会
 [5] 選手会と法人格
3 世界における選手会
 [1] 世界各国における選手会
 [2] 国際的な選手会連合
4 選手会の役割
 [1] ルール策定についての意見発信
 [2] 選手のサポート
 [3] チャリティー事業
 [4] 選手の意識改革
5 選手会法務の内容
 [1] 選手会法務の目的
 [2] 選手会法務の具体的内容
6 選手会・選手会法務の将来図 

◇スポーツエージェンシーの実務――米国MLB年俸交渉等と日本の展望
……加藤志郎(弁護士)
1 スポーツエージェンシーとは?
2 選手の代理
3 MLB年俸交渉
 [1] エージェントの資格
 [2] 年俸のルール(CBA)
 [3] 交渉の実務
4 その他のエージェンシーの業務
5 日本の展望

●2018年8月号(7/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇司法書士が「親子法律教室」を続けることの意義
……若田摩衣子(司法書士)
1 概要
2 工夫
 [1] 事前準備
 [2] 当日
 [3] 後日
3 改善点
 [1] 司法書士について
 [2] 教育者、保護者について
 [3] 法学者について
4 司法書士が「親子法律教室」を続けることの意義
5 展望
 [1] 子どもを巻き込む
 [2] 情報共有
 [3] 新しい手法
6 まとめ

[裁判と争点]
◇正社員と非正社員の「不合理な格差」認定
「賃金項目の趣旨を個別に考慮」最高裁が初判断

[立法の話題]
◇出国時に1000円を徴収
――国際観光旅客税法の成立

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
みんなの法律入門
――弁護士と対話で学ぼう

◇[対話]「法律」のハードルを下げよう!
……酒井 圭(弁護士)
1 「法律」の「ハードル」を下げよう!
2 法律を「気楽に」考えてみよう
3 法律問題ってどんな問題?

◇家族と法律問題
……日高絢子(弁護士)
1 はじめに
2 大学生と法律
3 就職と法律
4 一人暮らしと法律
5 結婚と法律
6 出産・教育
7 マイホーム購入と法律
8 介護と法律
9 遺言・相続と法律
10 離婚と法律

◇働く人の法律問題
……平本紋子(弁護士)
1 はじめに
2 ママ友ランチ会は法律問題が山積み!?
3 労働者を守る法制度について
4 育児や介護をしながら働き続けるために
5 LGBTが働きやすい職場とは

◇[対話]取引と契約と法律
……酒井 圭(弁護士)
1 取引と契約と「法律」

◇お金にまつわる法律問題
……佐野綾子(弁護士)
1 お金の流れにまつわる法律
2 お金に関する消費者被害と法律
3 経済的なやり直しについて

◇刑事手続に関わる法律問題
……贄田健二郎(弁護士)
1 ある日突然捕まった!?
 [1] ある朝の出来事
 [2] 逮捕の手続の流れ
2 捜査の始まり、弁護人の選任
 [1] 逮捕直後の取調べ
 [2] 弁護人の選任
 [3] 弁護人選任に関する諸制度
 [4] 被疑者の重要な権利
 [5] 取調べの法規制
3 無事の釈放
4 起訴・裁判へ
 [1] 突然の起訴
 [2] 起訴後の手続
 [3] 無罪推定の原則
5 裁判の流れ
 [1] 法廷での攻防
 [2] 証人尋問実施時の配慮について
 [3] 被告人質問
 [4] 意見陳述
6 判決
 [1] 判決言渡し
 [2] 疑わしきは被告人の利益に

◇IT・情報と法律問題
……澤田真哉(弁護士)
1 はじめに
2 インターネットでの人権侵害
 [1] インターネットと名誉毀損
 [2] 名誉権
 [3] インターネットにおける人権侵害
 [4] 削除を要求することができるか
 [5] プロバイダ責任制限法上の送信防止措置
 [6] 発信者情報開示請求
3 ネット上のいじめ
4 インターネットでの炎上
 [1] SNSの情報拡散性
 [2] 企業側の法的観点からの対応策
 [3] 不祥事の際の情報発信の重要性
5 企業活動とインターネット――クラウドの導入
 [1] クラウドサービスの利用にまつわる法的な問題点
 [2] 会社の重要な意思決定の方法
 [3] 個人情報の保護
 [4] 個人情報保護法との関係
 [5] まとめ

◇法律の第一条を読む
……尾家康介・平本紋子・贄田健二郎(弁護士)
1 はじめに
2 労働基準法の第一条
 [1] 働くことに関するルール
 [2] 労働条件は国民の「生存権」を保障する内容でなければならない
 [3] 労働基準法は労働関係の最低条件を規定している
 [4] 有機的に関わり合う労働保護法規
 [5] 労働基準法による規制は、どうあるべきか
3 刑事訴訟法の第一条
 [1] 犯罪の捜査と裁判のルール
 [2] 刑事訴訟法の目的
 [3] 「無罪の推定」
 [4] 刑事訴訟法の具体的な制度
 [5] 「日本版司法取引」
4 出入国管理及び難民認定法の第一条
 [1] 「難民」問題と日本の対応
 [2] 出入国の「管理」と難民認定の「手続」の法律
 [3] なぜ認定率が低いのか
5 おわりに

◇[対話]社会問題は法律問題
……酒井 圭(弁護士)
1 法律のもう1つの役割
2 憲法と法律
3 おわりに

●2018年7月号(6/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇旧優生保護法による強制不妊手術――謝罪と補償を
……新里宏二(弁護士)
1 国家賠償訴訟の提起
2 国民優性法から旧優性保護法の制定
 [1] 優性保護法について
 [2] 優性手術(優性上の理由による不妊手術・人工妊娠中絶)について
3 旧優性保護法の母体保護法への改正
4 本件訴訟提起の経緯
 [1] はじめに
 [2] 優性手術被害者飯塚さんとの出会い
 [3] 日本弁護士連合会への人権申立
 [4] 原告佐藤路子(仮名)さんとの出会い
 [5] 被害に向き合わない国
5 国に対する請求の理由
 [1] 提訴の準備段階での論点整理
 [2] 請求の理由――国家賠償法上の国の不作為の違法
6 今後の課題
 [1] 2018年3月28日 仙台地裁第一回口頭弁論
 [2] 同年3月30日第2回ホットライン(第1回は同年2月2日、5カ所で14件の相談)
 [3] 第2次提訴
 [4] 全国弁護団の結成
 [5] 超党派議連(会長 尾辻秀久議員)の動き
 [6] 与党ワーキングチーム(座長 田村憲久議員)の動き
 [7] 都道府県議会等の動き
7 まとめ

[裁判と争点]
◇震災前の防災不備を認める仙台高判決
大川小津波訴訟で2審も遺族勝訴

[立法の話題]
◇人事訴訟事件等の国際裁判管轄のルールを整備
人事訴訟法、家事事件手続法等の一部改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」「特別企画」

[特集]
アベノミクスの雇用改革の光と陰

◇「働き方改革法案」の評価
……和田 肇(名古屋大学教授)
はじめに
1 法案の内容
2 法案の背景
 [1] アベノミクスの雇用改革の出発点と手法
 [2] 労働時間制度改革
 [3] 非正規雇用の処遇改善
3 法案の問題点
 [1] 労働時間制度
 [2] 非正規雇用の処遇改善
4まとめに代えて

◇高度プロフェッショナル制度は働き方改革なのか
――時間に拘束されない働き方とは

……浜村 彰(法政大学教授)
はじめに――何が問題なのか
1 高度プロフェッショナル制度とはどのようなものか?
 [1] 高度プロフェッショナル制度による労基法上の時間規制の適用除外
 [2] 高度プロフェッショナル制度の実施要件
2 なぜ高度プロフェッショナル制度が導入されようとしているのか?
3 高度プロフェッショナル制度の何が問題なのか?
 [1] 労働者の「働き方改革」ではなく「働かせ方改革」?
 [2] 過労死予備軍の創設
 [3] 「自立的で時間に縛られない働き方」は幻想である
4 これからの労働次官の規制はどのようになされるべきか?――「生活時間」の確保

◇時間外労働の上限規制で過労死はなくなるか
……森岡孝二(関西大学名誉教授)
はじめに
1 時間外労働の上限規制の必要性
2 政府のいう上限規制で過労死はなくなるか?
3 労働基準法の原点に立ち返った時間外労働の上限規制を

◇「働き方改革」と非正規労働法制の展望
……緒方桂子(南山大学教授)
はじめに
1 日本における非正規労働法制の現状
 [1] 非正規法制の展開
 [2] 現行法の状況
2 「同一労働同一賃金」政策の展開と非正規労働法制の再編?
 [1] 法案の提出
 [2] 法案の内容
 [3] 検討
3おわりに

◇雇用によらない働き方は人間を幸福にするか
……矢野昌浩(名古屋大学教授)
1 課題の設定
2 問題の背景
3 雇用と企業
4 「1つの企業での雇用」を前提としない労働法
5 結語

◇裁量労働制の提案はなぜ失敗したのか
……塩見卓也(弁護士・名古屋大学研究員)
1 「働き方改革一括法案」と裁量労働制
2 制度の創設および法改正の過程
 [1] (専門業務型)裁量労働制の創設
 [2] 1993年改正
 [3] 1995年「裁量労働制に関する研究会報告」と1997年の対象拡大
 [4] 1998年改正による企画業務型裁量労働制の創設
 [5] 2002年の対象拡大
 [6] 2003年の対象拡大と要件緩和
 [7] 小括
3 裁量労働制および法案要綱の問題点
 [1] 長時間労働助長の傾向
 [2] 濫用の傾向
 [3] 適用対象業務の妥当性
 [4] 拡大対象業の問題性
4 法案から削除される過程
5 先に行うべきは規制強化 

[特別企画]
第24回インターカレッジ民法討論会

◇[イントロダクション]インターカレッジ民法討論会とは
……寺川 永(関西大学教授)

◇[第1部]出題の意図と解説
……高須順一(法政大学教授)
1 問題
2 出題の意図
3 出題の解説
 [1] 問題の全体像
 [2] 各論点について――講評をかねて
 [3] 2017年民法改正法からの気づき

◇[第2部]これが優勝ゼミの報告だ
……九州大学七戸克彦ゼミ
1 被担保債権の商事消滅時効
2 無権代理・表見代理

◇[第3部]白熱!教員討論
……松岡久和・七戸克彦・高須順一・中田邦博・髙嶌英弘・鹿野菜穂子・三枝健治・吉永一行・寺川 永・坂東俊矢・若林三奈
1 委任状の解釈
2 109条で構成する可能性
3 信用金庫の調査確認義務
4 改正民法で考える
5 利益相反について
6 質疑応答

●2018年6月号(5/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇子どもの最善の利益のためのスクールロイヤー
……三木憲明(弁護士)
1 文部科学省による取組
2 文部科学省に先行する大阪での取組とスクールロイヤーの本質
3 スクールロイヤーの淵源はスクールソーシャルワーク事業
4 スクールロイヤーに求められる思考枠組み
5 スクールロイヤー制度の課題等

◇官房機密費情報公開訴訟最高裁判決――開かずの扉をこじ開け、暗闇に光を当てた闘い
……上脇博之(神戸学院大学教授)
1 内閣官房報償費の目的外支出疑惑
2 情報公開と3つの提訴
3 情報公開請求と裁判で明らかになったこと
4 裁判の経過
5 最高裁判決とその意義
6 領収書不要の政策推進費が約9割
7 抜本的見直し要求
8 法律改正も必要

[裁判と争点]
◇建設アスベスト訴訟、国に賠償命令
「一人親方」も初めて救済対象に 東京高裁

[立法の話題]
◇個々人のニーズに応じた多様な働き方の実現に向けて
「働き方改革」関連法案の動向

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
憲法9条改正論の現在

◇憲法をめぐる情勢と安倍改憲の問題点
……本 秀紀(名古屋大学教授)
1 憲法をとりまく状況
 [1] 改憲への意欲衰えぬ安倍首相
 [2] 前提としての憲法改正手続
 [3] 国会の勢力分布と改憲案の発議への道すじ
2 安倍政治の特質――「壊憲」と「改憲」の二刀流
 [1] 「壊憲」と「改憲」の合わせ技
 [2] 立憲主義・民主主義を破壊する「壊憲」
 [3] 権力担当者が憲法を尊重し擁護する政治文化の回復が先決
3 安倍改憲の全体像
 [1] 「改憲4項目」の位置づけ
 [2] 高等教育を含む教育環境の整備
 [3] 参院選の合区解消など選挙のあり方
 [4] 緊急事態条項の導入
4 9条改憲論議の現状
 [1] 自民党内での9条論議のプロセス
 [2] 自民党内で検討されてきた9条改憲案の2つの方向性
 [3] 焦点となる9条2項の重要性
 [4] (a)「9条2項を維持したまま自衛隊明記」案は2段階で9条2項を削除する「2段階改憲論」
 [5] (a)「9条2項を維持したまま自衛隊明記」案で現状は変わらないという説明の欺瞞
5 9条改憲論の問題点
 [1] 「自衛隊を明記するだけで、現在と何も変わらない」は本当か?
 [2] 「自衛隊明記」の実質的効果
6 主権者として「不断の努力」を

◇憲法9条と非軍事平和主義
――9条を変更せず原意を維持する案がある理由

……森 英樹(名古屋大学名誉教授)
1 自民党による9条変更計画の現在
2 日本国憲法が定めた平和主義の背後にあるもの
3 天皇制度運用の現在と改憲問題
4 憲法9条誕生の背景と非軍事平和主義の原意
5 非軍事平和主義憲法の原意 VS 実相
終わりに

◇武器の購入、開発・輸出と憲法9条
……青井未帆(学習院大学教授)
1 武器の購入、開発・輸出に関するルールはどのようになっているのか
 [1] 「武器輸出三原則」と憲法9条
 [2] 武器の購入と憲法9条
2 加速化する武器の購入、開発・輸出の現状
 [1] 「武器輸出三原則」から「防衛装備移転三原則」へ
 [2] 敵基地攻撃兵器の導入
3 憲法9条からみて現状をどのように評価できるのか
 [1] 「9条のプロジェクト」という捉え方
 [2] 私たちが知らない間にパラダイムの転換が起きてしまうのかもしれない
4 今後予想される展開をふまえて私たちが考えるべきこと

◇憲法改正と自衛隊・防衛法制
……城野一憲(鹿児島大学専任講師)
はじめに
1 憲法と自衛隊・防衛法制:憲法9条の規範性
2 2014年以降の状況
3 「9条の2」の評価
4 選択の帰結

◇不戦のための国際的な組織・ルールとは
……桐山孝信(大阪市立大学教授)
1 戦争の違法化の歴史的努力
 [1] 不戦条約(1928年)
 [2] 国際連合憲章(1945年)
 [3] 友好関係原則宣言(1970年)
2 集団安全保障の落とし穴
 [1] 国連憲章と憲法9条の「相似」と「相違」
 [2] 集団安全保障から集団的自衛権を経て軍事力では問題は解決しないという認識へ
3 PKO活動という「戦わざる軍隊」の意味
 [1] 集団安全保障からPKOへ
 [2] 国際紛争を解決するための発想の転換
4 1990年以降の変容――再び武力による紛争解決への志向
 [1] 武力による紛争解決への先祖返り
 [2] 価値観や利害のせめぎ合い
 [3] PKO協力法(1992年)による日本のPKO参加
 [4] PKOの活動内容に関する認識のズレ
5 グローバル化時代の先進諸国の「危機管理」としての武力行使
 [1] 人間の安全保障という考え方――憲法9条の精神との親和性
 [2] 1990年代後半以降の、先進国による「危機管理」としての武力行使
 [3] PKOの変質
6 人間の安全保障の強調へ=憲法9条の精神
 [1] PKOの新しい動き――政治の優越性の強調へ
 [2] 平和の維持のための手段に関するせめぎ合い
7 戦争と平和に関する世界の潮流と日本
 [1] 国際貢献における不幸なボタンの掛け違い
 [2] 今後進むべき道と憲法9条改正論
 [3] 安保法制の下での今後、北朝鮮情勢

◇国民投票法制からみた9条改正論の「非現実性」
……南部義典(元慶應義塾大学講師)
1 はじめに
2 自民党内の合意形成に係る問題点
 [1] 条文案形式で提示した点
 [2] 対立意見を排して「方針」を打ち立てた点
3 国民投票法制からみた9条の2の問題点
 [1] 内容関連事項ごとの区分
 [2] 憲法附属法の概要の明確化
 [3] 国民投票不承認の場合の対応
4 国民投票法制が抱えている運用上、立法上の課題
 [1] 国民投票広報協議会が行う広報事務の検討
 [2] 協議会における少数会派の尊重等
 [3] 公務員の国民投票運動に関するガイドラインの作成
 [4] 18歳国民投票権の実現と少年法との関係整理
 [5] 投票環境の向上等に関する法整備
 [6] 国民投票運動費用規制の検討
 [7] 国民投票運動CM規制の再定位
 [8] 絶対得票率規定の採用
5 おわりに

●2018年5月号(4/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇トランプ大統領による入国禁止令と司法(3)
……福嶋敏明(神戸学院大学准教授)
はじめに
1 ゴーサッチ裁判官の就任
2 連邦最高裁決定
 [1] 申立てから決定まで
 [2] 6月26日最高裁決定
3 その後の経過
 [1] 最高裁決定の範囲をめぐる争い
 [2] 第2次入国禁止令をめぐる争いの終結
4 小括

[裁判と争点]
◇子の返還拒否は「違法」 最高裁判決
ハーグ条約巡り、初判断

[立法の話題]
◇参議院の合区解消のための憲法改正について議論
合区解消・地方公共団体についての憲法改正の検討

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
法学入門2018 Part.2

◇行政法入門
行政法のダイナミズム――もう1つの行政法入門

……米田雅宏(北海道大学教授)
1 はじめに
 [1] 存在するけど存在しない?
 [2] 百聞は一見に如かず――行政法の中身を覗いてみる
 [3] 行政法の生態調査
2 行政法のダイナミズム――循環しながら形成され、また補正される法
 [1] 行政機関によるルールの策定――神は細部に宿る?
 [2] 行政機関による法適用への私人の意見の反映――行政機関と私人の継続的会話
 [3] 行政機関の組織・執行体制の最適化と透明化――行政法の〝制度設計〟
 [4] まとめ――行政法のアップデイト
3 行政法を支える思想的基盤
 [1] 支配関係(非―法)から法律関係(法)へ――法治主義の実現
 [2] 行政法学の任務――権利保護の結節点の明確化
4 行政法の学び――行政法をデザインする
5 文献案内

◇租税法入門
租税法のススメ

………小塚真啓(岡山大学准教授)
1 租税法はつまらない?
2 税制改正と租税法
3 租税法の複雑性――その原因と意義
4 数字でみる租税法
5 文献案内

◇経済法入門
経済活動の基本ルールを考える

……伊永大輔(広島修道大学教授)
1 「経済法」を学ぶ意味
2 競争とルール
3 独占禁止法における法解釈のチカラ
4 世界における競争法の地位
5 実は就活にも役立つ!?
6 「独占禁止法」の概要紹介
7 学習ガイド・文献紹介
8 おわりに

◇倒産法入門
倒産手続はなぜ必要なのか?

……杉本純子(日本大学准教授)
1 「倒産」とは何か
2 倒産手続の必要性
 [1] 債権者平等の実現
 [2] 債務者のフレッシュスタート
3 倒産法の必要性
4 倒産手続の種類
 [1] 破産法:破産手続
 [2] 民事再生法:民事再生手続
5 倒産法学の魅力
6 おわりに
7 文献紹介

◇知的財産法入門
文化的表現の多様性における著作権法の役割

……小島 立(九州大学准教授)
1 はじめに
2 文化的表現の創出、媒介および享受の過程において、著作権法は、どのようなアクターに対して、どのような形で影響を与えるのか?
 [1] 文化的表現の創出、媒介および享受が行われる状況を観察する
 [2] 著作権法は、文化的表現の創出、媒介、享受に関係するアクターの行動にどのような影響を与えるのだろうか?
 [3] 著作権法の果たす機能についてのまとめ
3 私たちが多様な文化的表現を享受するためには、どのような制度設計を行うことが求められるのか?
4 文献紹介

◇国際環境法入門
国際社会は環境を保護できるのか

……堀口健夫(上智大学教授)
1 「国際環境法(international environmental law)」とは何か?
2 国際環境法の基本的課題
 [1] 地球規模の環境要素の保護
 [2] 環境に対する不確実なリスクの制御
 [3] 国内法や他分野の国際法制度との調整・協働
 [4] まとめ
3 基本文献の紹介

◇国際私法入門
国境を越えて旅する裁判と法律

……伊藤敬也(青山学院大学准教授)
1 あたりまえが疑われるとき
2 選ぶ
3 渉外規範性
4 間接規範性
5 国際私法哲学
6 議論の友の大切さ
7 文献紹介

◇法社会学入門
社会科学による「法現象の解明」とその課題

……佐伯昌彦(千葉大学准教授)
1 法社会学の問題関心
2 法社会学の方法
3 なぜ法社会学は「法現象の解明」を目指すのか
4 社会科学と法学の接点を考える
5 文献紹介

◇日本法制史入門
法制史は実践的な学問である

……村上一博(明治大学教授)
1 法制史って勉強する意味あるの?
2 「家」制度を批判した法制史家がいた
3 夫婦別姓について考えてみよう
4 文献紹介

●2018年4月号(3/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇官房機密費、一部文書は「開示すべき」
最高裁が初判断、国の不開示処分を取り消し

[立法の話題]
◇森林環境税を導入へ
森林吸収源対策のための地方財源を確保

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
法学入門2018 Part.1

◇憲法入門
人と歴史と憲法と――私的憲法入門

……尾形 健(同志社大学教授)
1 はじめに――あるアーティストの一曲から
2 フレッド・コレマツの戦い
3 違憲審査制と裁判所
4 戦争と憲法
5 人と歴史と憲法と
6 参考文献

◇民法入門
民法における「見える」ものと「見えない」もの

……竹中悟人(学習院大学教授)
1 はじめに
2 民法が定めるルールの性質
 [1] トラブル対処のために使える仕組みの理解
 [2] 適用の仕方についての理解
3 現代的な問題――債権法改正
 [1] 改正によって「見える」ようになったもの
 [2] それでもなお「見えない」もの
4 結びにかえて
5 文献案内

◇商法入門
「会社」って誰だろう、「株」ってなんだろう

……高田晴仁(慶應義塾大学教授)
1 「会社」に会ったことはありますか?
2 会社は共同企業のひとつ
 [1] 組合企業
 [2] 社団企業
3 「株式」と「株主」
4 機関
5 さあ、船出しよう!

◇民事訴訟法入門
民事訴訟へのアプローチの多様性

……秦 公正(中央大学教授)
1 はじめに――シドニーオリンピックにおける大事件
2 スポーツから見た『実体法』と『手続法』の違い
 [1] 「結論」とその条件に関するルール
 [2] 最終結論を下すやり方とプロセスを定めるルール
 [3] 「民事訴訟法」は「民法」にあらず
3 「裁判傍聴」のすゝめ――民事訴訟法を体感する
 [1] ある新入生との「裁判傍聴」
 [2] 民事訴訟法を理解するのに必要な視点――原告・被告・裁判所
 [3] 「民事訴訟法」だからこそのアプローチ
4 紛争処理方法の「ヨコ」と「タテ」のつながり
 [1] 紛争処理の多様性(「ヨコ」の広がり)
 [2] 紛争の真の解決(「タテ」の広がり)
5 文献紹介

◇刑法入門
性犯罪から学ぶ刑法

……深町晋也(立教大学教授)
1 はじめに
2 明確ではないものを明確に?
3 望ましい解釈とは何か?
4 同じ文言でも異なる解釈?
5 新たな法的問題と立法による対応
6 監護者性交等・わいせつ罪(刑法179条)の新設
 [1] 監護者性交等・わいせつ罪の主体と明確性の原則
 [2] 監護者性交等・わいせつ本罪の保護法益と主体の限定
7 文献紹介

◇刑事訴訟法入門
「犯人」の権利を守るのはなぜか?

……安部祥太(青山学院大学助教)
はじめに
1 刑事訴訟法はどのような法律か
2 刑事訴訟法の目的――刑事訴訟法を学ぶときの基本的視点
 [1] 刑事手続の権利侵害生と基本的人権の保障
 [2] 解明する「真相」とは何か?
 [3] 手続的正義の重要性
3 「犯人」の権利を守るのはなぜか?弁護士が「犯人」を守るのはなぜか?
 [1] 黙秘権保障から見る刑事手続の特色
 [2] 被疑者・被告人の「武器」としての弁護士
4 刑事訴訟法を学ぶ意義
文献紹介

◇労働法入門
事例から考え、理解する労働法

……山下 昇(九州大学教授)
1 労働法を学ぶ意味とその方法
 [1] 労働法を学ぶ意味
 [2] 労働法の特性
 [3] 労働法の学び方
2 事例問題
3 ロールプレイ
 [1] 募集広告と労働条件(労働契約の内容)
 [2] 残業代コミコミの違法性
 [3] 賃金からの天引きの違法性
 [4] 正社員と契約社員の待遇格差
 [5] 危険業務への従事拒否
 [6] 争議権の保障
4 労働法の使い方
 [1] 総合労働相談センター
 [2] 民事訴訟と労働審判
 [3] 労働局の紛争調整委員会(あっせん)
 [4] 労働基準監督署(官)
 [5] 都道府県労働委員会
5 文献紹介

●2018年3月号(2/10発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇第5回守屋賞
……編集部

[裁判と争点]
◇受精卵移植 夫の同意が必要
法律上の父子関係巡り奈良家裁が判決

[立法の話題]
◇給付金の請求期限を5年延長
C型肝炎救済特別措置法の改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
最高裁判決2017――弁護士が語る

◇国際自動車事件――「残業代ゼロ」の賃金制度を許さない闘い
最高裁第三小法廷2017・2・28判決(労働判例1152号5頁)

……指宿昭一
1 「残業代ゼロ」の賃金制度を許さない労働組合の闘い
2 訴訟における労使の主張
3 第1次訴訟一審勝訴判決(佐々木判決)
4 第1次訴訟控訴審勝訴判決(水野判決)
5 労働組合の現場の戦いと原告団拡大の取組み
6 第2次訴訟一審敗訴判決(清水判決)
7 第1次訴訟最高裁で破棄差戻し判決
8 労働時間制の原則を崩壊させる論理

◇最高裁逆転無罪の元アナウンサー窃盗被告事件
最高裁第二小法廷2017・3・10判決(裁判所時報1671号10頁)

……久保豊年
1 最高裁での逆転無罪判決!
2 その日の出来事はシンプルだった
3 逮捕・勾留する必要があったのか?
4 第一審のハイライトは被害者Aらの証言
5 日本の刑事裁判は絶望的!?
6 まだ最高裁がある!
7 最高裁から呼出が!
8 そして運命の日
9 おわりに

◇ビルメンテナンス業者じん肺管理区分認定事件
最高裁第一小法廷2017・4・6判決(裁判所時報1673号1頁)

……深堀寿美
1 ビルメンテナンス業者のアスベスト(石綿)ばく露とアスベスト肺罹患
2 裁判の経過
3 本件訴訟に取り組むきっかけ
4 一審判決を得るまでの苦労
 (1) 争う対象が未特定?――処分理由不備の違法!?
 (2) 管理区分申請で医学論争!
 (3) 対質尋問による専門医のガチンコ対決?!
5 控訴審の状況
  ――男性解剖(!)による一審判決判断の正しさの裏付け
6 原審の判断と最高裁の判断の違い
 (1) 法律上の利益の柔軟な解釈
 (2) 行政行為の拘束力(先決性)への慎重な配慮
7 最後に
 (1) 本件訴訟の有用性
 (2) 今後の活動について

◇「面会回数と親権者の指定」事件――いわゆる100日面会提案事件
最高裁第二小法廷2017・7・12決定(LEX/DB文献番号25547054)

……蒲田孝代
1 離婚と親権者の指定
2 本事案の流れの概略
3 別居に至る経緯と別居後の事情
4 原審判決に至る経緯
5 控訴審の審理と判決
6 控訴審判決と最高裁判決の意義
7 面会交流の今後
8 終わりに

◇参議院議員定数是正訴訟
最高裁大法廷2017・9・27判決(裁判所ウェブサイト)

……伊藤 真
1 事件との出会い
2 裁判をすすめるうえでの工夫
 [1] 理論面の工夫
 [2] 実務面の工夫
3 これまでの1人1票訴訟
 [1] 裁判の戦績
 [2] 参院選違憲判決の流れ
4 本判決
5 判決をどう見るか
6 判決の背景
 [1] 竹崎コートから寺田コート、そして大谷コートへ
 [2] 人事の党派性
7 1人1票実現に向けて

◇グーグル検索結果削除請求事件
最高裁第三小法廷2017・1・31決定(民集71巻1号63頁)

……神田知宏
1 削除請求という弁護士業務
2 EUの「忘れられる権利」判決
3 A氏の削除仮処分申立
4 B氏の削除仮処分申立
5 保全異議の「忘れられる権利」決定
6 保全抗告の東京高裁判決
7 許可抗告は狭き門
8 そして最高裁決定へ
9 検索結果削除請求のその後
10 忘れられる権利は?
11 検索結果削除請求以外への影響

◇強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否
最高裁大法廷2017・11・29判決(裁判所ウェブサイト)

……松木俊明・奥村 徹・園田 寿
1 事案の概要
2 一審、二審の裁判の紹介
3 上告理由の概要
4 判決の刑法学からの検討
5 裁判を終えての感想

[特別企画]
ロースクールに行こう!弁護士になろう!

◇ロースクール出身弁護士座談会
……大山貴俊・張﨑悦子・徳永祐一・堀内雅臣
1 いろいろある弁護士の仕事
  ――大規模事務所、企業内弁護士、刑事弁護、何でも屋?
2 どのようなきっかけで弁護士になったのか
3 魅力ある弁護士の仕事
 [1] 刑事弁護
 [2] 何でも屋弁護士(?)
 [3] 企業内弁護士
4 ロースクールで学んだことがいまの仕事に生きている
5 弁護士のススメ

●2018年2月号(1/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇九州北部豪雨シンポと現地災害調査リポート
――澁谷・東峰村村長との談論で浮かび上がる居住福祉的課題
……吉田邦彦

[裁判と争点]
◇NHK受信料制度は「合憲」
放送法64条1項は「契約を強制」、最高裁が初判断

[立法の話題]
◇ギャンブル等依存症対策の推進に向けて
ギャンブル等依存症対策基本法案の提出

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
ヘイトスピーチ/ヘイトクライムⅢ
――ヘイトスピーチを止められるか

◇人種差別主義に基づく憎悪表現(ヘイトスピーチ)の規制と憲法学説
……小谷順子(静岡大学教授)
1 はじめに
2 憎悪表現の特異性
3 国際社会の理解
4 ヘイトスピーチ解消法
5 憎悪表現の害悪(規制を要請する要素)
6 許容されうる憎悪表現規制
7 結び

◇刑法改正、ヘイトスピーチ解消法改正の可能性
……金 尚均(龍谷大学教授)
1 検討課題
2 ヘイトスピーチの害悪
3 (諸)個人に向けられたヘイトスピーチ

◇差別と公人・公的機関の役割
――「平等」と「個人の尊厳」の実現のために

……秋葉丈志(国際教養大学准教授)
1 公人・公的機関の役割はなぜ重要か――社会的影響の大きさ
2 憲法上の価値としての「平等」と「個人の尊厳」
3 公人・公的機関の役割に関する法規範
 [1] 国際人権条約や国際機関の勧告
 [2] 国内法
4 運用の課題
5 日系人の強制収容に学ぶ公人・公的機関の役割
 [1] 日本人移民への差別
 [2] 差別解消へ向けたその後の取り組み
6 まとめ

◇「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」の運用状況と課題
……田島義久
1 はじめに
2 市条例の概要
3 審査の現状
4 審査が長期化していること
5 氏名等公表の方策

◇川崎市によるヘイトスピーチへの取組みについて
――公共施設利用ガイドラインを中心に

……師岡康子
1 経過
2 ガイドラインの概要
 [1] 目的
 [2] 対象
 [3] 「不当な差別的言動」の定義
 [4] 基本方針
 [5] 手続等の概要
3 ガイドラインの意義

◇ヘイトスピーチ解消法を受けた地方公共団体の取組みと課題
……中村英樹
1 はじめに
2 解消法における地方公共団体の位置づけ
3 条例制定に向けた課題
 [1] 地域の実情に応じた施策
 [2] 大阪市条例モデル
 [3] 人種差別撤廃条例モデル
 [4] 公人のヘイトスピーチ禁止条例
 [5] 訴訟支援策
4 公共施設利用の不許可について
5 おわりに

◇反ヘイトスピーチ裁判――李信恵さんの2つの裁判をめぐって
……上瀧浩子
1 2つの裁判の意味
2 複合差別
 [1] 複合差別の国際的標準
 [2] 複合差別の被害はどういうものか
 [3] 両判決で複合差別が認められた
 [4] 複合差別の射程
3 インターネット上の名誉毀損、複合差別の特質
 [1] ネット上での被害の深刻さ
 [2] まとめサイトの射程
4 今後の課題
 [1] 損害賠償額は十分か
 [2] ヘイトスピーチ被害は事後的救済で十分か
 [3] ネットのヘイトスピーチは発話者の責任を問えば十分か

◇支援者へのヘイトスピーチ――徳島事件裁判2016/4/25高松高裁判決
……冨増四季
1 はじめに
2 事案の概要
 [1] 威力業務妨害、名誉毀損等事件の発生
 [2] 徳島地裁判決の不当性
 [3] 将来の市民活動に与える「萎縮効果」
3 高松高裁・控訴審判決の概要
4 考察

[特別企画1]
高校授業料無償化裁判――朝鮮学校の除外

◇司法は行政による差別を追認するのか
――「朝鮮高校無償化訴訟」の現状

……李 春熙
1 はじめに
2 朝鮮学校とは
3 不指定処分に至る事実経過
4 全国での訴訟のはじまり
5 東京訴訟について
 [1] 審理の経過
 [2] 東京地裁判決の問題点1――文部科学大臣に極めて広範な裁量を認める
 [3] 東京地裁判決の問題点2――政治的・外交的理由であること自体の否定
6 大阪訴訟での画期的全面勝訴判決
7 今後の展望――差別と偏見を乗り越えるために

◇高校授業料無償化法の立法経緯と朝鮮学校除外問題
……石井拓児
1 高校授業料無償化をめぐる国際的合意の水準
2 高校授業料無償化法の立法経緯と制度骨格
3 無償化対象校の審査手続について
4 おわりに――「児童の最善の利益」の観点からの司法判断を

◇朝鮮高校就学支援金不指定事件を考える
――3つの地裁判決を素材に

……中川 律
1 はじめに
2 事実の概要
 [1] 支給対象学校の指定の仕組み
 [2] 不指定に至る経緯
3 判断枠組みの構成のあり方
4 規程13条との不適合
 [1] 委任命令の法律適合性
 [2] 規程13条の解釈
 [3] 朝鮮高校の規程13条適合性
5 ハ規定の削除
6 おわりに

[特別企画2]
特別法廷への検察の謝罪と菊池事件再審請求の不作為

◇ハンセン病隔離政策への司法の加害責任と検察の責務
……德田靖之
1 ハンセン病隔離政策と司法の加害責任
2 特別法廷と被害回復責任
3 菊池事件に関与した法曹の責任

◇菊池事件における検察官の再審請求権行使の羈束性
……内田博文
1 歴史的証明と再審の意義
2 利益再審とその抑制原理
3 公益の代表者と検察官の再審請求権
4 菊池事件における事実誤認と検察官請求の羈束性の発生根拠
5 菊池事件における憲法的再審事由と羈束性の発生根拠
6 おわりに

◇菊池事件の裁判手続をめぐる憲法問題
……木下和朗
1 はじめに
2 事件における裁判手続の違憲性
 [1] 事件当時の旧法および新法の違憲
 [2] 特別法廷(裁判所以外での開廷)の違憲
 [3] 事件における裁判手続の違憲
3 人権保障制度としてのXの名誉回復および救済
 [1] ハンセン病患者の名誉回復および救済に係る立法および行政措置の憲法上の意義
 [2] Xの名誉回復および救済のあり方
4 結びに代えて

◇菊池事件における公正な裁判を求める権利に対する侵害と救済方法としての刑事再審制度
……水野陽一
1 はじめに
2 菊池事件における刑事手続上の問題点
 [1] 「特別法廷」の設置
 [2] 「特別法廷での審理」、「事実認定」の問題
3 わが国の刑事再審制度
 [1] わが国の刑事再審制度の現状
 [2] 憲法再審の必要性
4 ドイツにおける刑事再審制度
 [1] ドイツにおける現行刑事再審制度
 [2] 刑事再審事由としての憲法(ドイツ基本法)違反およびヨーロッパ人権条約違反
5 ヨーロッパ人権条約6条 被告人に認められる公正な裁判を求める権利
 [1] ヨーロッパ人権条約6条の内容
 [2] 人間(個人)の尊厳と公正な裁判を求める権利
6 おわりに 

●2018年1月号(12/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇映画『否定と肯定』
……境分万純(ジャーナリスト)
映画『否定と肯定』
雑誌「マルコポーロ」事件
日本で過去にあった類似の裁判
「ロイヒター報告」
『ホロコーストの真実』と裁判の提訴
英国と米国の司法制度の違いへの戸惑い
言論の自由を賭けた裁判 巧みな訴訟戦略
ホロコーストの否定とその犯罪化の否定とは別の問題
言論と扇動の区別の必要性
ソーシャルメディア隆盛時代における見解と事実の峻別の重要性と難しさ

◇トランプ大統領による入国禁止令と司法(2)
……福嶋敏明(神戸学院大学准教授)
はじめに
1 第2次入国禁止令の概要
2 宗教差別の問題
3 連邦地裁
4 連邦控訴裁
5 小括

[裁判と争点]
◇建設アスベスト訴訟で東京高裁が逆転判決
国と建材メーカーに賠償命じる

[立法の話題]
◇児童虐待への対応における司法関与の強化等
児童福祉法・児童虐待防止法の改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
日本型司法取引とは何か

2016年5月24日「刑事訴訟法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第54号)が成立しました。同改正は多岐の内容に渡りますが、法セミでは、まず2017年7月号で取調べの可視化について特集しました(特集「取調べの可視化とは何だったのか」)。
続いて本号では、いわゆる日本型の司法取引の導入について特集します。
日本型司法取引がどのようなものであるのかをまず確認し、一定の論点整理を行い、課題や問題点を指摘し、今後の議論を展望します。
――編集部

◇日本型司法取引とは何か
……後藤 昭(青山学院大学教授)
はじめに
1 協議・合意制度とは何か
[1] 協議・合意制度――捜査・訴追協力型
[2] 日本型司法取引の典型例
[3] 適用対象の事件
[4] 特定犯罪の性質
[5] 当事者が約束できる内容
[6] 協議の方法
[7] 取引供述・証言が真実である保証
[8] 刑事免責制度
2 立法に至る議論の経過
[1] 「検察の在り方検討会議」から「法制審議会特別部会」へ
3 なぜ、いま司法取引の立法ができたのか?

◇美濃加茂市長事件――控訴審『逆転有罪』不当判決の検討
……郷原信郎(弁護士、元検察官)
はじめに
1 一審での無罪判決まで
[1] 検察の主張
[2] 弁護人の主張
[3] 一審判決
2 控訴審は破棄自判有罪に
[1] 検察の控訴趣意
[2] 職権証人尋問実施以前の裁判所の心証
[3] 「判決書差入れ事件」という想定外の事態
[4] 証人尋問に対する検察官・弁護人の主張
3 控訴審判決の問題点
[1] 審理経過
[2] 被告人の供述の信用性判断――被告人質問なしの逆転有罪は極めて異例
[3] 控訴審では藤井市長の「生の声」を聞かず
4 本件と協議・合意制度との関係
  ――引き込みの危険の防止、供述の信用性の評価のあり方

◇[パネルディスカッション] 日本型司法取引とその課題
……後藤 昭・郷原信郎・笹倉香奈
はじめに
1 日本型司法取引とは何か
[1] 起こってしまう取引、適正化の課題
[2] 日本の文化・国民の公正観
2 協議・合意制度の検討課題
[1] どのような事件で使われるか
[2] 「引き込み」の危険
[3] 供述の信用性をどのように評価するのか
[4] 弁護士は協議・合意制度にどう向きあうべきか――弁護士倫理上の問題
[5] 今後の見通しと課題――証人テストの問題、伝聞例外の適用
3 刑事免責と司法取引の関係
おわりに

◇司法取引に弁護士はどう対応すべきか
……秋田真志(弁護士)
1 プロローグ
2 問題の所在
3 弁護人からみた訴追方司法取引の起訴
[1] 対象犯罪など
[2] 取引の対象
[3] 協議の主体および方法
[4] 合意の成立と効果
[5] 非公式な司法取引
4 司法取引と弁護実践の在り方
[1] 協力者の弁護人
[2] 標的者の弁護人
5 まとめに代えて

◇司法取引導入と司法の文化――現場の実態は変わるのか
……河合幹雄(桐蔭横浜大学教授)
1 はじめに
2 司法取引は日本文化と対立する論
3 現場の実態を踏まえて
[1] 検事と弁護士間
[2] 警察官と弁護士間
[3] 警察と被疑者
[4] 検事・警察と被疑者
4 まとめ

◇冤罪防止と日本型司法取引
……笹倉香奈(甲南大学教授)
1 はじめに
2 「日本型司法取引」の特徴
3 冤罪を生む危険性
[1] 日本型司法取引への懸念
[2] 引き込みの危険に対する方策
4 今後の検討課題
5 おわりに

●2017年12月号(11/10発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇一票の格差で「合憲」判断
2016年参院選で最高裁、合区効果で「是正図られた」

[立法の話題]
◇スマホの普及等を踏まえたフィルタリングの利用促進のための措置
青少年インターネット利用環境整備法の改正

▼知的好奇心と学修との橋渡しをする「ロー・アングル」

[ロー・アングル]
◇論点解説「信教の自由と政教分離」
……蟻川恒正(日本大学教授)

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
議会制民主主義の危機

近年の国会審議や立法の状況をみて、日本の議会制民主主義はどうなってしまったのか? 議会制民主主義の危機ではないのか? と危惧する方々が少なくないと思います。

1990年代の政治改革を振り返り、その延長線上に現在を位置付けたときに、何か上手くいっていて何が上手くいっていないのか。そして、「安倍一強」とも言われる現政権の非立憲とも評される手法による問題がそのように表れているのかなど、問題を整理して考える必要がありそうです。

本特集は、私たちの社会の議会制民主主義の問題状況を分析し、より充実した国会審議、より手続を尊重するあり方、より民意が反映され易い選挙制度などに向けて、具体的に制度を修正し改善していく方向性を展望します。
――編集部

◇議会制民主主義の「危機」?
――日本の議会制民主主義の「今」を考える

……只野雅人(一橋大学教授)

はじめに
1 生理と病理
2 政治主導と首相支配
[1] 政治主導と首相支配
[2]「一強」と均衡の欠如
3 多数決とOpposition
[1] ねじれと相違
[2] 多数決の病理
4 代表と民意
むすび

◇政治改革と安倍政権
……中北浩爾(一橋大学教授)

1 「一強」とは何か
2 安倍自民党は特異なのか
3 政治改革が目指したもの
4 ウェストミンスター・モデルの機能不全

◇選挙・内閣・アカウンタビリティ
――「ウェストミンスター・モデル」と日本

……上田健介(近畿大学教授)

はじめに
1 1990年代以降の改革と「ウェストミンスター・モデル」
[1] 選挙制度・内閣制度を巡る改革概観
[2]「ウェストミンスター・モデル」の参照
2 現状の評価
[1] 評価と批判
[2] 批判の検討
3 将来への視座
[1] イギリスにおけるアカウンタビリティの観念と諸制度
[2] 日本の課題
おわりに

◇議会における審議と立法
――審議過剰なフランス議会と審議過少な日本の国会

……徳永貴志(和光大学准教授)

1 はじめに
2 法案の審議期間
3 法案修正
4 フランス議会の法案審議過程
[1] 法案の提出
[2] 委員会審査
[3] 議事日程の決定
[4] 本会議における審議
5 実質的審議の場と時間

◇政府の統制
――与党(多数党)と野党(少数党)

……新井 誠(広島大学教授)

はじめに
1 議会による政府統制
2 野党(少数派)による政府統制
3 政府統制の具体的制度とその運用
[1] 予備的調査制度
[2] 党首討論制度
[3] 臨時会の召集をめぐる憲法53条の解釈 
4 国家意思決定と多数派・少数派
[1] 多数派の相対化――党議拘束の緩和
[2] 与野党による法案作成・修正の可能性
まとめにかえて――究極の政府統制としての選挙と少数派の責務

[特別企画]
改正民法の下で始まる新時代の民法教育
――NBS『民法総則』出版記念座談会

……原田昌和(立教大学教授)・寺川 永(関西大学教授)・吉永一行(京都産業大学教授)

1|NBS『民法総則』のコンセプト
・法曹にならない法学部生や他学部で法律を勉強する学生のためにもなる教科書
・新書のように「読める教科書」をつくる
・法律的な考え方の流れをシンプルに表す
・要件と効果というかたちで明確に表し、なぜそうなるのかを丁寧に書く
・法律とは何か、民法とはどのようなものかのイメージを掴む
・話しかけるような書きぶりで書く
・上からサッと流して読めるようにする
・専門用語を?み砕いた言葉で説明する
・学生が間違えやすいポイントをフォローする説明
・図や表を多用し複数の形で情報をインプット
2|「新時代」の教科書!?
・「教材としての教科書」も読んで育った「新世代」研究者が書いた教科書
3|自分で思考して答えを導き出せるようになることを目指す
4|本書のおすすめ項目
・ストーリー仕立で画期的な法人の説明
・1章を割いて丁寧に説明した「民法とは」
・遊び的要素も楽しんでほしい
・勉強を深めるきっかけにしてほしい第9章「民法の基本原則と現代的課題」
・大きく改正されて工夫と苦労が多かった錯誤
5|改正民法に対応させる苦労と工夫
・原則になるルールを強調、トーンに強弱をつける
6|改正民法の学び方――学習のうえで変わること、変わらないこと
7|読者となる学生と教員たちへのメッセージ

●2017年11月号(10/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇ヴァージニア州シャーロッツヴィルにおける白人至上主義をめぐる騒動について
……福嶋敏明(神戸学院大学准教授、在米ヴァージニア)
はじめに
1 背景
2 集会をめぐる混乱
3 騒動の様子
4 その後の動き
5 コメント――集会における銃の問題

[裁判と争点]
◇朝鮮学校の無償化除外訴訟で東京地裁判決
元生徒側の損害賠償請求認めず

[立法の話題]
◇衆議院小選挙区間の人口較差を2倍未満に是正
衆議院小選挙区の区割り改定法の成立

▼知的好奇心と学修との橋渡しをする「ロー・アングル」

[ロー・アングル]
◇論点解説「規制と給付」
……蟻川恒正(日本大学教授)

一 ベースライン
二 ベースラインの引き上げ
三 警察と管理

◇ドイツにおけるコンプライアンスと企業の処罰
……内海朋子(横浜国立大学教授)
1 はじめに
2 シーメンス事件のショック
3 ドイツのコンプライアンスに関する規定
4 コンプライアンス責任を負う者は誰か?
5 組織体に対する刑罰の導入?

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
高齢犯罪者と社会的排除
――傷つきやすさと社会参加

◇高齢犯罪者と「社会的排除」
……安田恵美(國學院大學専任講師)
はじめに
1 高齢犯罪者の現状
[1] 犯罪をするに至った高齢者の増加
[2] 高齢犯罪者の生活環境
2 高齢者犯罪と社会的排除
[1] 高齢者の「傷つきやすさ」と「社会的排除」
[2] 本企画の趣旨

◇高齢受刑者のソーシャル・インクルージョン
……新村繁文(福島大学特任教授)
1 最近の刑務所事情
2 なぜ、高齢受刑者が増えるのか
[1] 経済的困窮と社会的孤立――多面的な「貧困」
[2] 刑事司法過程を通じての振り分け
[3] 更生(社会復帰)プログラムの問題性
[4] ソーシャル・インクルージョンの前提の欠如
3 権利擁護ネットワークを通じた社会復帰支援

◇高齢者と刑事手続
……葛野尋之(一橋大学教授)
1 問題の所在
2 適正手続の実質化
[1] 被疑者取調べにおける手続保障
[2] 訴訟能力と手続参加の保障
3 刑事手続からの早期離脱と福祉的・医療的支援
4 結語

◇量刑における高齢
……中村悠人(東京経済大学准教授)
1 本稿の課題
2 量刑と年齢
3 高齢は加重的に評価されるか
[1] 高齢と法適合的な態度
[2] 高齢と常習性
[3] 高齢と改善可能性
4 高齢は減軽的に評価されるか
[1] 高齢と刑罰感受性
[2] 高齢と刑罰の社会的排除効果
5 結びに代えて

◇高齢受刑者をめぐる状況――看護学の立場から
……舩山健二(新潟刑務所法務技官看護師)
はじめに
1 看護学分野における高齢受刑者に対する問題関心――歴史と現状
2 刑務所が持つ二つの顔――保護と剥奪
3 「傷つきやすさ(Vulnerability)」に配慮した高齢受刑者の看護
4 おわりに

◇拘禁の弊害と社会復帰
……安田恵美
はじめに――塀の外と中の生活の違い
1 高齢犯罪者を拘禁することにより生じる弊害
2 負のサイクルから脱出するための支援の必要性
3 おわりに

◇[座談会]高齢出所者の社会参加と社会復帰――高齢出所者とその支援者を迎えて
高齢出所者・安田恵美(司会)・山田真紀子・藤田直樹・濵田幸子・河野慎吾・石野英司
はじめに
1 清水さんを支援する“チーム”
2 清水さんの暮らしと支援のかたち
[1] 相談とアウトリーチの重要性
[2] 仕事がつくる「居場所と出番」
[3] 清水さんの仕事風景
[4] 様々なトラブルに繋がりうる「暇のリスク」
3 失踪の原因と課題
[1] 失踪に繋がった“極論”
[2] 失踪中のホームレス生活
[3] 失踪の影響
4 これからの支援

●2017年10月号(9/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
台湾でアジア初の同性婚の法的保障へ
――民法が同性婚を認めていないことは違憲だとする大法官第748号解釈

……蔡 秀卿(立命館大学教授)
1 事実の概要
2 本大法官解釈の要旨
[1] 民法第4編第2章で婚姻に係る規定が同性婚を認めていないことは憲法22条、7条に違反するかについて
(i) 民法規定が同性婚を認めていないことは憲法22条に違反するかについて
(ii) 民法規定が同性婚を認めていないことは憲法7条に違反するかについて
[2] 現行民法関係規定の違憲・失効の猶予期間について
[3] 違憲失効の猶予期間満了でも立法不作為の場合の法的扱いについて
3 本大法官解釈の意義
[1] 同性婚の法的保障を初めて肯定した司法判断
[2] 立法の不作為の違憲性を初めて認めた司法判断
4 論点
[1] 同性婚保障の憲法上の根拠一同性婚は婚姻の自由に含まれるか、憲法22条から導き出されうるか
[2] 同性婚を法的に認めていないことが、憲法7条の平等原則に違反するか
[3] 大法官が同性カップルの諸権利義務を条件・期限付きで創設することの正当性

[裁判と争点]
◇子の親権「面会交流だけ」で決まらぬ
従来の判断基準の判決確定

[立法の話題]
◇「民泊」に関するルールを整備
住宅宿泊事業法の制定

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
LGBTと法

【総論】
◇LGBTを法から考えるために
……綾部六郎(名古屋短期大学助教、法哲学)
1 はじめに
2 関係する社会運動団体の紹介
3 性的マイノリティの問題を理解するために
4 本特集記事のレヴュー
5 おわりに――残された課題とはなにか?

【実態編】
◇同性婚と人権保障
 ……三輪晃義(弁護士)
1 はじめに
2 同性カップルの法的保障をめぐる国内外の状況
3 同性婚ができないことによって当事者が被る不利益
【相続人となることができない】
【医療現場で家族として扱われない】
【安定した環境で子どもを育てることができない】
【外国人カップルの在留の問題】
【DVからの法的保護を十分に受けられない】
4 同性婚と人権
【憲法24条との関係】
【憲法13条と自己決定権】
【平等原則】
【憲法24条2項】
5 同性婚に対する反対論
6 さいごに

◇セクシュアルマイノリティと暴力
 ……立石結夏(弁護士)
1 はじめに
2 暴力被害の類型
[1] 多種多様な類型
① 親密圏で起こる暴力
② コミュニティ内での暴力
③ 第三者からの暴力
ア 職場での暴力
イ 教育現場での暴力
ウ 面識のない者からの暴力
エ セックスワーカーへの暴力
[2] 特徴
① パートナーからの暴力が起こりやすい
② 暴力被害が表に出にくいこと
3 支援体制の不備
[1] DV防止法
[2] 被害者支援のインフラの不足
[3] 調査の遅れ、知見の未集積 
4 既存の議論の応用可能性
[1] なぜ暴力をふるうのか
[2] 強姦神話
[3] セカンドレイプ(二次被害)
[4] 被害の矮小化 
[5] 男性の性被害の「体験化」
5 おわりに

◇アメリカはなぜ同性婚を実現できたのか
 ……田中太郎(弁護士)
1 変わったのは「法」か「人の心」か
2 同性婚実現のための両輪――「法」と「社会」
3 全国的運動の開始
[1] 多くの州での同性婚の実現
[2] 社会の賛同の獲得
[3] DOMA法の廃止
4 なにを学べるのか?
5 おわりに

◇トランスジェンダーをめぐる法的問題
 ……清水皓貴・鈴木朋絵(弁護士)
1 前提として
2 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下「特例法」)の成立
3 特例法の要件の厳しさ
4 性別の取扱い変更以外の「扱われ方」の個別論点
[1] 名の変更
[2] 民間施設の利用拒否等
[3] 労働関係での不利益取扱
[4] 刑事収容施設での処遇

◇LGBTと子ども――教育現場における問題点
 ……中川重徳・横山佳枝・熊澤美帆(弁護士)
1 若年層LGBTが直面する困難
2 若年層LGBTに関する取組み
[1] 学校教育に関わる国・自治体の動き
[2] 若年層LGBTに対する民間の取組み
3 「人権教育」としての取組みの必要性
4 包括的性教育と教育の自由の重要性

◇LGBTと子の繋がり
 ……山下敏雅・服部咲(弁護士)
1 LGBTが子を持ち養育するということ
2 トランスジェンダーと子
[1] GID法律上も父になりたい裁判
[2] MtFトランスジェンダーとそのパートナー男性の場合
[3] 婚姻していないFtMトランスジェンダーによる認知
[4] 特別養子縁組
[5] 性別の取扱いの変更に至らないトランスジェンダーの場合
3 同性パートナーと子
[1] 女性同士のカップル
[2] 男性同士のカップル
[3] 特別養子縁組・普通養子縁組
[4] 同性婚の代替としての養子縁組
4 児童福祉法上の里親
5 LGBTが子どもを育てる意義

◇LGBTの人権保障の基本法をめぐる歴史と現在
 ……大畑泰次郎(弁護士)
1 はじめに――本稿の視点
2 「空白の10数年」?
3 双方の法案の骨子
4 今後の動向と課題

【理論編】
◇「パートナーシップ証書」から考える共同生活と法
 ……大島梨沙(新潟大学准教授、民法学)
1 はじめに
2 パートナーシップ証書発行の要件
[1]「渋谷区方式」の要件
[2]「世田谷区方式」の要件
[3] 婚姻の要件との比較
3 パートナーシップ証書発行の効果
[1]「世田谷区方式」の効果
[2]「渋谷区方式」の効果
[3] 婚姻・内縁の効果との比較
4 パートナーシップ証書発行の趣旨
5 おわりに

◇性自認と人権――性同一性障害者特例法の批判的考察
 ……谷口洋幸(高岡法科大学教授、国際法学)
1 はじめに
2 特例法の問題性
[1] 性同一性障害の定義(2条)
[2] 変更審判のための要件(3条)
3 国際人権法の議論
[1] 性別の変更は人権か
[2] 性別変更の要件
[3] 公文書上の性別変更を超えて
4 人権としての性自認
[1] 性自認の尊重
[2] LGBTI/SOGIESCと人権
5 おわりに

◇性的指向・性自認に関する差別の禁止――社会的包摂の観点から
 ……内藤忍(労働政策研究・研修機構副主任研究員、労働法学)
1 はじめに
2 雇用における性的指向・性自認に関するハラスメントの実態
3 性的指向・性自認に関する差別はなぜ禁止されるべきなのか
[1] 差別禁止の理論的根拠
[2] 社会的排除と社会的包摂概念
[3] イギリスの2010年平等法
4 雇用における性的指向・性自認に関するハラスメント規制のあり方
[1] 現行の法制度
[2] 今後の法政策の課題
5 おわりに

◇LGBTと自律・平等・尊厳――なぜ憲法問題なのか
 ……志田陽子(武蔵野美術大学教授、憲法学)
はじめに
1 憲法問題として把握することの意味
2 人格か、平等か
[1] 枠組み
[2] プライバシーか政治的自由か
[3] 自己決定と平等
3 多様性と制度的承認の緊張関係
4 尊厳の問題――否定の眼差しからの解放
おわりに

◇一人前の市民とは誰か?――クィアに考えるために
 ……池田弘乃(山形大学准教授、法哲学)
1 市民の再考
2 法・人・市民
[1] モデルと理念
[2] 市民の資格
3 暗黙の前提と当然の区別
[1] 一人前の人=男
[2] 一人前の女性市民?
[3] 軍隊と性
4 これからの市民のために
[1] 市民の品位
[2] クィアな問いかけ

●2017年9月号(8/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
ローエイシア東京大会2017へ学生の皆さんの参加を
……鈴木五十三(弁護士)

[裁判と争点]
◇医師の年俸 残業代含まれず
基本給との区別求める最高裁判決

[立法の話題]
◇約200ぶり・憲政史上初の天皇の退位
天皇の退位等に関する皇室典範特例法の制定

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
GPS捜査とプライバシー
――最大判2017・3・15を読む

◇GPS捜査最高裁判決の意義と射程
……中島 宏(鹿児島大学教授)

◇GPS捜査最高裁判決を導いた弁護活動(仮)
……我妻路人・小野俊介・舘 康祐・西村 啓(弁護士)

◇いわゆる『現代型捜査』の発展と法の変遷
……大野正博(朝日大学教授)

◇GPS捜査と憲法
……山田哲史(岡山大学准教授)

◇監視型捜査に対する法規制の未来
――GPS捜査の立法課題

……辻本典央(近畿大学教授)

別冊号 新・総合特集シリーズ9(9月11日発売)
法学セミナー編集部編『共謀罪批判――改正組織的犯罪処罰法の検討』

共謀罪法の成立
◇組織的犯罪処罰法改正による「共謀罪」の新設について
……山下幸夫(弁護士)
1 はじめに
2 これまでの経緯
3 法案の提出
4 法案審議で明らかになった問題点①――対象犯罪
5 法案審議で明らかになった問題点②――「組織的犯罪集団」
6 法案審議で明らかになった問題点③――「準備行為」
7 法案審議で明らかになった問題点④――捜査の開始時期
8 本法律の成立とその施行
9 終わりに

刑法
◇[インタビュー]共謀罪の何が問題か
……髙山佳奈子(京都大学教授) 聞き手:編集部
1 はじめに
2 テロ対策のためではない――テロ以外準備罪!?
3 東京オリンピックのためでもない
4 一般人も対象になる
5 条約締結のために不可欠ではない
6 共謀罪が刑法の体系を崩すとはどういうことなのか
7 真の立法目的は何なのか
8 国連特別報告者からの書簡
9 おわりに――「息をつくように嘘をつく」「すさまじいだまし方」

刑法
◇「共謀罪」の刑法解釈学的検討
……安達光治(立命館大学教授)
1 はじめに
2 共謀処罰の意味――英米とドイツの共謀罪規定から
[1] 英米法のコンスピラシー
[2] ドイツ刑法における前段階犯罪――特に重罪の合意罪
3 「共謀罪」の成立要件に関する検討
[1] 団体・組織性
[2] 遂行計画
[3] 実行準備
[4] 遂行計画と実行準備の関係
[5] 計画された犯罪が実行された場合の処理
4 おわりに

刑事訴訟法
◇共謀罪と刑事手続の変容
……川﨑英明(関西学院大学教授)
1 共謀罪への疑念
2 共謀罪と刑事手続の変容
[1] 捜査の早期化と事前捜査
[2] 監視的捜査と密行的捜査の拡大
[3] 糺問的取調べ依存捜査の強化と捜査の不透明化
3 刑事訴訟法的規制のあり方
4 共謀罪と刑事訴訟法の将来

憲法
◇立憲主義・民主主義から見た共謀罪
……本 秀紀(名古屋大学教授)
1 共謀罪法の手続的正統性
2 立憲主義と共謀罪
3 民主主義と共謀罪――「公共圏」という視角
4 現実政治の中の共謀罪

憲法
◇人権論から見た共謀罪
……塚田哲之(神戸学院大学教授)
1 共謀罪規定の構造
2 直接的制約
[1] 憲法上の権利行使が処罰対象となりうる場面
[2] 計画と実行行為との距離
[3] 内心の処罰?
[4] 団体規制としての性格
3 間接的影響・波及効果
[1] 公権力による監視の拡大
[2] 監視がもたらす萎縮効果・同調効果
[3] 監視に対抗するプライバシーと表現の自由・政治参加
4 むすびにかえて

国際法
◇国際組織犯罪防止条約をめぐる国際刑事法と国際人権法
……桐山孝信(大阪市立大学教授)
1 国際社会の2つの反応
2 国際刑事法と国際人権法
3 国連特別報告者の懸念
4 TOC条約の意義と課題
5 国際人権法による刑事法の囲い込みと日本

監視社会
◇共謀罪・監視・テロ対策
……井桁大介(弁護士)
1 共謀罪と監視社会――監視捜査の現在と将来
[1] 監視捜査はすでに相当強力に進められている
[2] 日本の監視捜査における共通項――任意捜査、第三者の視点の欠如
[3] 共謀罪によって日本の監視捜査はどのように変わるのか
2 共謀罪はテロ対策ではない
[1] テロは新たな現象でもなく、テロは減っている
[2] 9.11後のテロ対策への法の対応
3 改革の方向――効果測定と情報利用の民主的統制
[1] 任意捜査に対する歯止め
[2] 効果測定の義務付け
4 終わりに

ビジネス法務
◇ビジネス法務・経済活動の自由と共謀罪
……上柳敏郎(弁護士)
1 共謀罪は自由な市場経済体制と矛盾する
[1] ビジネスと共謀罪
[2] ビジネス犯罪の特性
[3] 経済活動の自由と近代刑法の原則
2 影響は企業活動全般に及ぶ
[1] 対象犯罪の広範性
[2] 捜査対象の拡大
[3] 監視対象の拡大
3 組織的犯罪集団要件は歯止めになるか
[1] 組織的犯罪集団の定義の不明確性
[2] 性質一変論についての政府答弁
4 話しあっただけで、なぜ犯罪になるのか

治安維持法
◇治安維持法と共謀罪
……内田博文(神戸学院大学教授)
1 戦争への道
2 治安維持法の悪法性
[1] 治安維持法の制定と運用
[2] 無限定な規定による処罰対象の幾何級数的な拡大
[3] 逸脱適用を支えた法理
[4] 逸脱適用の一例
[5] 逸脱適用を許したシステムないし制度
[6] 有罪判決を見直す必要はないという法務大臣答弁
3 治安維持法の運用に酷似する共謀罪の運用
[1] 共謀罪の主眼は権利運動の抑制
[2] 無限定な規定
[3] 共謀罪の運用を担う警察官と検察官
[4] 監視社会の到来
[5] 国家と国民の関係の逆転

●2017年8月号(7/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇無線LANの無断接続に無罪判決
「電波法違反に問えず」、東京地裁が初判断

[立法の話題]
◇給付型奨学金制度を創設
独立行政法人日本学生支援機構法の改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
沖縄・辺野古と法

沖縄県と国との間で続いている辺野古新基地建設をめぐる行政訴訟について、辺野古や高江で続いているヘリパッドや新基地建設に反対する抗議活動にについて、法的な問題点を行政法学、憲法学、刑事法学の視点から検討する。

◇沖縄の平和的生存権
……小林 武(沖縄大学客員教授)

1 はじめに――平和に生きる権利のための闘争
2 基地をめぐる政府と沖縄との対峙の現況
[1] 辺野古新基地建設問題
[2] 基地撤去の運動の2つの戦線
3 沖縄における平和的生存権侵害の特質
[1] 平和的生存権の憲法的保障
[2] 沖縄における平和的生存権の特質
4 基地のない沖縄への展望と「平和への権利」宣言――むすびにかえて
[1] 米軍規制条例=住民保護条例の必要性と可能性
[2]「平和への権利」国連宣言成立の意義

◇辺野古訴訟の背景
――なぜ沖縄県が国と訴訟で争わざるをえないのか

……加藤 裕(弁護士)

1 はじめに
2 在沖米軍基地問題が核心であること
3 民主的過程を経ていない米軍基地の形成と存続[1] 異議申立が繰り返される理由
[2] 沖縄戦による占領と基地建設
[3] サンフランシスコ講和条約と米軍統治
[4] 沖縄返還協定による復帰
4 広汎、多様で深刻な基地被害
5 米軍基地の不正義を存続させるSACO合意と米軍再編
6 空虚な地方分権
7 司法の変容――95年代理署名訴訟の審理との比較
8 おわりに

◇[座談会] 辺野古訴訟と行政法上の論点
……岡田正則(早稲田大学教授)、白藤博行(専修大学教授)、人見剛(早稲田大学教授)、本多滝夫(龍谷大学教授、司会)

(1)第1ステージ
――埋立承認取消~第1次辺野古訴訟~和解

1 辺野古訴訟とは何か(第1~3ステージ)
[1] 第1ステージ(2015年7月16日~)
[2] 第2ステージ(2016年3月7日~)
[3] 第3ステージ(2016年12年26日~)
2 埋立承認取消処分と審査請求
[1] 翁長知事による本件埋立承認取消処分
――公有水面埋立法4条1項1号、2号
[2] 沖縄防衛局による審査請求(1)
――沖縄防衛局がそもそもできるものなのか
[3] 沖縄防衛局による審査請求(2)
――なぜそこまでして審査請求したのか
3 国からの代執行訴訟
――第1次辺野古訴訟、第1事件
[1] 工事をなりふりかまわず止めようとする姿勢
[2] 国地方係争処理委員会(係争委)第1次決定
[3] 代執行訴訟の提起は適法だったのか
4 沖縄県からの訴訟提起
――第2事件、第3事件
[1] 処分取消訴訟と関与取消訴訟の2つを提起
[2] 処分取消訴訟提起の背景と行政法学上の意義
5 和解(2016年3月4日)
[1] 和解の内容
[2] 和解に至った背景
[3] 和解の意義
[4] 和解を政治的に利用
――和解で問題が解決したわけではない

(2)第2ステージ
――第2次辺野古訴訟~福岡高裁判決~最高裁判決

6 国地方係争処理委員会第2次決定
(2016年6月17日)
[1] 適法違法をせず、改めて協議を求めた決定
[2] 係争委の決定の意義を軽んじた
不作為の違法確認訴訟の提起
7 第2次辺野古訴訟・福岡高裁判決(2015年9月16日)
[1] 福岡高裁判決の内容とその問題点
[2] 検討
8 第2次辺野古訴訟・最高裁判決(2015年12月20日)
[1] 最高裁判決の内容とその問題点
[2] 検討

(3)第3ステージ
――埋立承認取消処分の取消し~今後の展開

9 岩礁破砕許可失効後の工事の継続
[1] 岩礁破砕等の許可の問題
[2] 工事の差止訴訟の提起
10 承認撤回
[1] 承認撤回の法的根拠
[2] 承認撤回事由
――1号要件・2号要件・6号要件
[3] 変更承認
[4] 和解や敗訴との関係
11 まとめと今後の展望

◇沖縄の基地問題と公法学
――問われるものは何か

……紙野健二(元名古屋大学教授)

はじめに
1 沖縄の基地問題
2 辺野古基地問題の重要事実
[1] 前知事の埋立承認
[2] 翁長知事の承認取消
[3] 係争処理委員会の決定
3 裁判所の事実認定と判断の問題点
[1] 審査対象
[2] 不作為の存否
むすび

◇ローカルとナショナル
――それぞれの人権

……井上禎男(琉球大学教授)

1 「ローカル」なトピック?
2  「人権」と「自治」
3  当事者の言い分
――その背景にあるもの
4  現況からみえてくること①
――国と県との立ち位置
5  現況からみえてくること②
――それぞれの主張と行動
 声を上げない選択、上げられない現実
――割り切れなさと割り切らなさ
7 「ナショナル」な位置づけ
8 沖縄/琉球の平和的生存と「積極的平和主義」

◇日米安保と刑事人権論
……森川恭剛(琉球大学教授)

1 沖縄で警察が担わされること
2 那覇地裁の4つの事件
3 砂川判決再考
4 平和主義と刑事人権

●2017年7月号(6/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇トランプ大統領による入国禁止令と司法(1)
……福嶋敏明(神戸学院大学准教授)

3 憲法上の論点
[1] 州側の主張
[2] 大統領側の主張
[3] 原告適格
4 ワシントン州対トランプ
[1] 連邦地方裁判所
[2] 連邦控訴裁判所
5 小括

[裁判と争点]
◇臨床研究データ改ざんで東京地裁が無罪判決
論文を薬事法の「広告」と認めず

[立法の話題]
◇司法修習生に対して修習給付金を支給
裁判所法の一部改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
取調べの可視化とは何だったのか

◇取調べの可視化と刑事司法制度――何のための刑訴法改正だったのか
……白取祐司(神奈川大学教授)

1 取調べ可視化法――問題の位相
2 取調べ可視化法の問題点
[1]「抱き合わせ商法」
[2]「弁護人立会い権」の欠落
[3] 実質証拠化問題と今市事件
3 これから何をすべきか?
[1] 実証的な現状把握の必要性
[2] 捜査弁護はどうあるべきか
[3] 録画媒体「上映会」の阻止のために

◇取調べ可視化論の過去と現在
……稲田隆司(新潟大学教授)

1 はじめに
2 可視化論の誕生と展開
3 可視化論と反対論・消極論
4 改正刑事訴訟法に見る可視化制度の検討
5 むすび

◇取調べの可視化が弁護活動にもたらすもの
……坂根真也(弁護士)

1 はじめに
2 取調べの実態
3 人は簡単に自白する
4 なぜ可視化が必要なのか
5 録画・録音の効果
6 改正法の問題点
7 弁護活動の変容
8 今後の課題

◇録音・録画記録媒体を実質証拠として用いることの許否とその条件
……石田倫識(愛知学院大学准教授)

1 はじめに――本稿の目的
2 記録媒体の証拠法上の法的性格
[1] 記録媒体の利用方法と証拠法上の取扱い
[2] 実質証拠としての記録媒体
[3] 法律的関連性
3 記録媒体を実質証拠として用いることの意味・効果
[1] 準公判手続としての被疑者取調べ
[2] 手続保障の「前倒し」要請
[3] 手続保障の「前倒し」は実現可能か
4 おわりに

◇取調べ制度の改革・適正化のために
――国際的視点から

……山田直子(関西学院大学教授)

1 取調べ過程の適正化手段としての可視化
2 取調べ技法の高度化
3 取調べ内容記録手法に関する研究の進展
4 供述弱者から正確かつ豊富な情報を得るための取り組み
5 今後の課題

◇取調べにおける弁護人立会いの必要性
――録音・録画だけで取調べの適正化は実現するか

……関口和徳(愛媛大学准教授)

1 はじめに
2 導入されることが決まった録音・録画制度の問題点
3 録音・録画という手段の限界
4 弁護人立会いの必要性
5 弁護人立会いの可能性
6 結びに代えて

◇裁判員裁判と取調べ録音・録画
――「撮ること」の重要性と「見ること」の危険性

…安部祥太(青山学院大学助教)

1 はじめに
2 記録媒体が事実認定者に与える影響
3 裁判員が証拠能力のない証拠に触れる可能性を排除しなくて良いか
4 むすびに代えて

●2017年6月号(5/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇南ス-ダン自衛隊派遣差止訴訟
……佐藤博文(弁護士)

[裁判と争点]
◇原発避難者訴訟で国、東電に賠償命令
津波の予見可能性など認める

[立法の話題]
◇カジノ施設を含む統合型リゾート施設(IR施設)の整備の推進
特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律の制定

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」

[特集]
熊本震災と法・政治

昨年4月14・16日以降たび重なる大地震に見舞われた熊本の震災から1年が経った。1995年の阪神・淡路大震、2011年の東日本大震災、そして熊本など、日本中どこでも震災に見舞われる危険があるのが現実であり、震災に関わる事前・事後の法的・政策的な課題は、改善が進んでいるものの、なお不充分な面も多い。本特集で、熊本地震が提起する法的・政策的課題を議論したシンポジウムの内容をまとめ、次号から全5回の連載を行う。

◇本企画の趣旨について
……岡田行雄(熊本大学教授)

◇震災への対応から見えてきたもの
……村田信一(元熊本県副知事)

◇熊本地震の法律相談の現場から
……松村尚美(弁護士、熊本県弁護士会)

◇災害に対峙する法律学の貢献可能性
……大脇成昭(熊本大学准教授)

◇震災があぶり出す「公助」の課題
……鈴木桂樹(熊本大学教授)

◇熊本震災から学んだこと、今後につなげるべきこと
――フロアからのコメントと応答

◇平成28年熊本地震 熊大黒髪避難所運営記録集『416』
――私たちがやったこと、未来へ伝えたいこと

……安部美和(熊本大学政策創造研究教育センター特任助教)

●2017年5月号(4/12発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇国際集会”Law and Behavioral Economics with Contract, Corporate Law”開催を経て
――法と経済学研究への新たな試み

……藤森裕美

はじめに
1 本集会の目的と経緯
2 会社法における「取締役会の役割の再構築」
3 法と経済学研究への行動経済学的貢献

[裁判と争点]
◇GPS擾査を巡り最高裁大法廷が違法判決
強制捜査に当たると認定し、立法措置の必要性も指摘

[立法の話題]
◇選挙において男女の候補者数の均衡を目指す
政治分野における男女共同参画推進法案の提出

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
人の「尊厳」と法秩序

◇憲法学における尊厳論の行方
――これまで・いま・これから

……玉蟲由樹(日本大学教授)

1 はじめに
2 尊厳と人権と国家権力
3 尊厳の定義
4 尊厳の主体
5 尊厳の用いられ方
[1] 人権の根拠づけとしての「尊厳」
[2] 国家権力行使の限界としての「尊厳」
[3] 人権制約根拠としての「尊厳」
[4] パターナリズムの根拠としての「尊厳」
[5] 種としての人間の「尊厳」
6 結びにかえて

◇民法における人の尊厳
――個人の尊厳の誕生から現在まで

……畑中久彌(福岡大学教授)

1 民法2条における個人の尊厳 
[1] 個人の尊厳の誕生と展開
[2] 冒頭規定としての民法2条の意義
2 人の尊厳に関わる具体的な問題
[1] 差別的な取扱い
[2] 戦後補償
[3] 家族
[4] いじめ・ハラスメント
[5] 専門家の尊厳
3 人の尊厳の法的意義と具体的意味
4 新たな民法学と人の尊厳

◇刑法における人の「尊厳」
――価値を論じるために

……辰井聡子(立教大学教授)

1 はじめに
2 生命倫理に関する議論
――「生命、身体…」に収まらない利益をめぐって
3 刑法学の反応
4 強姦罪の保護法益
――「自由」と「尊厳」
5 「自由に対する罪」全般への異議申立
6 なぜ「自由に対する罪」なのか
7 刑法学における「尊厳」の意義
8 想定される批判
[1]「曖昧である」という批判について
[2] 人格主義的理解について

◇刑事司法における人の「尊厳」の尊重
柴田 守(長崎総合科学大学准教授)

1 はじめに
2 人の「尊厳」と国家刑罰権
[1] 刑事司法における人の「尊厳」の尊重の規範的効果
[2] 刑事司法の人道化――近代から現代
3 被害者の「尊厳」と加害者の「尊厳」の衝突
[1] 刑事司法と福祉の連携――さらなる人道化
[2] 被害者の「尊厳」との衝突
4 「尊厳」の衝突を超えて
[1] 刑事司法のもう1つの理念――人間性の回復
[2] もう一歩先へ――若干の政策提言
5 おわりに

◇「人間の尊厳」と労働法
……相澤美智子(一橋大学准教授)

はじめに
1 「人間の尊厳」概念
[1] 国連文書における「人間の尊厳」概念
[2] 労働法学における「人間の尊厳」概念
[3] 私見
2 「人間の尊厳」と労働法
[1] 労働基本権
[2] 勤労の権利
(a) 救済を放棄する判例
(b) 金銭支払いに偏る救済
むすびに

◇社会保障法における「人間像」と「人権観」
――国際人権基準からの一考察

……棟居徳子(金沢大学准教授)

はじめに
1 日本における社会保障の規範的基礎付け論の展開
2 障がいのある人の権利条約における「人間像」と「人権観」
[1] 権利条約における「人間像」
[2] 権利条約における「人権観」
3 国際人権基準に照らした社会保障法における「人間像」・「人権観」に関する考察

◇国際人権法における人間の尊厳の位相
――国際人権章典に焦点をあてて

……小坂田裕子(中京大学教授)

はじめに
1 国際人権章典の起草過程における人間の尊厳
[1] 国際人権章典が想定する人間像
[2] 人間の尊厳の多義性
[3] 客観的価値としての人間の尊厳
2 国際人権規約の実行における人間の尊厳
[1] 人間の尊厳概念の機能
(i) 人間の尊厳により発展的解釈が正当化された例
(ii) 人間の尊厳により権利制限が制約された例
(iii) 人間の尊厳により個人の選択の自由が制約された例
[2] 新たな展開――自由権規約委員会による「一般的意見36」草案
(i) 胎児の尊厳の保護と母親の生命権等の対立
(ii) 死刑廃止に向けた議論における人間の尊厳への言及
おわりに

●2017年4月号(3/11発売)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇「テロ等準備罪」について
……山下幸夫(弁護士)

1 はじめに
2 これまでの経緯
3 新たな法案の問題点①――対象犯罪
4 新たな法案の問題点②――「組織的犯罪集団」
5 新たな法案の問題点③――「準備行為」
6 国連条約の批准のために277もの「テロ等準備剤」を新設する必要があるか
7 テロ対策として「テロ等準備罪」が必要か
8 終わりに

◇旧名古屋刑務所の刑場の写真
――報道機関に対して昭和22年に公開された絞首台

……永田憲史(関西大学教授)

1 はじめに
2 入手の経緯
3 絞首台の写真
4 記事及び写真の意義
5 公開を取り巻く時代背景

◇第4回守屋賞
……編集部

[裁判と争点]
◇検索結果削除で最高裁が初の判断
検索サービスの役割重視し、判断枠組み示す

[立法の話題]
◇再犯防止推進法の制定
犯罪をした者等が犯罪を繰り返すことを防ぐ

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
法学入門2017

法律学をこれから学び始める初学者に向けて、法律学の基本六法(憲法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法)の魅力を法学研究者が語る法学入門企画。

◇[憲法入門]統治機構から憲法を考える
……只野雅人(一橋大学教授)

1 はじめに
2 日本国憲法と国会
[1] 日本国憲法の制定と国会
[2] 帝国議会と国会
3 国権の最高機関と内閣
[1] 国会(立法府)と内閣(行政府)
[2] 与党と野党
4 衆議院と参議院
[1] 両院と内閣との関係
[2] 全国民の代表と両院制の意味
5 むすびにかえて
6 文献案内

◇[民法入門]成年年齢引下げを考える
……伊藤栄寿(上智大学准教授)

1 はじめに
2 議論の背景
――なぜ今議論しているのか
3 20歳の理由
――なぜ成年年齢を20歳としたのか
4 未成年者の婚姻
――なぜ成年年齢と婚姻適齢とにズレが生じているのか
5 18歳の理由
――なぜ成年年齢を18歳とするのか
6 18歳の問題
――なぜ否定する見解があるのか
[1] 立法事実
[2] 消費者被害の危惧
[3] 扶養問題
[4] 能力制度
7 他の法律
――なぜ民法以外の法律が関係するのか
8 おわりに
9 文献紹介

◇[商法入門]会社法入門――企業組織運営のルール
……舩津浩司(同志社大学教授)

1 人が集まって活動するうえで重要な仕組みは何か?2 会社とはどのようなものか?
[1] 出資者の利益追求のための集まり
[2] 出資者をメンバーとする集まり
3 会社法とはどのような法律か?
[1] 株式会社の特徴
――所有と経営の分離と株主有限責任
[2] 所有と経営の分離から生じうる問題への対処
[3] 株主有限責任から生じうる問題への対処
[4] 改めて、会社法とはどのような法律か
4 会社法を学ぶ際の心得
[1] 制度の機能・目的を理解する
[2] 数値との結びつきを意識する
5 補遺:企業取引法入門
6 文献紹介

◇[民事訴訟法入門]民事訴訟による民事紛争の解決
……杉本和士(千葉大学准教授)

1 はじめに
――ケンカした友達と仲直りをする方法の喩え
2 民事紛争の解決方法
3 民事紛争解決のために民事訴訟が必要とされるのはなぜか?
[1]「強行的」解決とは?
[2]「公権的」解決・「法的」解決とは?
4 民事訴訟によって裁判所が解決することのできる民事紛争とは?
5 民事訴訟法における基本原則
――私的自治の原則の訴訟法的反映
[1] 民事紛争解決のための民事訴訟と私的自治の原則
[2] 民事訴訟における私的自治の原則の尊重
――当事者主義的契機
6 民事訴訟手続の円環的構造
――「ウロボロスの蛇」?
[1] 民事訴訟手続を理解するのが難しい理由
[2] 民事訴訟手続の時系列的進行
[3] 民事訴訟手続の円環的構造
7 文献紹介

◇[刑法入門]刑法の世界にようこそ
……曲田 統(中央大学教授)

1 あなたへの期待
2 規範としての法の根拠について考えてみる
3 刑罰について少し深く考えてみる
4 刑法の取り扱いに関する流儀
5 文献紹介

◇[刑事訴訟法入門]刑事訴訟法を学ぶにあたって
……笹倉香奈(甲南大学教授)

1 刑事訴訟法とは
2 変わっていく刑訴法
3 刑事裁判が誤るとき
4 学習のポイント
[1] 条文を読む
[2] 判例・学説を知る
[3] 歴史や外国法
[4] 裁判傍聴に行く
4 文献案内

[特別企画]
18歳選挙権の論点~教授大ゼミナール

◇「18歳選挙権の背景」について
……太田裕之(同志社大学教授)

◇教授大ゼミナールを終えて
……岡田優香

◇政策選択の機会としての選挙の実現のために
……西澤由隆(同志社大学教授)

はじめに
1|「18歳選挙権」導入を歓迎
2|「主権者教育」は継続がカギ
3|政治的有効性感覚の体感がカギ
4|「主役」は、若者である

◇生徒の政治活動の自由と「新通知」
――「新通知」の法的性質と教育委員会のあり方

……大島佳代子(同志社大学教授)

はじめに
1|新通知の概要
2|新通知にみる生徒の政治活動についての留意事項
3|教育行政における国と地方の関係
4|むすびにかえて

◇18歳選挙権~大学生の投票機会の保障と不在者投票制度
……梶山玉香(同志社大学教授)

1|自宅外通学生の現状と投票機会の不平等
2|最高裁昭和29年大法廷判決の射程
3|公職選挙法の「住所」
4|自宅外通学生の投票機会の保障

◇18歳選挙権と諸外国の動向
……力久昌幸(同志社大学教授)

はじめに
1|わが国における18歳選挙権
2|諸外国における選挙権年齢引き下げの歴史
3|16歳選挙権をめぐる諸外国の動き
4|16歳選挙権導入論:イギリス選挙改革協会の主張
おわりに

●2017年3月号(2/11発売予定)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇複数国籍の現状と課題
……近藤 敦(名城大学教授)
1 国籍選択制度の特異性
2 複数国籍防止規定における「義務」の意味
3 原則と例外の逆転
4 複数国籍者に対する被選挙権の剥奪の違憲性
5 国籍選択制度の違憲性
6 複数国籍の容認傾向と広義の帰化率
7 排他的な日本の国籍制度の改善策

[裁判と争点]
◇辺野古移設訴訟で最高裁判決
沖縄県知事の埋め立て承認取り消しを認めず

[立法の話題]
◇SNS連続送信行為の規制対象への追加などストーカー対策の充実強化
ストーカー規制法の改正

[特集]
最高裁判決2016
――弁護士が語る

2016年の最高裁判決について担当弁護士が語る、毎年恒例の人気企画。原告との出会いや、証拠の収集の苦労、裁判の戦略の選択、弁護士としての想いなど、リアルな裁判のドラマを伝える。

◇日の丸・君が代訴訟――現状と今後の流れ
……萱野一樹(弁護士)
◇NHK差別表現損害賠償事件
……高池勝彦(弁護士)
◇JR東海認知症高齢者事件
……浅岡輝彦(弁護士)
◇石巻事件
――少年事件における裁判員裁判と死刑判決

……伊藤佑紀(弁護士)
◇NOONダンス営業規制違憲訴訟
……西川研一(弁護士)
◇鳴門市競艇従事員共済会への補助金違法支出損害賠償等請求事件
……阿部泰隆(弁護士、神戸大学名誉教授)
◇第4次厚木基地航空機騒音訴訟
――飛行差止めに最高裁の厚い壁

……福田護・北村理美(弁護士)

[ロー・アングル]
◇ハンセン病「特別法廷」とは
――最高裁の謝罪の意義と問題

……馬場 啓(弁護士、熊本大学法科大学院教授)1 「特別法廷」の問題点
2 最高裁判所の調査報告
3 最高裁判所の謝罪
4 今回の調査・謝罪の意義
5 調査および調査結果についての問題点
6 菊池事件への影響

[特別企画1]
憲法から天皇の生前退位を考える(下)
――生前退位をどう考えるか

……横田耕一(九州大学名誉教授)・西村裕一(北海道大学准教授)・岡田順太(白鴎大学教授)・植村勝慶(國學院大學教授)

4 生前退位をどう考えるか
 [1] 一般論としての生前退位肯定説
 [2] 一般論としての生前退位否定説
 [3] 天皇の人権、天皇の自由意思
 [4] 横田説と奥平説、飛び地論
 [5] どのような場合に生前退位を認めるのか
 [6] 今回の生前退位の是非――公的行為を減らせば負担は増えていない
 [7] 天皇制度の議論をタブー視してきたツケ
5 摂政活用論をどう考えるか
 [1] 摂政――世襲
 [2] 摂政に憲法上の限定はない?
6 議論はどのようなプロセスで行われるべきか
 [1] 2016年版の立憲主義の危機?
 [2] 具体的にどういうプロセスが理想か
 [3] 衆参両院議長主導による原案作成の可能性
 [4] あくまで国会を中心として審議すべき
7 生前退位を認める場合の法形式
 [1] 一代限りの特例法は認められるか
 [2] 附則で定めることはできるのか

[特別企画2]
大学で法を学び~はたらくとは?

◇大学で法を学ぶ意義――趣旨説明
……草鹿晋一(京都産業大学教授)
◇企業法務の魅力と法学教育
……森田慈心(大幸薬品株式会社総務部マネージャー、弁護士)
◇大学で法を学び企業で活かす
……玉置秀司(オムロン株式会社執行役員グローバルリスクマネジメント・法務本部長)
◇女性起業家という自分らしいワークスタイル
――法がくれた独立起業という選択肢

……芳中千裕(アステラージュ株式会社代表取締役、行政書士、主婦カウンセラー、起業・経営・法務・マーケティングコンサルタント)
◇ソーシャルワークの最前線
――福祉の現場で少年らと向き合う

……谷坂真紀子(陽なみソーシャルワークオフィス・代表)
◇ソーシャルワークというお仕事8
――高齢者を支える

……久保原寛子(Lux in Vespera行政書士・社会福祉士オフィス代表)

●2017年2月号(1/12発売)

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
障害と法
――自分らしい一生を選択するために

障害とは何か……河野正輝
――法における障害と障害者の定義を中心に
1 国際生活機能分類(ICF)における障害の定義
 (1) 障害者本人にとっての障害の意味
 (2) WHO国際障害分類(ICIDH)における障害の考え方
2 法における障害と障害者の定義
 (1) 障害者権利条約における障害者の定義
 (2) 障害者基本法における障害と障害者の定義
 (3) 障害者総合支援法における定義の問題点

障害を持って生きるということ……横藤田 誠
――人権の意義と限界
1 障害者は人権の主体、でも……
2 障害者が「生まれる」ということ
3 障害者が「平等に生きる」ということ
4 障害者と「個人の尊厳」

障害のある子どもと学校教育……越野和之
1 障害のある子どもと学校教育の70年
2 養護学校義務制の評価と保護者の就学義務
3 障害者権利条約の理念と特別支援教育制度の課題
4 おわりに

障害者の労働……長谷川珠子
――多様な働き方とそれぞれの課題
1 はじめに
2 多様な働き方を支える法制度
⑴ 障害者雇用促進法
 (2) 障害者総合支援法
 (3) 特別支援学校高等部卒業後の進路
3 一般就労
 (1) 採用時
 (2) 採用後
4 福祉的就労
 (1) 労働関係法規の適用と処遇の差
 (2) 福祉的就労から一般就労への移行
5 おわりに

障害者の社会保障……福島 豪
1 障害者と社会保障
2 障害者の所得保障
 (1) 障害年金の種類と支給要件
 (2) 障害年金の障害要件
 (3) 障害年金の給付水準
3 障害者の福祉サービス
4 まとめ

精神障害者の治療と同意……山本輝之
1 はじめに
2 患者の権利
3 患者の自己決定権の尊重
4 精神科治療における患者の自己決定権
5 国連原則と入院処遇ガイドライン
6 残された課題

法的能力の平等と成年後見……上山 泰
1 はじめに
2 法的能力の平等
 (1) 民法上の別異処遇
 (2) 権利条約との整合性
3 成年後見制度
 (1) 問題の所在
 (2) 条約起草過程の議論
 (3) 条約実施段階での大転換
 (4) わが国の課題

[特別企画1]
憲法から天皇の生前退位を考える(上)
――日本国憲法、憲法学からみる天皇制度

……横田耕一・西村裕一・岡田順太・植村勝慶

[特別企画2]
『高校生からの法学入門』から考える
法教育と法学部教育

……橋本基弘・曲田 統・秦 公正・遠藤研一郎

▼知的好奇心と学修との橋渡しをする「ロー・アングル」
[ロー・アングル]

社外取締役制度の在り方……葭田英人

恋の法廷式 11……北尾トロ
待合室にいた女

わたしの仕事、法つながり[ひろがる法律専門家の仕事編]20……川村百合
子どもの人権保障――児童福祉分野における弁護士の活動

[ロー・クラス]

プラスアルファについて考える基本民法 22……武川幸嗣
転用物訴権

債権法講義[各論]11……河上正二
契約の効力(2)危険負担(その1)

応用刑法Ⅰ―総論 17……大塚裕史
犯罪共同説と行為共同説

【最終回】財産犯バトルロイヤル 25……杉本一敏
「どのみち支払う金」は被害金か
――権利行使、被害の範囲

刑事訴訟法の思考プロセス 11……斎藤 司
逮捕・勾留の諸原則を活用する思考プロセス

[法学者の本棚]
知的レベルの向上と人間性……中川 純
ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を〔新版〕』

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介
[裁判と争点]
厚着基地騒音訴訟で最高裁判決
飛行差し止め、将来請求ともに認めず

[立法の話題]
休眠預金等を民間公益活動に活用
休眠預金活用法の成立


●2017年1月号(12/12発売)

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
18歳選挙権のインパクト

2015年6月の公選法改正により選挙権が与えられる年齢が20歳から18歳に引き下げられ、今年2016年夏に、いわゆる「18歳選挙権」のもとで初ての国政選挙が行われた。18歳選挙権を、法制度全体にインパクトを与え得る端緒として捉え、法分野を横断的に検討する。また、学校における政治教育や主権者教育について、現状を踏まえ、今後の改善に向けて、あるべき方向性を議論する。

Ⅰ18歳選挙権の法的インパクト

憲法からの検討……斎藤一久 
――18歳選挙権をめぐる憲法上の諸問題
1 はじめに
2 18歳選挙権
3 16歳選挙権
4 18歳被選挙権
5 不在者投票の問題
6 選挙運動と政治活動におけるR18

民法からの検討……羽生香織 
――18歳選挙権と民法の成年年齢引下げの議論
1 はじめに
2 選挙年齢と民法の成年年齢との関係
3 民法の成年年齢
4 成年年齢との一致の適否
5 おわりに

刑事法からの検討……武内謙治 
――少年法の適用年齢引下げの議論と18歳選挙権との関係
1 はじめに
2 現在の問題状況
3 問題の図式
4 形式面の問題
5 実質面の問題
6 むすびにかえて――前提となる状況の変化?

子ども法からみた18歳選挙権……横田光平
1 子ども法の視点
2 抽象的人格と具体的人間――強い個人と弱い個人
3 大人/子ども二分論の行方
4 公法上の手続能力規定の欠如 

Ⅱ18歳選挙権と生徒の政治的自由/教員の政治的自由
学校内外における生徒の政治活動の自由……大島佳代子 
――学校・通達(通知)・政治活動の自由
はじめに
1 「政治活動」と「政治的活動」
2 通知による「政治的活動」の規制
――「政治的活動」の定義のあいまいさ
3 政治活動の自由の保障に関する憲法的解釈(通説的理解)
4 生徒の政治活動の自由規制の正当化事由
5 具体的状況に応じた規制の検討
むすびにかえて

義務としての政治教育の自由……堀口悟郎
1 はじめに
2 18歳選挙権の実現と政治教育
3 教育の政治的中立性と政治教育の自由
4 おわりに 

Ⅲ[座談会]18歳選挙権と政治教育、主権者教育
――2016年夏の選挙までを振り返って

……広田照幸・新岡昌幸・吉田英文・[司会]斎藤一久 
1 教育現場からみた18歳選挙権が導入されたこの1年
2 主権者教育を考える
――なぜ教育現場で浸透しないのか
3 高校生の政治活動の自由
4 再び主権者教育を考える

Ⅳ[対談]麹町中学校内申書事件・所沢高校事件から考える18歳選挙権と政治教育、主権者教育
……保坂展人・淡路智典・[司会]斎藤一久 
1 麹町中学校内申書事件
2 所沢高校事件――自分たちのことを自分たちで決める原点
3 いまの高校生の政治活動――学内と学外での政治活動
4 18歳選挙権と主権者教育
5 世田谷区のパートナーシップ宣誓の取り組み
6 高校生たちへのメッセージ

●2016年12月号(11/12発売予定)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇辺野古訴訟高裁判決の問題点
――福岡高那覇支判平28・9・16

……松永和宏(弁護士)
1 はじめに
2 承認取消処分に至る経緯
3 高裁判決の問題点
4 おわりに

◇イギリスのEU離脱(Brexit)と私法・経済法
……ユルゲン・バーゼドー(マックス・プランク研究所所長)
(訳)カライスコス・アントニオス(京都大学准教授)
1 離脱手続
[1] 離脱手続に関するEU条約の規定
[2] 離脱に関する協定
2 移動の自由
[1] 移動の自由の制限
[2] 欧州経済領域に関する協定が役割を果たす可能性
[3] 加盟国との協定という選択肢
3 EU第二次法
[1] 離脱と第二次法の効力
[2] 指令の効力
[3] 規則の効力
[4] EUによる国際的な合意の効力
4 第三国としてのイギリス
[1] 第三国となることの効果
[2] 金融サービス等への影響
[3] 判決の執行への影響
[4] 今後の見通し

◇捜査取調べ国際会議に参加して
――可視化時代の取調べ研究への示唆む

……山田直子(関西学院大学教授)
はじめに
1 供述弱者から「最善の証拠」を得るために――仲介者の活用
2 可視化先進国における取調べ研究の方向性と到達点
3 マスタークラスおよび本会議から得られた新たな視点

[裁判と争点]
◇職場での旧姓仕様認めない判決
東京地裁、女性教諭の請求棄却

[立法の話題]
◇戦没者の遺骨収集を平成36年度までの期間に集中的に実施
戦没者の遺骨収集の推進に関する法律の制定

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
法テラススタッフ弁護士の10年

日本司法支援センター(法テラス)は、「あまねく全国において、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を実現する」ことを基本理念として、2006年10月2日に業務開始し、今年10月で10周年を迎えた。
そして、法テラスとともに誕生したいわゆる「スタッフ弁護士」制度も10周年を迎えた。

本特集では、スタッフ弁護士の仕事内容を詳しく紹介し、この10年間に積み重ねてきた経験や試行錯誤を振り返り、現在の到達点確認したうえで、今後の更なる制度の発展を展望する。

社会の「セーフティネット」となるべく、法の手を必要とする人々のために日々駆け回り奮闘しているスタッフ弁護士たちの姿を知ってほしい。
――編集部

◇スタッフ弁護士という働き方
……宮木恭子(法テラス 常勤弁護士総合企画部 常勤弁護士総合企画課長)
1 はじめに
2 法テラス
3 スタッフ弁護士
4 進化し続けるスタッフ弁護士

◇現役スタッフ弁護士からの報告
(1)関係機関との連携
まだ見ぬ依頼者のために

……野原郭利(弁護士、法テラス千葉法律事務所)
1 都市部の弁護士
2 二つの「司法過疎」
3 「司法過疎」に対する法テラス千葉の取り組み4 話すことは難しくても…
5 森の中の消費者被害
6 まだ見ぬ依頼者のために

(2)司法過疎地での活動―内陸部
法テラス雲仙法律事務所の活動報告
――司法過疎地での活動及び福祉との連携
……馬場章廣(弁護士、法テラス雲仙法律事務所)
1 始めに
2 地域の状況や法テラス雲仙法律事務所の必要性3 法テラス雲仙法律事務所の日常業務
4 地域包括支援センター等との連携
5 長崎県地域生活定着支援センターや南高愛隣会との連携
6 最後に

(3)司法過疎地での活動―島嶼部
奄美大島に赴任して
――南の島の奮闘記
……早瀬弥恵(弁護士、法テラス奄美法律事務所)
1 はじめに
2 奄美大島について
3 島での弁護士活動について
[1] とにかくフットワークが重要!
[2] 島の事件の特徴
4 さいごに

(4)被災地支援・対応
「弁護士」から被災自治体の「公務員」へ

……佐藤隆信(弁護士、法テラス本部常勤弁護士総合企画部付)
1 「被災地」へ
2 「弁護士」から「公務員」へ
[1] 赴任に至る経緯
[2] 赴任直後の印象
3 市役所での業務内容
[1] 法律相談
(1) 不動産に関する相談
(2) 相続に関する相談
(3) 契約に関する相談
(4) その他
[2] 庁内協議の調整・仲介
[3] 訴訟等への対応
[4] その他
4 復興のために果たすべき役割

(5)刑事弁護、裁判員裁判
正しい刑事裁判を実現するために

……村井宏彰(弁護士、法テラス岐阜法律事務所)
1 最初に
2 養成中~ガムシャラな思い出と、幸運な出会い[1] ノルマ
[2] 痛い思い出――最初の刑事事件
[3] ガムシャラな思い出
3 チーム千葉
[1] 切磋琢磨
[2] 房総半島を走り回る
[3] 裁判員裁判
4 その後――岐阜で、考えて、動く
5 最後に

◇日本司法支援センタースタッフ弁護士全国経験交流会における報告内容から見るスタッフ弁護士10年のあゆみ
……鶴森雄二(弁護士)
1 はじめに
2 スタッフ弁護士全国経験交流会とは
3 経験交流会のあゆみ
4 これからの10年に向けて

◇スタッフ弁護士OBOGの現在の状況
スタッフ弁護士から裁判官へ

……大塚博喜(東京高等裁判所判事、元法テラス静岡法律事務所)
1 自己紹介
2 任官した動機
3 スタッフ弁護士と弁護士任官について
[1] 前置き
[2] スタッフ弁護士としての経験が活きているか
[3] スタッフ弁護士から任官するという道
4 まとめ

地方の都市型公設事務所に移籍して取り組んでいること
……佐藤邦男(弁護士、弁護士法人広島みらい法律事務所、元法テラス広島法律事務所)
1 都市型公設事務所とは?
2 スタッフ弁護士から都市型公設事務所の弁護士へ
[1] 都市型公設事務所の弁護士へ
[2] 都市型公設事務所の弁護士として取り組んでいること
[3] 法テラスの後輩スタッフ弁護士との関係
3 さいごに

◇スタッフ弁護士制度の創成期
――法テラス誕生前夜から業務開始直後を振り返って

……南川 学(弁護士)
1 はじめに
2 スタッフ弁護士開始前夜
3 スタッフ弁護士赴任直後の活動状況
4 スタッフ弁護士同士の経験交流
5 まとめ

◇スタッフ弁護士への期待
……佐藤岩夫(東京大学社会科学研究所教授)

◇刑事弁護の“砦”となれ
……安岡崇志(現法テラス理事、元日本経済新聞論説委員)

◇[座談会]スタッフ弁護士の未来を語る
……佐藤邦男、佐藤隆信、南川 学、野原郭利、早瀬弥恵、村井宏彰(弁護士)
1 スタッフ弁護士の仕事を更に詳しく紹介!
[1] 司法過疎地のスタッフ弁護士
 ――鳴りやまない相談の電話、
   オールラウンダーであることが求められる
[2] 都市型事務所での活動
  ――自ら積極的に動いて仕事の幅を拡げる
[3] 刑事弁護の活動
  ――刑事弁護の魅力を響かせる
[4] 行政のなかでの活動
 ――お互い抱いていた得体の知れなさを解消
2 スタッフ弁護士には異動がつきもの
3 法テラスをより多くの人々に
  活用してもらうために
[1] 法テラスの認知度は高くない
[2] 弁護士への敷居はまだ高い
[3] 関連機関と連携することが不可欠
  ――司法ソーシャルワーク
[4] 関連機関から信頼を得るための工夫
[5] スタッフ弁護士間でも勉強会や朝練!
4 スタッフ弁護士だからこそできること
  これからやるべきこと
[1] 半分行政組織としての法テラス、位置づけが
  明確なスタッフ弁護士の強みを活かす
[2] 不都合があれば既存の制度・枠組みを打破す
  ことも考える視点をもつ
[3] 一般の弁護士が対応しにくい仕事に
  積極的に取り組む
[4] 弁護士間の協働
[5] 法テラスのスタッフ弁護士としての責任
5 未来のスタッフ弁護士へのメッセージ

[特別企画]
組織に飛び込んだ弁護士だからこそできる働き方

ロースクール卒若手弁護士座談会
……小野田峻、菊池優太、杉田昌平、竹本綾世(弁護士)
・組織内ではたらく弁護士の仕事とは?
・気付いたらハノイにいた!?
 ベトナムで弁護士としてはたらく
・日本の法システムをアジアで教える!
・日本とベトナムのロースクール教育のちがい
 世界共通のフレームワークを学ぶ
・被災地の県庁内で弁護士として復興に貢献する仕事がある
・今まで世の中になかったことをやりたいと思い、インハウスを目指す
・想像していたとおりにおもしろい!弁護士の仕事
・弁護士でなくてもできること?
 弁護士だからこそできること!
・常に変化し続けている社会とともに弁護士の仕事も拡がり続ける

●2016年11月号(10/12発売予定)

▼裁判・立法などの時事的な情報を紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇2人殺害の少年を地裁が家裁移送
殺人罪に問われた未成年者に初の決定

[立法の話題]
◇取調べの録音・録画制度等を創設
刑事訴訟法等の改正

▼知的好奇心と学修との橋渡しをする「ロー・アングル」

[ロー・アングル]
◇憲法事例問題の解き方……蟻川恒正(日本大学教授)
──2016年司法試験予備試験論文式試験憲法を読む

一 本問に臨むに当たって
二 ①の問題
三 ②の問題

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
市民の政治的表現の自由とプライバシー

わたしたち市民が、表現活動、特に政治的な表現活動を行う際に、それが不当に阻まれるような困難に出逢うとすれば、法律学とりわけ憲法学からは、その問題点や課題をどのように捉えることができるのでしょうか?

また、情報通信技術(ICT)が急速に発達し、社会の情報化が進むなか、いわゆる監視社会化も、技術の発達により範囲が拡がり、深化しています。

表現の自由は、なぜ高い価値のあるものとして憲法で保障されているのでしょうか? 実際にわたしたちが安心して知るべき情報を知り、考え、表現活動を行うためには、どのような環境が確保されていることが必要なのでしょうか?

5つの事件を紹介し、そこに横たわる法理論的な問題を検討します。
――編集部

【Ⅰ 実態編】
◇自衛隊情報保全隊による国民監視事件
――平成28年2月2日言渡の仙台高裁判決の内容と問題点
……十河 弘(弁護士)
1 国民監視事件の概要
[1] 発端と背景
[2] 裁判の概要
2 本判決の中心論点
3 本判決が認定した情報保全隊による情報収集活動の詳細
[1] 控訴審での証拠調べに基づく認定
[2] 任務・目的と情報収集の対象について
[3] 収集する情報の種類、方法について
[4] 収集する情報の広範さ
4 違法性の判断の視点――情報収集行為の目的、必要性について
[1] 違法性の判断の視点
[2] 情報収集行為の目的、必要性
[3]
5 違法性の判断の視点――情報の私事性、秘匿性の程度、個人の属性
[1] 請求認容と棄却を分けたもの
[2] X1について
[3] X2ないしX5について
[4] 評価――本判決の問題点
6 監視の異常さに歯止めを

◇ムスリム監視捜査の憲法上の問題点
……井桁大介(弁護士)
1 はじめに
2 監視捜査の実態
[1] 誰を監視するか――ムスリム、OIC諸国出身者、イスラム関係団体
[2] どのような情報を収集するか――基礎情報、経歴、信仰情報
[3] どのように情報を収集するか――監視カメラ、潜入捜査・尾行、事件化、民間団体の協力
[4] 情報をどのように管理するか――電子化、データベース化、ネットワーク化
[5] 小括――流出資料からわかること
3 訴訟の経緯
4 憲法上の争点
[1] はじめに
[2] 統治――この国の在り方を決めるのは国民か、それとも警察か
[3] 差別――ムスリムのみ、取り扱いを異にする合理的な理由はあるか
[4] 信教の自由
[5] プライバシー権
5 監視捜査の相当性
6 終わりに

◇大垣警察市民監視事件
……山田秀樹(弁護士)
1 事件の概要
2 権利侵害
3 違法性
[1]
[2] 収集・管理の違法性
[3] 利用・提供の違法性
4 まとめ

◇表現の自由と駅
――JR大阪駅前事件(大阪高判平成27年9月28日)
……石埼 学(龍谷大学教授)
1 事案
2 判決要旨(大阪高判平27・9・28 LEX/DB文献番号25542788)
[1] 判旨①――ビラ配布制止業務
[2] 判旨②――駅コンコース内への立入制止業務
3 若干の検討
[1] 判旨について
[2] 許可制
[3] 威力業務妨害という特殊性
3 まとめ

◇萩之茶屋投票所事件の意義
――政治的表現の自由と公民権
……遠藤比呂通(弁護士)
1 住民票が消除された
2 選挙権の喪失とその回復
3 投票管理者は何処にいたのか
4 釜ヶ崎の公民権運動

【Ⅱ 理論編】
◇市民の表現活動を阻むもの
──日本社会の現況と理論的課題
……塚田哲之(神戸学院大学教授)
1 はじめに
2 何が表現活動を阻むのか
[1] 監視の遍在
[2] 表現の「場」の管理
[3] 表現活動を抑圧する主体
3 異論の困難
4 市民の表現活動にとってのプライバシー
5 むすびにかえて
──「政治的権利」の試み

◇「公共空間」と憲法理論
……平地秀哉(國學院大學教授)
1 はじめに
2 パブリック・フォーラム論
3 パブリック・フォーラム論の難題
4 集会の自由を基底にしたパブリック・フォーラム論
5 公共空間の役割
6 インターネット時代の「公共空間」
7 結びにかえて

◇駅前の表現の自由
……中川 律(埼玉大学准教授)
1 なぜ、駅前なのか?――パブリック・フォーラム
2 駅前の不自由
3 鉄道営業法上の権限の限定性
4 駅前はより自由でなければならない
おわりに

◇市民的自由と警察の現在
──「スノーデン・ショック後」の監視社会と国家
……石川裕一郎(聖学院大学教授)
はじめに:「監視」の現在
1 「安全安心」と生活世界の警察化
2 「監視」の変容:最近の2つの事案から
3 「手段」としての監視から「目的」としての監視へ:近代国家の変容?
おわりに:「監視」とどう向き合うか

◇街頭表現活動への監視に対する抗議と威力業務妨害罪
──大阪駅事件を機縁として
……安達光治(立命館大学教授)
1 はじめに
2 威力の意義に関する学説の沿革
[1] 旧刑法時代の議論
[2] 現行刑法への改正時の議論
[3] その後の議論
3 威力の意義に関する判例
[1] はじめに
[2] 戦前の判例
[3] 戦後の判例
4 学説・判例の検討からいえること――大阪駅事件に関して

◇萎縮効果論と公権力による監視
……毛利 透(京都大学教授)
1 萎縮効果への配慮がなぜ必要か
[1] 表現の自由と民主政 
[2] 自由の無力さ
[3] 理性を用いる負担と表現の萎縮しやすさ
2 監視による萎縮と同調
[1] 萎縮効果の視点から
[2]「同調効果」の指摘

●2016年10月号(9/12発売)

▼裁判・立法などの時事的なネタを紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]

◇「忘れられる権利」について考える
――平成28年7月12日東京高裁決定を受けて
……宮下 紘(中央大学准教授)

[裁判と争点]
◇東京高裁が検索結果削除命令を取り消し
「忘れられる権利」を認めたさいたま地裁決定覆す

[立法の話題]
◇本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されないと宣言
ヘイトスピーチ解消法の制定

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
スラップ訴訟

日本においてようやく認知され始めた「スラップ」(strategic litigation against public participation:SLAPP)――その実態と被害の深刻さを紹介し、日本におけるスラップ訴訟の法的な問題点を検討する。アメリカの反スラップ法を参考にして日本における抑止・救済策を検討し、今後の議論を展望する。

◇Ⅰ スラップ訴訟とは何か
……澤藤統一郎(弁護士)
◇Ⅱ 事例紹介
1 武富士問題とスラップ訴訟
――東京地判平成17年3月30日を勝ち取るために
……新里宏二(弁護士)
2 伊那太陽光発電スラップ訴訟
……木嶋日出夫(弁護士)
◇Ⅲ 恫喝訴訟と言論萎縮効果
――高額の損害賠償を求める「恫喝訴訟」によって企業批判のタブー化進む――武富士事件の体験より
……三宅勝久(ジャーナリスト)
◇Ⅳ スラップ訴訟、名誉毀損損害賠償請求訴訟の現状・問題点とそのあるべき対策(立法論)
……瀬木比呂志(明治大学法科大学院教授)
◇Ⅴ アメリカにおける反スラップ法の構造
……藤田尚則(創価大学教授)
◇Ⅵ 昭和63年判例(最三小判昭63・1・26民集42巻1号1頁)の再検討
――抑止・救済のための法的課題の検討1
……小園恵介(弁護士)
◇Ⅶ 日本の名誉毀損法理とスラップ訴訟
――抑止・救済のための法的課題の検討2
……佃 克彦(弁護士)
◇Ⅷ スラップ訴訟の外縁から見る抑止・救済の法的課題の検討
――抑止・救済のための法的課題の検討3
……紀藤正樹(弁護士)

●2016年9月号(8/12発売)

▼裁判・立法などの時事的なネタを紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]

◇カナダの最高裁、連邦議会、首相官邸
――現地に学ぶ統治機構
……山田隆司(創価大学准教授)

[裁判と争点]
◇石巻事件最高裁が上告棄却
少年事件の裁判員裁判の死刑判決が初めて確定

[立法の話題]
◇高齢化の進展などを踏まえた消費者利益の擁護のための規律の強化
消費者契約法の改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
司法試験問題の検討2016

今年5月に行われた司法試験の問題を、各分野2名の法科大学院教員により対談形式で検討する。基本科目の論文式試験を迅速且つ詳細に検討。法科大学院関係者必読の特集。

◇公法系科目試験問題 第1問
……木村草太(首都大学東京教授)/西村裕一(北海道大学准教授)

1|問題の解説
[1]〔設問1〕について
[2]〔設問2〕について
2|検討
[1] 継続的監視の評価と残虐な刑罰(憲法36条)
[2] 制約される権利の内容
(ⅰ) 平等権(14条)は問題になるのか
(ⅱ)「継続的監視」と「立入禁止命令」
(ⅲ)「継続的監視」――憲法13条
(ⅳ) 居所と前科等の参考情報
[3] 違憲審査基準
[4] 個人の尊厳
3|全体としての評価

◇公法系科目試験問題 第2問
……南川和宣(岡山大学教授)/湯川二朗(弁護士、京都産業大学教授)

1|出題全体について
2|〔設問1〕の解説と検討
3|〔設問2〕の解説と検討
4|〔設問3〕の解説と検討
5|〔設問4〕の解説と検討
6|法科大学院教育との関係

◇民事系科目試験問題 第1問
……滝沢昌彦(一橋大学教授)/松尾 弘(慶應義塾大学教授)

1|〔設問1〕の解説と検討
[1] 解説
(ⅰ)〔設問1〕(1)について
(ⅱ)〔設問1〕(2)について
[2] 検討
(ⅰ)〔設問1〕(1)について
(ⅱ)〔設問1〕(2)について
2|〔設問2〕の解説と検討
[1] 解説
(ⅰ)〔設問2〕(1)について
(ⅱ)〔設問2〕(2)について
(ⅲ)〔設問2〕(3)について
[2] 検討
(ⅰ)〔設問2〕(1)について
(ⅱ)〔設問2〕(2)について
(ⅲ)〔設問2〕(3)について
3|全体としての評価

◇民事系科目試験問題 第2問
……松井英樹(東洋大学教授)/髙橋真弓(一橋大学准教授)

1|〔設問1〕(1)の解説と検討
[1] 解説
[2] 検討
2|〔設問1〕(2)の解説と検討
[1] 解説
[2] 検討
3|〔設問2〕(1)の解説と検討
[1] 解説
[2] 検討
4|〔設問2〕(2)の解説と検討
[1] 解説
[2] 検討
5|〔設問3〕の解説と検討
[1] 解説
[2] 検討
6|全体について
7|法科大学院教育との関係

◇民事系科目試験問題 第3問
……林 昭一(同志社大学教授)/亀井尚也(弁護士、関西学院大学教授)

1|〔設問1〕の解説と検討
[1] 解説
[2] 検討
2|〔設問2〕の解説と検討
[1] 解説
[2] 検討
3|〔設問3〕の解説と検討
[1] 解説
[2] 検討
4|法科大学院教育との関係

◇刑事系科目試験問題 第1問
……照沼亮介(上智大学教授)/杉本一敏(早稲田大学教授)

1|問題の解説
[1] 乙の罪責
[2] 甲の罪責
[3] 丙の罪責
[4] 丁の罪責
[5] 罪数
2|検討
[1] 乙のVに対する殺意の有無
[2] 甲が乙に犯行を中止するよう指示したこと
[3] 甲乙丙の順次共謀が成立しうるか
[4] 丙が乙の犯罪に途中から共謀加担したとして承継が認められるのか
[5] 丁の罪責
[6] 罪数
3|法科大学院教育との関係

◇刑事系科目試験問題 第2問
……公文孝佳(神奈川大学教授)/青木孝之(一橋大学教授)

1|問題の解説
[1]〔設問1〕について
[2]〔設問2〕について
[3]〔設問3〕について
[4]〔設問4〕について
[5] 全体の評価
2|検討
[1] 全体について
[2]〔設問1〕について
[3]〔設問2〕について
[4]〔設問3〕について
[5]〔設問4〕について
3|法科大学院教育との関係

●2016年8月号(7/12発売)

▼裁判・立法などの時事的なネタを紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]

◇今市事件裁判員裁判は試金石となり得たか
――傍聴記をもとにいくつかの刑事手続上の重要な課題を論じる
……平山真理(白鴎大学教授)

[裁判と争点]
◇遺言書に「花押」をめぐる訴訟で無効判決
幅広く認める流れの「限界値」示す

[立法の話題]
◇衆議院議員定数の削減と小選挙区の較差の是正
区画審設置法と公職選挙法の改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
民法(債権法)の新たな地平(horizon)

現行民法から改正民法へと、民法学の主要テーマの「考え方」がどのように変わろうとしているのかを、内容の連続と転換を意識しつつ学生向けに解説し、民法学のおもしろさを伝える。
――編集部

◇債務不履行と履行の不能
――その契約化について

……都筑満雄(南山大学教授)

1 はじめに
2 帰責事由の考え方
[1] 伝統的な通説
[2] 新しい契約責任論
[3] 改正法案
3 契約化の諸相
[1] 履行補助者の過失
[2] 損害賠償の範囲
[3] 原始的不能と後発的不能

◇詐害行為取消権
――破産法上の否認権との比較から

……和田勝行(京都大学准教授)

1 前提知識
[1]各債権者の個別的な権利実現――強制執行手続
[2] 債務者の責任財産(一般財産)を保全する必要性
[3] 総債権者の包括的な権利実現――破産手続
2 詐害行為取消権の意義と機能――従来の考え方
[1] 取消権の性質・要件・効果
[2] 事例①:財産減少行為(無償行為を含む)
[3] 事例②:相当価格での財産処分
[4] 事例③:本旨弁済
3 従来の考え方の課題
[1]「相対的取消」構成の理論的不整合
[2]「事実上の優先弁済」の評価
[3] 否認権との整合性(倒産法改革の影響)
(a) 破産法における否認権の内容
(b) いわゆる「逆転現象」の評価
4 改正法の立場とその評価

◇債権譲渡・債務引受
――改正議論の方向性と課題

……遠藤研一郎(中央大学教授)

1 債権・債務の移転
2 債権譲渡
[1] 変容する債権譲渡の位置づけ
[2] 将来債権の譲渡
[3] 債権譲渡禁止特約
[4] 異議を認めない承諾の効力
[5] 対抗要件制度
[6] 有価証券法理
3 債務引受
[1] 改正の方向性
[2] 免責的債務引受と併存的債務引受の関係性
[3] 債務引受の対抗要件(?)
[4] 法定債務引受(?)
4 おわりにかえて

◇危険負担と契約の解除
――霧に霞む解除と危険負担の地平?

……福本 忍(北九州市立大学准教授)

1 はじめに
[1] 本稿の目的および検討対象
[2] なぜ、地平は“霧に霞む”としたか?
2 解除制度の「考え方」の変容
[1] 改正法案で示された解除の要件の「考え方」変容
[2] 改正541条ただし書に現れる“霧”?
[3] 改正542条を覆う“霧”?
3 危険負担制度の「考え方」の変容
[1] 改正536条1項――反対給付の履行拒絶(権)構成と“解除との関係”
[2] 現行534条・533条の削除
4 おわりに――“霧”に霞む「地平」の見通しを良くするためには?

◇売買
――瑕疵担保責任から契約不適合責任へ

……野澤正充(立教大学教授)

1 はじめに
2 改正法案とウィーン売買条約
[1] 改正法案の概要
[2] ウィーン売買条約の規律
[3] 小括――規律の異同
3 現行民法体系との連続性
[1] 現行民法の解釈――法定責任説の妥当性
[2] 危険負担との関係――代金減額請求権の位置づけ
4 改正法案の問題点――不特定物の売買と目的の「特定」
[1] 問題の所在
[2] 法制審議会における議論
[3] 起草者の見解
[4] 若干の検討
5 おわりに

◇賃貸借
――賃貸人たる地位の移転

……大窪 誠(東北学院大学教授)

1 はじめに
2 「売買は賃貸借を破る」の原則と現民法605条による例外
3 特別法による不動産賃貸借の対抗要件
4 不動産の賃貸人たる地位の移転に関する判例法理と学説
[1] 不動産賃貸借が対抗力を有する場合
[2] 合意による賃貸人たる地位の移転
5 不動産の賃貸人たる地位の移転の2類型
6 賃貸人たる地位が賃貸不動産の譲渡人に留保された場合
7 おわりに

[特別企画]
インターカレッジ民法討論会

◇[イントロダクション]
インターカレッジ民法討論会とは

……坂口 甲

◇[第1部]
出題の意図と解説

……髙嶌英弘

1|問題
2|出題の意図
3|問題の解説
4|講評と今後の課題
5|おわりに

◇[第2部]
これが優勝ゼミの報告だ

……鹿野菜穂子ゼミ

1|設問1(1)について
2|設問1(2)について
[1] 可能性①:110条の表見代理に基づく履行請求
[2] 可能性②:使用者責任に基づく賠償請求
3|設問2について
[1] 袱紗の代金10万円について
[2] 茶筌の代金300万円について
4|設問3について

◇[第3部]
白熱! 教員討論

……金山直樹・松岡久和・鹿野菜穂子・七戸克彦・髙嶌英弘・中田邦博・栗田昌裕・坂口 甲・高須順一・寺川 永

1|代理権濫用において本人が効果帰属を否定できる要件
2|類推適用と信義則のどちらを用いるべきか?
3|110条と112条の重畳適用
4|110条と117条の無過失の関係
5|水墨画の返還請求

●2016年7月号(6/11発売)

▼裁判・立法などの時事的なネタを紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]

◇辺野古新基地建設問題の現状と課題
――問われる国地方係争処理委員会の存在意義
……本多滝夫(龍谷大学教授)

◇「政治的中立性」と表現の自由をめぐる課題
……吉永周平(京都新聞記者)

◇Apple対FBI問題を考える
――法執行機関と暗号規制
……指宿 信(成城大学教授)

[裁判と争点]
◇録音・録画が自白の信用性を立証
東京地裁、今市事件で無期懲役判決

[立法の話題]
◇有人国境離島地域の保全等のための時限立法
わが国の領域、排他的経済水域等の保全に向けて

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
憲法の論点2016

特集=憲法の論点2016

今年の夏には国政選挙が行われ、さまざまな法制度や立法の是非が改めて問われることになる。また、日本社会の現状は、立憲主義や民主主義との関わりでも再検証の必要があるだろう。選挙も控えたこの時期に、日本社会の中でいま論じられるべき、論じてみたい憲法に関わる8つのテーマを、憲法研究者が論じる。
――編集部

◇地域の利害(あるいは感情)と憲法学
――参議院議員選挙の「合区」問題によせて
……新井 誠(広島大学教授)

1 はじめに
[1] 参議院議員選挙における「合区」の導入
[2] 温度差
2 参議院議員選挙をめぐる最高裁判決
[1] かつての最高裁判決
[2] 近年の最高裁判決
3 「合区」は不可避か?
[1] 議員数の純増
[2]「全国民代表」vs「地域代表」?
[3]「投票価値の平等」論の機能
[4]「都市」という「地域」意識からの検討
3 両院制のなかの参議院の役割
[1] 両院制の類型論
[2] 両院の権限関係
[3] 上院の保守性
4 「合区」固有の問題――土着感情と憲法学
[1]「合区」は違憲か?
[2]「都道府県」という枠組みとその感情
[3] 感情と憲法
[4]「移動できる諸個人」としての憲法研究者

◇放送事業者の表現の自由と視聴者の知る権利
――番組編集準則を読みとく
……鈴木秀美(慶應義塾大学教授)

1 問題の所在
2 政治と行政による放送介入の動き
[1] 自民党の事情聴取・総務大臣の行政指導に対するBPOの批判
[2] 高市総務大臣の電波停止発言
3 番組編集準則による規制の仕組みと現状
4 番組編集準則の合憲性

◇安保関連法の有効性
……石埼 学(龍谷大学教授)

はじめに
1 議院の自律権と司法審査
[1] 二つの議事録
[2] 警察法改正無効事件判決
[3] 立法の有効性の条件
[4] 議事録主義
2 議院の委員会の議事手続に憲法の規律は及ぶか
[1] 議会制民主主義の基本原理としての過半数主義
[2] 憲法57条と委員会
[3] 参議院特別委員会の議決の存否
[4] 委員会の審査報告書および委員長報告の問題
まとめ

◇安保法雑感
――近時の「護憲派」批判を契機に
……山崎友也(金沢大学准教授)

1 はじめに
2 2014年政府解釈は「立憲主義」に違反するか?
[1]「デーゼA」の抱える矛盾・欺瞞
[2] デーゼAをどのように理解・評価すべきか?
3 新旧政府解釈は「にせ解釈」か?
[1] 憲法9条解釈の「枠」
[2] 従来の政府解釈
[3] 2014年政府解釈・安保法
4 おわりに

◇PTAと憲法論
――入退会自由の任意団体か
……大日方信春(熊本大学教授)

はじめに
[1] わが国におけるPTAのはじまり
[2] 本稿の関心
1 熊本PTA訴訟
2 PTAの法的性格と入退会の自由
3 PTAの活動と構成員の協力義務
おわりに

◇シンボルをめぐる政治と憲法
……志田陽子(武蔵野美術大学教授)

はじめに
1 《シンボル》の意味
2 国連女子差別撤廃委員会「見解案」の削除された部分
3 トランプ現象に見る《負のシンボル》
4 日本におけるマイノリティのスケープゴート化
5 シンボルをめぐる憲法理論の可能性
おわりに

◇緊急事態条項は「魔法の杖」か?
……三宅裕一郎(三重短期大学教授)

1 緊急事態条項=国家緊急権とは?
2 自民党「日本国憲法改正草案」にみる緊急事態条項
3 大規模自然災害に対して緊急事態条項は必要か?
おわりに――改めて、緊急事態条項創設がめざすこととはなにか

◇生徒の政治的自由・教師の政治的自由
――教育と権力の関係からの考察
……安原陽平(沖縄国際大学講師)

はじめに
1 情報の統制
2 行動の統制――漠然とした目的と過剰な制約
[1] 生徒の場合
[2] 教師の場合
3 教育裁量への司法の敬譲?
[1] 生徒の場合
[2] 教師の場合
むすびにかえて――教育の自律性という論点

●2016年6月号(5/12発売)

▼裁判・立法などの時事的なネタを紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇CGによる児童ポルノで男性に有罪判決
捜査機関の立証の困難さも浮き彫り

[立法の話題]
◇女性の職業生活における活躍の推進による活力ある社会の実現
女性活躍推進法の制定

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
ジェンダー法学入門

ここ4~5年だけをみても、性に関わる法や裁判の話題が多くみられます。
・DV防止法の改正(2013年)
・ストーカー規制法の改正(2013年)
・婚外子相続差別最高裁決定(2013年〔最大決平25・9・4〕)
・トランスジェンダーFTM(Female To Male)の父性に関する最高裁決定(2013年〔最三小決平25・12・10〕)
・マタニティ・ハラスメントに関する最高裁判決(2014年〔最一小判平26・10・23〕)
・リベンジポルノ被害防止法(2014年)
・同性婚に関する、アメリカ連邦最高裁判決(2015/6/26)や、東京渋谷区・世田谷区の同性パートナーシップ制度(2015年)

・女性活躍推進法(2015年)
・再婚禁止期間に関する最高裁判決(2015年〔最大判平27・12・16〕)
・夫婦別姓制度に関する最高裁判決(2015年〔最大判平27・12・16〕)

性に関わる問題は、わたしたちの社会全体の問題であると同時に、わたしたちの日常生活のなかで多く出会う問題でもあります。

みなさんは「ジェンダー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ジェンダーという言葉は、かつては、「自然的・身体的性差」としての「セックス(sex)」に対比して、「社会的・文化的性差」を意味する概念として使われていました。しかし、今日では、「身体、セクシュアリティ、ふるまい(性別役割など)」のすべてにわたって「知」として社会的に作られ、作り上げられたものと理解されています。(三成美保ほか『ジェンダー法学入門』〔法律文化社、2015年〕4頁)。

現実のわたしたちの社会の中には、さまざまなレベルで多くの性に関わる偏見や偏り(ジェンダーバイアス)があることは事実です。そして、それが差別につながっているケースが多く存在します。

わたしたちは、ジェンダーバイアスに基づく性に関わる差別の内容をまず知ることが必要でしょうし、法に関わっては、それに法や司法がどのように対応するのかという課題を考える必要があります。

ジェンダー法学は、ジェンダーバイアスに基づく性に関わる差別の内容を分析し、法制度の影響を明らかにし、性に関わる差別の防止と解決の方策を探ろうという学問です。

本特集では、7つの分野の法学研究者が、昨今わたしたちの社会のなかで問題になっている、ジェンダーの視点から捉えるべき法的な課題について、ジェンダー法学の観点から分析し、法律学において新たな視点や捉え方を見いだすことを試み、法を学ぶみなさんに、ジェンダー法学の視点を紹介します。
ーー編集部

[憲法]
◇憲法と同性婚――ジェンダー法学のすすめ……小竹 聡(拓殖大学教授)

[民法(財産法)]
◇賠償額の算定とジェンダーバイアス……城内 明(摂南大学准教授)

[民法(家族法)]
◇家族法学におけるジェンダー視座の意味……立石直子(岐阜大学准教授)

[刑法]
◇ジェンダー刑法学入門……島岡まな(大阪大学教授)

[刑事政策]
◇ジェンダーの視点から見た刑事政策……矢野恵美(琉球大学教授)

[労働法]
◇ジェンダー法学の視点からみる労働法――より人間らしい労働の世界へ……緒方桂子(南山大学教授)

[国際法]
◇ジェンダー視点から読み解く国際法――「女性」の「人権」を超えて……谷口洋幸(高岡法科大学准教授)

[特別企画]
高校生模擬裁判選手権

◇「高校生模擬裁判選手権大会」とは何か……廣津洋吉(弁護士)
1 高校生模擬裁判選手権大会の概要
2 高校生模擬裁判選手権大会の経緯
3 各大会の題材および実施結果
4 高校生模擬裁判選手権大会のねらい
5 本大会は法教育の実践の場である
6 生徒たちの活躍ぶり
7 最後に

◇編集部取材日誌――神奈川県予選、予選から本選へ、関東大会……編集部
1|神奈川県予選(2015/7/20)
2|予選から本戦へ
[1] 法政大学女子高等学校(2015/7/23)
[2] 神奈川県立横浜国際高等学校(2015/7/30)
3|関東大会(2015/8/1)

◇支援弁護士座談会……入坂剛太・岩永和大・坂本真史・飛田 桂・藤江勇佑・村松 謙(弁護士)
1|支援弁護士になったきっかけ
2|準備のプロセス
3|チームプレーが必要になるようにできている
4|模擬裁判で使われる事件記録
5|記録を初めて見たときの生徒たちの反応
6|生徒へ質問を投げかけるときのポイント
7|気づきのタイミング
8|証人も被告人も本当のことを言っている?
9|生徒たちの好奇心と行動力
10|人間を知る、社会を知る
11|想像力と経験則
12|ものごとを多面的に見る、答えは自分で考える
13|チームワークを身に付けた生徒たち
14|予選、本選に向けて仕上げていく過程
15|いよいよ本番!
16|本番後の生徒たち
17|生徒たちの成長の姿
18|模擬裁判で、ものごとを多面的に見る力を培う
19|支援弁護士をして良かったこと

●2016年5月号(4/12発売)

▼裁判・立法などの時事的なネタを紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇認知症事故、家族責任なし
最高裁、監督義務は「総合的に判断」

[立法の話題]
◇自殺対策を拡充
自殺対策基本法の改正

[ロー・ジャーナル]
◇えん罪救済センターの始動
――日本版イノセンス・プロジェクトの可能性……笹倉香奈

◇産経新聞社前ソウル支局長無罪判決
――刑事実体法・刑事手続法の観点から……安部祥太

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
ヘイトスピーチ/ヘイトクライムⅡ
――理論と政策の架橋

ヘイトスピーチ/ヘイトクライムをどのように防止し、被害の救済を図るかという問題は、日本国内の問題としてしてはもちろん、世界各国で共通して問題になってており、近年、その被害の深刻さが増しています。

日本では、それへの対処として、近年、新たな法規制を行って対処することの是非が活発に議論されています。

法を学ぶ者としては、この法規制の問題に関心が及ぶと思いますので、今回、法規制論に関わる論考を集めた特集を企画しました。

もっとも、仮に新たな法規制を行うとしても、その対象は限定的であり、法規制で一気に問題が解決する見込みは立ちません。

法セミでは、法的議論の前提として、まず、被害の過酷な実態の質を捉えることが重要だと考え、昨年7月号で特集を行いました。本特集と併せてぜひお読みください。

被害の過酷な実態から、背景にある差別の問題から、切迫する被害救済の必要性から目を逸らさずに、法的な対応、司法や警察の対応、国・地方自治体の行政としての対応、民間の力の活用等、広く方法を追究し、被害の防止と救済のための方策を議論していきたいと思います。
――編集部

◇ヘイトスピーチ規制消極説の再検討
……奈須祐治(西南学院大学教授)
1 はじめに
2 規制消極説の問題点
[1] ヘイトスピーチと民主的正統性
[2] 国家による言論価値の判定
[3] ヘイトスピーチと礼節
[4] ヘイトスピーチの害悪と対抗言説の有効性
[5] 線引きの問題
3 結び

◇現在の刑事司法とヘイトスピーチ
……櫻庭 総(山口大学准教授)
1 はじめに
2 現行刑法とヘイトスピーチ
[1] 名誉毀損罪・侮辱罪
[2] 脅迫罪
[3] 傷害罪
[4] 現行刑法規定の限定
3 現行法体系と刑事立法論
[1] 集団侮辱罪
[2] 扇動罪
[3] ヘイトスピーチの害悪
4 ヘイトスピーチ規制と刑事司法
[1] 差別的捜査・起訴の問題
[2] 被害救済における刑事司法の限界
5 おわりに

◇ヘイトスピーチに対する民事救済と憲法
……梶原健佑(九州大学准教授)
1 京都朝鮮第一初級事件
2 名誉毀損
3 特定/不特定
4 何が害されているのか
[1] 平穏に生活する権利
[2] 内心の平穏
[3] 名誉感情(侮辱)
5 さらに検討すべき論点
6 差止めの可能性

◇ヘイトクライム規制の憲法上の争点
……桧垣伸次(福岡大学准教授)
1 ヘイトクライムとは何か
2 アメリカ
[1] 概観
[2] R.A.V.判決
[3] ミッチェル判決
3 ヘイトクライム法の憲法上の問題点
[1] 言論と行為は区別できるのか
[2] ヘイトクライム法が罰しているのは「行為」なのか
[3] 若干の検討
4 日本におけるヘイトクライム法の可能性

◇地方公共団体によるヘイトスピーチへの取組みと課題
……中村英樹(北九州市立大学教授)
1 はじめに
2 これまでの取り組み
3 大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例
4 条例制定権との関係
5 条例の合理性と実効性
6 その他の課題

◇[座談会] 理論と政策の架橋に向けて
……梶原健佑・櫻庭 総・中村英樹・奈須祐治・桧垣伸次
1 刑法と民法、特定型と不特定型
2 不特定型の規制、1段階型と2段階型の害悪
3 法益論、ウォルドロン、人間の尊厳
4 抽象的な目的を掲げてヘイトスピーチ規制をすべきだという議論
5 マイノリティの保護
6 規制法の差別的な適用
7 条例による規制
8 公共施設の使用拒否
9 規制消極説とアメリカの特殊性
10 規制以外の取り組みの重要性 意見の分かれ目
11 民事・行政上の対応の可能性

[特別企画]
今、なぜロースクールで学ぶのか

[座談会] 若手弁護士が語る法科大学院の魅
……小塩康祐・毛受達哉・戸塚雄亮・重政 孝・堀 香(弁護士)

ロースクールで学んだことが弁護士の仕事でどう活きるののか
幅広い弁護士の仕事の世界
弁護士の就職活動の実際――人との出会いを大切に
弁護士の仕事の魅力

●2016年4月号(3/12発売)

▼裁判・立法などの時事的なネタを紹介する巻頭記事

[裁判と争点]
◇震災の建物崩落で刑事責任認める
コストコ死傷事故で建築しの過失認定

[立法の話題]
◇選挙人名簿の登録制度の改善
選挙権年齢の引き下げと同時に施行

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
法学入門2016

法律学をこれから学び始めようとするみなさん、
新しく学び始める期待で胸を膨らませていることと思います。
法律学の基本6科目について、法学部や法科大学院で教える法学研究者が、
それぞれの分野の魅力を語る法学入門特集をお届けします。
大学での講義とは少し持ち味の異なる
法セミならではの法学入門を楽しんでください!
――編集部

◇[憲法]
憲法の意義――「あたりまえ」を守る」

……玉蟲由樹(日本大学教授)

1 はじめに
2 憲法は「縁遠い」?
[1] 日常的な「あたりまえ」
[2] 国家運営の「あたりまえ」
[3] 「あたりまえ」と立憲主義
3 憲法は「古臭い」?
[1] 憲法の「変わらなさ」
[2] 「生ける法」としての憲法
[3] 憲法解釈の現場
4 結びにかえて
5 文献案内
[1] 憲法入門
[2] 概説書
[3] 発展編
[4] 判例を読む
[5] 古典に学ぶ
[6] 最後に

◇[民法]
「日常」と「非日常」の民法

……白石 大(早稲田大学准教授)

1 民法は「日常的」すぎてつまらない?
2 「非日常」の民法――2つの「人の死」をめぐって
[1] 子が放課後に起こした事故
[2] 認知症の家族が起こした事故
3 「日常」と「非日常」のはざまの民法
4 「日常」と民法
5 文献案内

◇[商法]
商法の世界をのぞいてみよう

……笹岡愛美(横浜国立大学准教授)

1 商法とは何か
[1] 法律としての商法と商法科目
[2] 商法を構成する各領域
[3] 各領域に共通する性質
2 ケースでみる商法
[1] 設例
[2] ビジネスの自由とその制限
[3] 資金調達と企業形態
[4] 名称に対する信頼の保護
[5] 共同企業に特有の問題
3 商法への取り組み方
4 文献紹介

◇[民事訴訟法]
「是非に及ばす」

……清水 宏(東洋大学教授)

1 身に覚えのない連絡
2 勝利は我にあり
3 弱冠の一騎駆け
4 「かたち」から入る
5 法律討論の見せ場はいずこ
6 裁判にして裁判に非ず
7 民事訴訟制度を学ぼう!
8 文献紹介

◇[刑法]
これから刑法を勉強するみなさんへ

……園田 寿(甲南大学教授)

1 はじめに
2 蟻や蜂は夢を見るのか
3 刑法の言葉には<力>がある
4 裁判官は「石橋を叩いて渡る」
5 犯罪というカオスに肉薄するためには
6 体系からこぼれたものをどう拾いあげるのか
7 外国法をその国の言葉で勉強しよう
8 文献案内

◇[刑事訴訟法]
刑事法学学習の要点

……正木祐史(静岡大学教授)

1 刑事法学の目的
2 法学の技術――「法的三段論法」と「法解釈」
3 刑事訴訟法の特徴①2つの「目的」と「法解釈」
4 刑事訴訟法の特徴②「手続法」であること
5 刑事訴訟法の難所①条文の構造
6 刑事訴訟法の難所②刑法の理解
7 文献紹介~学習の深まりと拡がりを意識して

●2016年3月号(2/12発売)

▼裁判・立法などの時事的なネタを紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇熟議なき死刑執行は即停止を
――元裁判員の視点から死刑制度を考える

……田口真義(元裁判員、LJCC事務局)

[裁判と争点]
◇元オウム菊池被告に逆転無罪
東京高裁、裁判員の判断に「合理的疑い」

[立法の話題]
◇「心のケア」の専門職の国家資格化
公認心理師法の制定

[ロー・アングル]
◇国際政治と会社法制改革
――平成5年商法改正を通して今を見る

……仮屋広郷(一橋大学教授)

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
最高裁判決2015――弁護士が語る

裁判には、その事件を担当した弁護士にしか語り得ないさまざまな物語が詰まっています。
原告との出会い、証拠の収集、裁判を乗り切るための戦略、そして、どのような想いで訴訟を追行したのか。
本特集で語られる弁護士の声は、判例集などでは知り得ない、
事件の生の雰囲気、訴訟の意義を伝えてくれます。
それぞれの事件の背景、争点を知ることは、判例を読み解く視点を一段と深め、
学習者のステップアップにも大きく貢献するでしょう。
――編集部

◇外れ馬券必要経費事件
(最三小判平27・3・10刑集69巻2号434頁/所得税法違反被告事件/平成26(あ)第948号)
……中村和洋(弁護士)

◇国籍法12条違憲訴訟
――誰のための、何のための国籍か

(最三小判平27・3・10判時2257号24頁/国籍確認請求事件/平成25(行ツ)第230号)
……近藤博徳(弁護士)

◇専修大学事件
――労災受給中の患者を解雇することは可能か

(最二小判平27・6・8民集69巻4号1047頁/地位確認等請求反訴事件/平成25年(受)第2430号)
……小部正治・山添 拓(弁護士)

◇在外被爆者医療費訴訟
(最三小判平27・9・8裁判所ウェブサイト/一般疾病医療費支給申請却下処分取消等請求事件/平成26(行ヒ)第406号)
……永嶋靖久(弁護士)

◇八ツ場ダムに関する公金支出差止等請求訴訟
(最一小決平27・9・10/八ッ場ダム費用支出差止等請求事件/平成26(行ツ)第355号、平成26(行ヒ)第382号)
……高橋利明(弁護士)

◇衆議院議員定数是正訴訟
(最大判平27・11・25裁判所ウェブサイト/選挙無効請求事件/平成27年(行ツ)第253号外)
……山口邦明(弁護士)

◇再婚禁止期間違憲訴訟
(最大判平27・12・16裁判所ウェブサイト/損害賠償請求事件/平成25(オ)第1079号)
……作花知志(弁護士)

◇夫婦別姓訴訟
――自分と異なる選択(生き方)を許容できるか
(最大判平27・12・16裁判所ウェブサイト/損害賠償請求事件/平成26(オ)第1023号)
……寺原真希子(弁護士)

●2016年2月号(1/12発売)

[ロー・ジャーナル]
◇日本の憲法構造の危機
――辺野古新基地建設問題からみえるもの

……徳田博人(琉球大学教授)

はじめに
1 翁長知事による埋立承認取消後の国と
沖縄県の争いの動向
[1] 国(国土交通大臣等)の動き
[2] 沖縄県の動き
2 安保体系が、純粋憲法体系を飲み込んでしまう
3 私人なりすまし
4 執行停止と代執行訴訟の併用問題
5 法治主義を軽視する国の態度
6 辺野古新基地建設による新たな自治権侵害
おわりに

◇立憲民主主義促進法
――ReDEMOSからの立法提言

……水上貴央(一般社団法人ReDEMOS理事、弁護士)

1 はじめに――ReDEMOSの設立と立法提言
2 問題構造
[1] 違憲・欠陥・不当法案
[2] 立法手続における重大な問題
(ⅰ) 憲法適合性チェック機能の不全
(ⅱ) 地方公聴会が無意味なものに
(ⅲ) 適性な民主主義プロセスを無視した多数派の横暴
(ⅳ) 過去の強行採決とも本質的に異なる「かまくら採決」
(ⅴ) 議事録の捏造
(ⅵ) 国会における自律的な解決手段の不存在
2 立憲民主主義の崩壊を止めるために
[1] いわゆる安保法の巻き戻し立法
[2] 特定秘密保護法の一旦破棄
[3] 立憲民主主義の前進のための立法
[4] 立憲民主主義促進法案として検討している主な内容
(ⅰ) 立法段階で適切な憲法判断を受けることができる仕組み
①A案:憲法判断告知制度
②B案:新たな諮問機関の設置
(ⅱ) 適切な民主主義のプロセスを確実に履践させるための制度
①国会の適正運営のためのルール明示
②国民判断のためのインフラ
③国会内の不服申立機関
3 まとめ

[裁判と争点]
◇立法と司法との関係重視した判断
夫婦同姓・再婚禁止に最高裁大法廷で判決

[立法の話題]
◇瀬戸内海を豊かな海に
瀬戸内海環境保全特別措置法の改正

[特集]
公共空間を考える――技術者として法を語る

現代社会の「公共」が抱えるさまざまな問題について、法、そして専門家は何ができるのか。法学者と分野の異なる専門家が、解決方法を模索する。本特集では新国立競技場問題と安全保障関連法制をテーマに、建築家と憲法学者が対話をする。

◇企画の趣旨
……駒村圭吾(慶応義塾大学教授)

1 伝統と実績を誇る…
2 問題解決の技術としての法
3 法を技術として使ってみる
4 本企画へ

◇[シンポジウム]新国立競技場・集団的自衛権問題を考える
――建築家・法律家からの専門技術者としての忠告

……山本理顕(建築家)・木村草太(首都大学東京准教授)

木村草太准教授による基調報告
1 シンポジウム開催の趣旨
[1] 共通点をもつ2つの問題
[2] 2つの問題の共通点と冷静な技術論
2 集団的自衛権をめぐる問題
[1] 集団的自衛権についてのこれまでの議論
[2] 7.1閣議決定にいたるまで
[3] 武力行使の要件をめぐる混乱
3 技術者による議論の重要性
山本理顕氏による基調報告
1 新国立競技場をめぐる問題
[1] 建築家は建築にどう関わるのかという根本問題
[2] 責任の所在が不明な「デザイン・コンクール」
[3] 転々とする設計案
[4] 専門家としての責任と義務
2 海外にみる専門家の地位と関わり方
[1] スイスにおける建築家の役割
[2] 建築家という専門家の役割とは

◇[座談会]公共空間を考える――技術者として法を語る
……木村草太・駒村圭吾、山本理顕

1 2つの事案のその後の推移をめぐって
[1] 安保問題をめぐる状況
[2] 新国立競技場をめぐる状況
2 「専門技術者」の役割とは?
[1] 建築家は決定権なき専門家集団なのか?
[2] 専門技術者の政治的な利用
3 専門技術者とはどうあるべきか
[1] 専門家技術者の声を活かす仕組みの必要性
[2] 公共と作品性

●2016年1月号(12/12発売)

[ロー・ジャーナル]
◇最高裁判所大法廷での再婚禁止期間と夫婦同氏強制制度に関する2つの訴訟の弁論を傍聴して
……小竹 聡(拓殖大学教授)

◇フリーランス表現者43人による特定秘密保護法違憲訴訟
――東京地裁判決2015年11月18日

……林 克明(ジャーナリスト)

1 具体的被害を認めなかった判決
2 実質的施行を遅らせた成果?
3 邦人人質事件と戦死想定の自衛隊家族カード
4 フリーランスは報道従事者と認められない国

[裁判と争点]
◇裁判員でストレス、2審も敗訴
経験者の控訴棄却、運用も「違法なし」

[立法の話題]
◇無人航空機(ドローン)の飛行ルールを整備
航空法の一部改正

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

[特集]
死刑の論点

法が人の命を奪う、究極の刑罰である死刑。
裁判員制度により市民が死刑事件に直面することも、避けることができなくなりました。
そして、18歳選挙権の実施に伴い、将来は裁判員が18歳から選任されるかもしれません。
死刑は、ある日、突然目の前に突きつけられるかもしれないのです。
私たちは死刑について、どれだけの理解があるでしょうか?
死刑に関する情報は、どれほど公開されているでしょうか?
現代に至り、身近になりつつある死刑については、実は知らないことも多いのではないでしょうか?
本特集では、一度は考えておきたい死刑という究極の制度について、
基本的な論点と最先端の問題を紹介します。
――編集部

◇18歳の君に――あなたは、死刑を言い渡しますか?
……石塚伸一(龍谷大学教授)

1 はじめに
2 裁判員になったら?
3 死刑と裁判員裁判
[1] 死刑法定犯罪(刑法、特別法)――死刑が規定されている犯罪にはどんなものがあるのですか?
[2] 死刑の数――どのくらいの数の死刑判決が言い渡されているのですか?
[3] 死刑の急増――なぜこんなに増えているのでしょう?
4 死刑の執行――どうやって執行されるの?
[1] 死刑執行の歴史――なぜ、絞首刑なのか?
[2] 死刑の合憲性――最高裁は死刑制度をどう考えているのか?
[3] 死刑の基準――どういう基準で死刑かどうかを決めればいいんですか?
[4] 死刑の執行方法――絞首は、人道上許されるか?
5 執行の現実
[1] 死刑執行に関する法令――死刑の執行について、どんな法律で定められているのですか?
[2] 死刑に関連する法令――法律ではどうなっているのですか?
[3] 執行の現実――実際は、どのように執行されているんですか?
6 18歳の君に――あなたならどうしますか?
7 むすびに代えて

◇死刑の基準――永山基準は葬り去られたのか
……永田憲史(関西大学教授)

1 裁判員裁判時代に死刑の基準を考える意義
2 永山事件第一次上告審判決
3 死刑の基準の構造
[1] 第1段階
[2] 第2段階
[3] 第3段階
[4] 第4段階
4 光市事件第一次上告審判決による厳罰化?

◇グローバルな視点から見た死刑制度
……寺中 誠(東京経済大学非常勤講師)

1 死刑の全面禁止に向かう世界
2 死刑の犯罪抑止効果研究
3 死刑を適用される対象者の制限
4 死刑相当犯罪の動きから見る
5 アジアと死刑
6 政治情勢と死刑
7 おわりに

◇死刑存廃論の系譜と展開
……前田 朗(東京造形大学教授)

1 はじめに――尽きない論点
2 古典的論点
[1] 法哲学的論点
[2] 憲法的論点
[3] 刑事政策的論点
3 現代的論点
[1] 国際人権法
[2] 世論の支持、裁判員制度
[3] 代替刑論と終身刑論
4 おわりに――死刑のない社会をイメージする

◇執行方法からみた死刑の残虐性
……正木幸博(弁護士)

1 はじめに
2 執行方法に注目して「死刑の残虐性」を論じることの意味
3 「残虐」性の意味
4 絞首刑の残虐性を考えるための前提知識
[1] 証拠資料の実例1――古畑鑑定書
[2] 証拠資料の実例2――「大阪パチンコ店放火殺人事件」の弁護人資料
5 残虐性を考える際の視点
6 おわりに

◇死刑事件の手続
……笹倉香奈(甲南大学准教授)

1 はじめに
2 日本の死刑事件の手続
3 アメリカの状況
[1] スーパー・デュー・プロセスの保障
[2] 死刑事件の手続保障
[3] コスト
4 検討

[特別企画]
開かれた政府と表現の自由の今

◇世界の開かれた政府と表現の自由、情報の自由の今
……デイビッド・バニサー(Article19 シニアリーガルカウンシル)

1 情報への権利
2 情報への権利の構成要素
[1] 人権法
[2] その他の国際法
[3] 国際条約
[4] Open Govertnment Partnership(OGP)
3 情報公開法の国内法制化の歴史と現状
[1] 国際法制化の歴史
[2] アジアにおける法制化
[3] 近年の法制化における進化
[4] アジアにおける問題点
4 日本の情報公開の現状
[1] 日本の情報公開法
[2] 特定秘密保護法
5 日本の情報公開の改善の必要性

●2015年12月号(11/12発売)

[裁判と争点]
◇シンドラー社員に無罪判決
エレベーター事故で東京地裁判決

[立法の話題]
◇生態系豊かな琵琶湖の保全・再生を図る
琵琶湖の保全及び再生に関する法律の制定

[特集]
派遣労働社会

今年9月に成立した労働者派遣法改正は、派遣労働のあり方を大きく変えるともいわれています。

本特集では、法改正の内容を分析・解説し、
派遣労働拡大に関わる問題と労働のあり方について検討します。

タイトルの「派遣労働社会」は、大げさではないかと思われるかもしれませんが、
派遣労働と非正規雇用と正規雇用は、制度についても、労働の実態についても、
相互に関連して影響を与え合う関係にあり、
わたしたちの労働環境全体に対する本改正の影響を考えることが重要だと思います。
――編集部

◇派遣労働拡大の経緯と背景
……山川和義(三重短期大学准教授)

1 はじめに
2 派遣労働拡大の推移
[1] 労働者派遣事業(事業所)に関する状況の推移
[2] 派遣労働者に関する状況の推移
3 派遣労働に対するニーズと問題
[1] 派遣労働を選択した動機
[2] 派遣労働者からの苦情
4 派遣労働拡大の経緯と背景
[1] 1985年派遣法制定の背景事情と問題
[2] 1985年派遣法における派遣労働
[3] 1999年改正による労働者派遣の自由化
[4] 2012年改正による労働者保護の強化と付帯決議
[5] 派遣労働の位置づけ
5 おわりに――2015年改正法下における派遣労働

◇2015年改正法による新たな期間制限ルール
……奥田香子(近畿大学教授)

はじめに
1 労働者派遣の法律関係
2 2015年改正法による新たな期間制限ルール
[1] 2015年改正前の期間制限ルール
[2] 2015年改正後の期間制限ルール
(a) 業務による区分から派遣労働契約の類型による区分へ
(b) 事業所単位の期間制限
(c) 派遣労働者個人単位の期間制限
3 期間制限ルールの見直しに伴う問題
[1] 専門26業務に従事する派遣労働者の雇止め
[2] 派遣可能期間延長の手続
4 期間制限違反と労働契約申込みみなし制度の適用
5 おわりに――原則との整合性?

◇持続可能な社会と雇用
――派遣労働を中心とする非正規雇用規制とのかかわりで

……矢野昌浩(龍谷大学教授)

1 問題状況と課題設定
[1] 非正規雇用・派遣労働の現在
[2] 2015年法改正と課題設定
2 日本的非正規雇用と派遣労働規制
[1]日本的非正規雇用
[2] 派遣労働規制の方向性
3 持続可能な社会と雇用規制のあり方
[1] 持続可能な社会とは?
[2] 雇用とは?
4 派遣労働者の労働基本権保障

◇派遣労働拡大と労働関係・社会保障の理論
……脇田 滋(龍谷大学教授)

はじめに
1 使用従属の実態重視と直接雇用(間接雇用禁止)原則
[1] 使用従属の実態を重視する労働法
[2] 直接雇用=間接雇用禁止原則確認の意義
2 違法な現実の追認を繰り返す派遣法改正
[1] 職業安定法44条違反の蔓延
[2] 1985年労働者派遣法と違法状態の追認
[3] 違法な現状の追認と派遣法改正
3 2015年「改正」で際立つ日本派遣法の異常性
[1] 使用者責任の水平的配分と労働者保護の欠如
[2]「無期限の一時的労働」という矛盾
[3] 均等待遇保障のない異常な派遣労働規制

◇労働の意味と雇用のあり方を考える
……和田 肇(名古屋大学教授)

はじめに
1 働くことの意味
2 キャリア権について
3 働き方の多様化?
[1] プラスイメージか
[2] 貧困・格差
[3] 若者と働き方
4 ブラック企業問題
5 労働組合の役割
6 まとめに代えて

◇派遣労働者の労働問題
――法改正の動向を踏まえた検討

……塩見卓也(弁護士、名古屋大学研究員)

1 労働者派遣の問題点
2 2012年法改正
3 違法派遣・偽装請負事案の裁判例動向
4 2015年法改正
5 法改正と派遣労働の動向

●2015年11月号(10/13発売)

[ロー・ジャーナル]
◇偽装携帯基地局を用いた通信傍受
――携帯電話の無差別傍受装置「スティングレイ」

……指宿 信(成城大学教授)

[裁判と争点]
◇在外被爆者にも医療費支給
最高裁が初判断、厚労省も支援見直しへ

[立法の話題]
◇合区を導入して参議院の定数較差を是正
公職選挙法の改正

[特集]
「傍聴人に聞こえない証人尋問」国家賠償請求事件
―― 一橋大学ロースクール人権クリニック

裁判を受ける権利や裁判の公開に関する重大な問題をはらむ「傍聴人に聞こえない証人尋問」事件を素材として行われた一橋大学ロースクールの臨床法学教育である人権クリニックの内容を紹介する。事件への理解を深めるとともに、大学院生と原告や代理人弁護士、法学研究者によって繰り広げられた刺激的な学修を追体験する。
――編集部

◇はじめに――「傍聴人に聞こえない証人尋問」国家賠償請求事件
……吉田秀康(弁護士、東洋大学法科大学院教授)

◇一橋大学法科大学院の「人権クリニック」とは
……阪口正二郎(一橋大学教授)

◇事案の紹介、原告・被告の主張の検討(1)
――クリニック・その1
……吉田秀康(弁護士)・塚田育恵(弁護士)・阪口正二郎(一橋大学教授)・渡辺康行(一橋大学教授)

◇事案の紹介、原告・被告の主張の検討(2)
――クリニック・その2
……吉田秀康(弁護士)・塚田育恵(弁護士)・阪口正二郎(一橋大学教授)・渡辺康行(一橋大学教授)

◇東京地方裁判所判決・控訴審判決の検討
――クリニック・その3
……吉田秀康(弁護士)・阪口正二郎(一橋大学教授)・渡辺康行(一橋大学教授)

◇最高裁判所決定を受けて
――クリニック・その4
……吉田秀康(弁護士)・阪口正二郎(一橋大学教授)・渡辺康行(一橋大学教授)

◇おわりに――クリニックを終えて
……吉田秀康(弁護士、東洋大学法科大学院教授)

●2015年10月号(9/12発売)

[特集]
高校生でもわかる憲法学入門

「憲法学」のおもしろさを実感していただくための特集です!

現在、国会ではいわゆる安保関連法案が審議されており、「憲法」ということばが言論空間を頻繁に飛び交っていますが、憲法学は9条や立憲主義の問題の他にも幅広い対象をもっている学問です。

去る6月17日、選挙権が付与される年齢を20歳から18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が成立し、多くの高校生なども次の選挙から投票権を得ることになりました。さまざまな社会の問題を考える際には、憲法の理解があると、ものごとを深く多面的に検討できるようになります。

高校生をはじめとする法学初学者の方々に、さまざまな問題を憲法学の視点から考えてみるためのバラエティー豊かな論考をお届けします。
――編集部

◇パスポートは返納すべきか?
――海外渡航の自由をめぐる問題

……尾形 健(同志社大学教授)

◇18歳選挙権の実現
――「有権者になる」とはどういうことか

……井上武史(九州大学准教授)

◇身柄を取られないために
……西村裕一(北海道大学准教授)

◇憲法から死刑を考える
……横大道 聡(慶應義塾大学准教授)

◇子どもと考える学校と生徒の憲法問題
……斎藤一久(東京学芸大学准教授)

◇「働かせ方」を考える
……遠藤美奈(早稲田大学教授)

◇政教分離の位置
……片桐直人(大阪大学准教授)

◇正義の実現と裁判
……上田健介(近畿大学教授)

◇国民主権と統治行為
……山本龍彦(慶應義塾大学教授)

2015年9月号(8/12発売)

▼裁判・立法などの時事的なネタを紹介する巻頭記事

[ロー・ジャーナル]
◇今、なぜロースクールで学ぶのか
☆列島縦断リレー☆法科大学院がわかる会
……法科大学院協会

◇立憲デモクラシーの会「国会で審議が進む安保関連法案のすみやかな撤回を求める緊急声明」発表改憲
…………編集部

[裁判と争点]
◇令状なしGPS捜査は違法
大阪地裁「プライバシー侵害」初判断

[立法の話題]
◇東京五輪等の円滑な準備・運営のための基盤整備
――平成32年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法の制定

▼最新の重要テーマに深く踏み込む「特集」と「特別企画」

特別企画=SEALDsインタビュー
――民主主義ってなんだ?自分の言葉で語るってなんだ?
……林田光弘、元山仁四郎、池田由莉矢、神宮司博基さんに聞く

[聞き手]白藤博行(専修大学教授)

全文を公開中です! 特設ページはこちら

<目次>
1|自己紹介――SEALDsに参加した理由
2|SASPLからSEALDsへ
3|自分の言葉で語るとは
4|反対することは、デモするのは恐くないのか
5|民主主義ってなんだ?
6|憲法守れ
7|活動の拡がり、他の世代や学者の会などとの連携
8|SEALDsの活動と自分

※なお、本文中(13、14頁)で、「戦争法案に反対する全国若者一斉行動@青山」の予定日が8/22となっていますが、SEALDsホームページによると現在8/23(日)16:30- の予定と変更されています。

特集=司法試験問題の検討Part.2

公法系科目試験問題
第1問……木村草太(首都大学東京准教授)、西村裕一(北海道大学准教授)
第2問……南川和宣(岡山大学教授)、湯川二朗(弁護士、京都産業大学教授)

刑事系科目試験問題
第1問……照沼亮介(上智大学教授)、杉本一敏(早稲田大学教授)
第2問……斎藤 司(龍谷大学准教授)、角田雄彦(弁護士、白鴎大学教授)