訃報
ウラジーミル・アーノルド(Vladimir I. Arnold)氏が去る6月3日,逝去された.享年72歳.
ヒルベルト第13問題の解決,KAM理論とアーノルド拡散の発見など,数多くの業績を残した.1982年のクラフォード賞をはじめ,受賞も多数.邦訳書として『古典力学の数学的方法』(岩波書店),『古典力学のエルゴード問題』(共著,吉岡書店),『数理解析のパイオニアたち』(シュプリンガー・フェアラーク東京)などがある.
ポール・マリアヴァン氏(Paul Malliavin,パリ第6大学名誉教授)が去る6月3日,逝去された.享年84歳.専門は確率解析学,調和解析学など.
現在では「マリアヴァン解析」と呼ばれている経路空間上の解析学を提唱した.著書に『Stochastic Analysis』(Springer),『Stochastic Calculus of Variations in Mathematical Finance』(共著,Springer)などがある.
イズライル・ゲルファント(Israel M. Gelfand)氏が去る10月5日,逝去された.享年96歳.専門は関数解析学および表現論.
作用素環論、無限次元リー環、調和解析、等質空間論など分野を超えて強力な影響力を持つ多くの業績を上げている。1989年には京都賞を受賞した。
茂木勇(もぎ・いさむ)氏(筑波大名誉教授)が去る8月28日,悪性リンパ腫のため逝去された.享年89歳.専門は微分幾何学.
著書に『微分幾何学とゲージ理論』(共著,共立出版)などがある.
赤池弘次(あかいけ・ひろつぐ)氏(統計数理研究所名誉教授)が去る8月4日,肺炎のため逝去された.享年81歳.専門は統計科学.
著書に『ダイナミックシステムの統計的解析と制御』(共著,サイエンス社),『科学の中の統計学――現代科学と統計数理の接点』(講談社),『赤池情報量規準AIC――モデリング・予測・知識発見』(共著,共立出版)などがある.
丸山正樹(まるやま・まさき)氏(京都大学名誉教授・同志社大学教授)が去る4月10日,膵がんのため逝去された.享年64歳.専門は代数幾何学.
著書に『グレブナー基底とその応用』(共立出版)がある.
本誌では「現代代数学の歩み――マムフォード」(2005年7月号)などを執筆いただいた.
高村幸男(こうむら・ゆきお)氏(お茶の水大学名誉教授)が去る3月21日,くも膜下出血のため逝去された.享年77歳.専門は微分方程式.
本誌では「数学者を目指す人のために「特異精薄」のすすめ」(1995年7月号)を執筆いただいた.
西島和彦(にしじま・かずひこ)氏(東京大学・京都大学名誉教授)が2月15日,急性リンパ性白血病のため逝去された.享年82歳.専門は素粒子論.
著書に『場の理論』(紀伊國屋書店),『素粒子の統一理論に向かって』(岩波書店)などがある.
宮川鉄朗(みやかわ・てつろう)氏(金沢大学教授)が2月11日,急性心筋梗塞のため逝去された.享年60歳.専門はナヴィエ-ストークス方程式.
小誌では2000年11月号に「特集・21世紀への問題:[ミレニアム賞問題]ナヴィエ-ストークス方程式」をご執筆いただいた.
茶谷正洋(ちゃたに・まさひろ)氏(東京工業大学名誉教授)が2008年11月19日,喉頭がんにより逝去された.享年74歳.専門は建築意匠.
折り紙の手法を応用して一枚の紙から立体的な造形物を表現する「折り紙建築」を考案.その後,世界中に普及した.
著書に『折り紙建築』(彰国社),『マジックハウス――とびだすペーパークラフト』(雄鶏社)など多数ある.
伊藤清(いとう・きよし)氏(京都大学名誉教授)が2008年11月10日,呼吸器不全により逝去された.享年93歳.専門は確率論.著書に,『確率論の基礎』,『確率論』(いずれも岩波書店)などがある.
自然界にある偶然性を伴う現象を説明するため「確率微分方程式(伊藤の公式)」を考案.2006年に第1回ガウス賞を受賞した.
草場公邦(くさば・としくに)氏(東海大学名誉教授)が2008年10月31日,急性呼吸窮迫症候群による敗血症により逝去された.享年71歳.専門は代数学.
著書に『行列特論』(裳華房),『数学の考え方いろいろ』(遊星社)などがある.
永田雅宜(ながた・まさよし)氏(京都大学名誉教授)が2008年8月27日,胆管がんのため逝去された.享年81歳.専門は代数学・代数幾何学.
可換環論において「鎖状環でないネーター環」の構成や「ヒルベルトの第14問題」を否定的に解決した.
京都大学在職中は後進の育成にも心血を注ぎ,広中平祐氏,森重文氏,2人のフィールズ・メダリストを輩出した.
小誌では1980年代より長きにわたり「エレガントな解答をもとむ」の問題をご出題いただいた.





