◆11月号(87巻12号) 戦後70年と安保法制――「国際法の支配」と立憲主義

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日本国憲法の平和主義を根底から揺さぶる「安保法案」を、ときに国際法が正当化する構図がある。法の支配とはいったい何か? 戦後70年=国連体制70年のいま、改めて憲法と国際法の関係に迫る。

 
<特集「戦後70年と安保法制」より>

◆安保関連法の成立と国際法

 1 憲法の支配、国際法の支配
 9月19日未明、参議院本会議で安全保障関連法(平和安全法制整備法および国際平和支援法)案が可決された。この間、多くの法律家が政府の非立憲的態度と同法の違憲性を強く批判する見解を公にした。
 「駆けつけ警護」や「後方支援」など、拡充される自衛隊任務への懸念が表明される一方で、憲法と適合性をとりわけて問題視されたのが「存立危機事態」における集団的自衛権の行使容認であることは再述するまでもない。 … (本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!) 
 
 
 

—— 2015年11月号目次——

 

◇特集=戦後70年と安保法制――「国際法の支配」と立憲主義

安保関連法の成立と国際法 … 阿部浩己
「国際法の支配」 … 蟻川恒正
「国際社会における法の支配」が意味するもの … 松井芳郎
文化多様性と国際社会の現在 … 西海真樹
国連による安全保障の70年と日本の対応 … 佐藤哲夫
変容する世界秩序と「戦争」の現在
 ――切れ目なき「対テロ戦争」と武力紛争法のパラドクス … 新井 京
「集団的自衛権」の風景――9条・前文・13条 … 棟居快行
「固有の資格」と「対等性」
 ――辺野古新基地をめぐる工事停止指示と審査請求について … 角松生史
「7.1閣議決定」と安全保障関連法 … 水島朝穂

 
 
日本国憲法9条2項前段に関するロマニストの小さな問題提起 … 木庭 顕
 
債権法改正と中間利息控除 … 北河隆之
 
ドイツにおける本拠地分離の実体とEU一人有限会社(SUP)指令案
 ――ヨーロッパ開業の自由の現状 … 新津和典
 
 

【連載】憲法学のゆくえ・7-2
[座談会]憲法と社会保障法――対話の新たな地平(前篇)
  … 笠木映里・宍戸常寿・曽我部真裕・山本龍彦
 
 
 
【連載】憲法学からみた最高裁判所裁判官・8
裁判官と学者の間――伊藤正己 … 齊藤 愛
 
【連載】「国家と法」の主要問題・6
ケルゼンを使って「憲法適合的解釈は憲法違反である」といえるのか … 毛利 透
 
〈戦後70年〉に考える――知の破壊vs「知の共和国」【法律時評】 … 樋口陽一