◆9月号(85巻10号) 行政関係紛争における訴訟類型の交錯

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2004年の行訴法改正により、行政関係紛争において特定の行為をどのような訴訟として争うかが極めて重要になっている。本特集では3つの点に着目して問題状況を捉え、行政法と民訴法の双方の視点から分析することで、議論の新たな可能性に迫る。

 
<特集「行政関係紛争における訴訟類型の交錯」より>

◆行政関係紛争における訴訟類型の交錯――形式的行政処分論議のリバイバルを中心として

1 はじめに
 2004年の行政事件訴訟法(以下、「行訴法」)改正後、訴訟においても変化があり、活発な議論が展開されてきた。本誌でもしばしば行訴法関係が特集で扱われ、行政法の学会である行政法研究フォーラムでも検討対象とされてきた。2012年には検証報告書も提出され、2013年7月には行政法研究フォーラムでその検討も行われた。本特集は、特に以下の状況を踏まえつつ、検討を行うものである。……(本誌より抜粋/本文内容一部参照できます!

 

—— 2013年9月号目次 ——

 

◇特集=行政関係紛争における訴訟類型の交錯

行政関係紛争における訴訟類型の交錯――形式的行政処分論議のリバイバルを中心として … 榊原秀訓
「処分性」拡張と処分性概念の変容 … 下井康史
訴訟実務から見た「処分性」拡大の傾向――実効的な司法救済のタイミング … 越智敏裕
行政関係紛争と確認訴訟 … 山田健吾
予防訴訟としての確認訴訟と差止訴訟 … 湊 二郎
民事訴訟法研究者からみた公法紛争における確認訴訟 … 石田秀博
行政関係紛争における事実行為と民事訴訟 … 深澤龍一郎
公法紛争における事実行為と民事訴訟
 ――「公共施設に対する民事差止訴訟の活用可能性」に関する一素描 … 川嶋四郎

 
競争法は「表現の自由」の破壊者か保護者か(1)
 ――情報社会の新しい秩序の形成期における一試論:欧米の事例から … 市川芳治
 
福島原発事故被害の救済――原発事故集団訴訟の意義と課題 … 吉村良一
 
中小企業向けスワップ事件の金融ADRにおける扱いについて … 青木浩子
 
便宜供与の法的性格と大阪市労使関係条例 … 西谷 敏
 
民事裁判の基礎理論・和解の構造分析――和解構造論とは、どのような考え方か … 河村 浩
 
韓国における国民参与刑事裁判制度の最終形態
 ――国民司法参与委員会の最終形態案をふまえて … 崔 鍾植
 
【連載】イギリス憲法の実像――その歴史的文脈・24 … 戒能通厚
 
【連載】強行法と任意法
第三者のためにする契約の意義と民法537条2項の強行法規性 … 長谷川貞之
 
2013年参院選と両院制の今後――定数不均衡と「ねじれ国会」の解消とを素材に【法律時評】 … 新井 誠